明日は休みだから、とつい夜更かし。翌朝は寝坊したので睡眠不足にはなっていないし、グッスリ熟睡出来た感も。でも、何故か疲れが残ったまま…。そんな経験、ありませんか?
「2017年には『睡眠負債』という言葉が流行語になり、睡眠不足がさまざまな弊害をもたらすと認知されるようになりました。しかし一方で、誤解も生じているようです」とは、明治薬科大学 リベラルアーツ 准教授の駒田陽子先生。
「睡眠不足という借金があるなら返済すればよい。つまり、寝られるときに不足した睡眠を補えばよいという誤解です。私たちには体内時計が備わっているため、寝だめするという睡眠の仕方ではますます体内リズムが乱れてしまうのです」
私たちの体は目覚めてから14時間後くらいに睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌を始め、睡眠時は深部体温が最も低くなります。朝になる頃にはストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールが分泌されて血糖値や血圧が上がり、「おはよう」と起きて朝日を浴びることでメラトニンの分泌がストップ。スッキリとした目覚めに日中のパフォーマンス、そしてす〜っと寝つけるのはこの体内リズムが整っているからこそ。このリズムを調整しているのが体内時計です。
「体内時計は1日の24時間より15分ほど長い周期のリズムを持っています。体のあらゆる細胞に存在する末梢時計は運動や食事などの刺激によってそのリズムが変化し、脳深部の視交叉上核(しこうさじょうかく)にあるメインの中枢時計は光の影響を最も強く受け、朝日を浴びることでリセットされて24時間と同調するようになっています」
そんなリズムを乱す要因として、近年では寝だめによるソーシャルジェットラグの研究が進められているのだとか。
ソーシャル・ジェットラグとは、社会の時間と体内時計の不一致によって生じる様々な不調を指す言葉。「平日と休日との睡眠のタイミングのズレ」がまるで海外旅行したときのような時差ボケを引き起こすことに! 起床・就寝時間のズレが大きいほど、体内リズムは乱れやすくなってしまうのだそう。以前から「寝だめは出来ない」という話は聞いたことがありましたが、これほど重大な理由があったとは…。
「ソーシャルジェットラグが大きいと、睡眠時間が足りていても日中に眠くなるなどの弊害があることがわかっており、休日明けの月曜だけでなく、火曜、水曜の眠気や疲労感を引き起こすという研究報告もされています」
さらに、ソーシャルジェットラグは
肥満・生活習慣病・抑うつ症状にも影響がある
と、ここ10年くらいの研究であきらかになっているという言葉にギクッ。平日は睡眠不足で負債がかさみ、週末は寝だめで体内リズムが乱れてしまう…。こんな毎日を繰り返していては、体も心も不健康になる一方ですよね(汗)。では、どう対策すれば?
「理想は、平日も休日も就寝・起床のリズムを崩さないこと。平日に溜め込んだ睡眠負債は、週末に朝寝坊する2〜3時間を平日に20〜30分ずつ割り振る。あるいは週末に夜更かしをした翌朝もいつもと同じ時間に起き、朝食を摂って活動してから昼寝で睡眠を補うという改善策も。睡眠の量や質だけでなく、リズムを意識してご自身の睡眠を見直していただきたいですね」
リズムに着目した成分のチカラを借りても
もうひとつ、睡眠のリズムに着目した機能性表示食品を利用するのも手。胸に付いた体内時計がチクタクと動くこの動画をご覧になったことがある人も多いはず。
「賢者の快眠」(7包¥1,280、30包¥4,980)は、就寝・起床時間のリズムを整え、睡眠の質を高めてスッキリした目覚め感をサポートする機能性表示食品。体内リズムを整える素材として、アスパラガス由来の成分を配合しています。※価格はメーカー希望小売価格
ソーシャルジェットラグがあると判定された人を対象に行った調査では、休日の起床時刻を整えたという調査結果も出ているそう。なかなか寝つけない、週末は寝坊するクセが…なんて人は、夕食後〜就寝前に1包の習慣から対策を始めてみるのも良さそうです。
取材・文/佐藤素美