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【脱!昭和の健康常識】「朝食に果物やジュース」は、もはやNG!?

「朝は果物やジュースがヘルシー」。この健康常識に、実は盲点があるのをご存じですか? 機能性医学の専門医、斎藤糧三先生が、果糖と血糖値スパイク、脂肪肝、現代の甘い果物の意外なリスクまで、「朝フルーツ神話」の新常識をズバッと解説します。

「朝の果物は金」。その常識、どこから来たの?

こんにちは。斎藤糧三です。
「機能性医学」を専門に、日本機能性医学研究所の所長を務め、表参道のクリニックで診療しています。

 

「朝の果物は金」。こんな言葉、聞いたことがあるんじゃないでしょうか?

 

もともとはヨーロッパ発祥で、「朝に果物を食べると健康によい」という意味のことわざです。昭和の日本でも果物やジュースが朝食の食卓に上り、「ビタミンもエネルギーも補給できる!」と大歓迎されてきました。

 

 

ところが、ここには意外な盲点があったんです。

昭和の健康常識 朝食にフルーツ 朝食 果物はNG OurAge 斎藤糧三

最近では、果物やジュースが「血糖値をドーンと上げる」「脂肪肝リスクも高める」など、デメリットが指摘されるようになりました。

 

しかも今の果物、品種改良で昔とは比べものにならないほど甘くなってますからね。そろそろ「朝イチ果物神話」も見直し時かもしれません。

 

 

ヘルシーなつもりが逆効果? 果物とジュースの落とし穴

 

「朝は果物やジュースでヘルシーに!」と思っている人は多いものですが、今どきの果物やジュースは「デザート級」の甘さ! ヘルシーというより、そりゃ朝からスイーツ気分です♡

 

ここで注意したいのが「血糖値スパイク」。

 

朝は血糖値を上げるホルモンが出やすい時間帯なのに、そこに糖質たっぷりの果物やジュースをとることで、血糖値がより急上昇しやすくなります。

 

これが毎日続くと、太りやすくなったり、将来的に糖尿病や動脈硬化のリスクも上がります。

 

「野菜ジュースなら大丈夫でしょ」と油断しがちですが、これも今や糖質たっぷりだったりします。特にトマトなんか、もはやフルーツ顔負けの甘さ。野菜もあなどれません。

 

もともと、イモ類をはじめごぼうやにんじんなどの根菜類は糖質が高いので、にんじんをジュースにすればさらに血糖値スパイクを招きがち。

 

「野菜だから安心」は早合点。ジュースにした時点で血糖値がドン、です。

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記事が続きます

果糖で脂肪肝!? 朝フルーツ習慣の知られざる危険

 

果物やジュースに多い「果糖」は、「血糖値を上げにくいから安心」なんて言われることもありますよね。それ、本当でしょうか?

 

実はここにもワナが潜んでいます。

 

食べ物からとった果糖は、ほぼ肝臓へまっしぐら。そして、肝臓で「余った分」は中性脂肪に姿を変えて、どんどん肝臓に蓄えられていくんです。

 

これが、近年とても増えている「脂肪肝」の正体です。

 

最近は「痩せ型脂肪肝」というタイプも増えてきました。見た目はスリムでも、肝臓だけポッチャリ〜なんてことも。

 

果物やジュースを「ヘルシー」だと信じて続けているうちに、じわじわと脂肪肝に近づいている可能性があるってことです。果糖、こわっ。

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果物は「自然界のスイーツ」。デザートと心得て

 

果物はビタミンやフィトケミカルが豊富で、どう考えても体にいいじゃない!」。そう考える人もいます。

 

実際、みかんもりんごもバナナやキウイさえも、皮ごと食べれば食物繊維もとれるし、抗酸化成分だってたっぷり。

 

でもね、どんなにいい栄養成分が入ってても、血糖値スパイクや脂肪肝リスクはゼロにはなりません

 

もちろん、個人差はあります。代謝がいい人、血糖コントロールがうまくいっている人なら影響は小さいことも。ただし、毎朝モリモリ…は、さすがにちょっと待った、です。

 

特に現代の果物は、昔と比べて甘さも糖質もケタ違い。「果物=自然界のスイーツ」と心得て、デザート感覚で程々に食べるくらいにしたいものです。

 

朝食に何食べる? ヘルシーをかなえる新常識

 

朝ごはんで一番大事なのは、まず「タンパク質」をしっかりとること。

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タンパク質は、筋肉や臓器、ホルモン、免疫細胞など体の材料になるだけでなく、朝にとることで一日の代謝スイッチもオン。血糖値の乱高下も防げて、午前中のだるさや集中力切れも防ぎやすいんですよ。

 

時間に余裕があれば、昔ながらの和定食。焼き魚、卵、納豆でタンパク質OK、具だくさん味噌汁必須! ご飯は少なめでね。

 

パン派なら、卵やチーズ、ツナなどタンパク質のおかずをプラス。

 

時間がない朝は、砂糖や甘味料の少ないプロテインドリンクも便利です。ただし、できれば添加物を控えたタイプを選んで。

 

「朝イチの果物」より、血糖値も脂肪肝リスクも心配いらずの朝ごはん。これが今どきの新常識です。

 

記事が続きます

■まとめ■ 令和の常識はこれ!

昭和の常識:朝ごはんは果物やジュースが一番。朝の果物は金!

令和の常識:朝イチの果物やジュースは、血糖値や脂肪肝リスクに注意

タンパク質をしっかりとる朝ごはんが理想的です。
ヘルシーのイメージだけに頼らず、自分の体調やライフスタイルに合わせて新しい常識を選びましょう。

 

 

【教えていただいた方】

斎藤糧三
斎藤糧三さん
医師/日本機能性医学研究所所長
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1973年生まれ。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年「日本機能性医学研究所」を設立(2009年に法人化)。2017年、スーパーフードとしての牧草牛(グラスフェッドビーフ)の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。2022年、機能性医学と再生医療を融合させた治療拠点として「斎藤クリニック」を開設。著書に『サーファーに花粉症はいない』(小学館)、『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる!ケトジェニックダイエット』(講談社)、『病気を遠ざける! 1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』(講談社+α新書)ほか多数。斎藤クリニックSaito Farm

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イラスト/小迎裕美子  取材・文・画像制作/蓮見則子

 

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