骨盤底筋トレーニングをしているつもりでも、実は正しく動かせていない人が多いのです。
そう話すのは、骨盤底筋トレーニングサロンの代表、北條裕紀恵さん。
「骨盤底筋は、体の深部にあるインナーマッスル。体の表面の筋肉と違って自分で見て確認することができないうえ、腕や脚などと違って関節がないので、正しく動いているかどうかわかりづらいのです。
自分では動かせているつもりでも、まったく動いていない場合もあり、これではせっかくトレーニングをしても効果が得られません。
私のサロンではエコーと体の外側から触って骨盤底筋が正しく動かせているか確認しています。体の外側から骨盤底筋に触れて動きを確認すると、正しく動かせていない人がたくさんいます」
そこで、北條さんが教えてくれたのは、自分で骨盤底筋を正しく動かせているか確認する方法。以下の方法で、チェックしてみましょう。
骨盤底筋を正しく動かせているか、触ってチェック!
横向きに寝て、片手の親指以外の4本の指を、尾骨と坐骨のちょうど中間あたりにぐっと差し込みます。そのまま、息を吐きながら骨盤底筋を引き上げ(締める)ます。
このときに、指を当てている部分が引き上がるように動き、息を吸ったときに緩むのをチェック。正しく動いていればOKです。
上の写真の動きでチェックしているのは、下の写真の指で示したあたりの骨盤底筋です。ここを指で奥までグッと圧迫して、ゆっくりと動かしてみましょう。
骨盤底筋を締めたときに、指で示したあたりが動けばOK
会陰や尾骨にも指を当ててチェックしてみよう
さらに今度は、人差し指か中指で、会陰のあたりか尾骨のあたりを軽く圧迫して、同様にチェックしてみましょう。
息を吐きながら骨盤底筋を引き上げ(締め)たときに、会陰や尾骨が指から離れていくのが確認できれば、正しく動かせているということです。
そのほか、骨盤底筋が正しく動かせているかどうかは、パートナーとのセックス中にもチェックできます。
「セックスのときに、骨盤底筋を締めてみて、パートナーに締まっているか聞いてみましょう。締まっていないと言われたら、正しく動かせていないということです。
自分では締めているつもりでも、内ももを締めているだけというような場合もあるのでパートナーによく確認してみましょう」
上記のようなチェックテストをやってみて、骨盤底筋が正しく動いていなかった人は、以下の方法で、骨盤底筋の位置を把握することから始めてみましょう。
尾骨〜恥骨にタオルを当てて座って、骨盤底筋の位置を意識づけ
厚めのフェイスタオルを巻いて丸めます。(厚さや大きさはお好みで!)それを椅子に置き、尾骨から恥骨までがタオルに当たるようにして座ります。
このときタオルが当たっているのが骨盤底筋の場所。
息を吐きながら、タオルが当たっている部分を腟の中に引き込むようなイメージで骨盤底筋を締めます。
次に、吸いながら緩めます。タオルが当たっている部分に動きを感じたら、骨盤底筋が正しく動いているということです。
タオルを置くことで骨盤底筋の場所を自分でとらえやすくなります。続けるうちに骨盤底筋を正しく動かせるようになっていくので取り入れてみて。
【教えていただいた方】
2011年より医療施設の骨盤底筋トレーニング外来にて多数の患者に指導を行った後、2018年に「骨盤底筋トレーニング YUI」を開業。尿もれや骨盤臓器脱など、骨盤底の緩みに悩む多くの女性をサポートする。現在は、骨盤底筋のトレーニングだけではなく、骨盤調整や筋膜の施術など、サービスの幅を広げる。日本女性骨盤底医学会所属。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/広瀬あつこ 取材・文/和田美穂