更年期の不調から脱するため、様々なことにチャレンジしてきた作家・横森理香。
その体験を描いた『コーネンキなんてこわくない』(集英社刊)は、“コーネンキ”を
明るく乗り越えられる気持ちが読むと出てくると話題だ。
さて、今回はタイチ(TAICHI)=太極拳。中でも医学的にその健康効果が
立証された太極拳、メディカルタイチの資格取得に挑戦。講義に続き、実技も・・・
メディカルタイチ3級資格取得講座は、気づきと刺激に満ちていた・・・!!
太極拳の歴史、基礎、効果を学び、最後ボディバランスチャートに書き込むと、参加者それぞれの体質があぶり出される。
私は、「気」が滞っている状態だった。
マジで?
いやー、「横森式ベリーダンス健康法」講師として十年。ほぼ毎日教えている。私のベリーはエナジーフローに注目してやっているので、「気」の流れには自信があったんだけどな~。
しかしよく聞くと、「気」という概念も、東洋医学では、ちと違うもののようだ。
「気の流れの滞りは、姿勢にある。みな、胸はってるでしょう? これは、ここ(鳩尾)で呼吸が滞ってしまって、ここ(丹田)まで行かない。あとでやりますが、楽な姿勢で座ってるとき、これが一番、自然の呼吸ができてる状態です」
教科書のイラストにある、「気の滞り」の症状「顔がほてる」は、ホットフラッシュがある以上、仕方がないが(笑)。
イライラしやすい、おなかがはる、はない。だって健康だもーん(バカ)。
「さあ、じゃあ休み時間のあと、スタジオに移動して実技に入りましょう!」
この休み時間、私は自作の韓国風海苔巻き、キンパを、更衣室にて頬張った。
う、うまい・・・。みんなはおなかペコペコだろうなぁ。と思うと申し訳なくて、こそこそ食べたりして。
実技は、まず基本姿勢からだった。Yoko先生は細い棒を取りだし、
「さあ、怖い先生、出て来たよ~」
と笑う。
「太極拳の立ち方を学ぶとき、私たちも先生から、この棒を使って習わされたね」
イッチーに習ったときは壁によりかかってやったが、棒のほうがシロートには分かりやすいのだという。
ふだん、私たちは前傾姿勢だが、後ろにある壁や棒に頭から腰までが沿った状態を作ることで、「立身中正」という、太極拳の基本姿勢ができてくる。
両手でボールを抱えるようにして中腰で立ち、丹田呼吸。これをしばらく続けると、自立神経系が整ってくるという。
ってことは、これだけでもう「コーネンキなんてこわくない!」じゃないか✨
基本姿勢のあと、八式丹田呼吸をやった。八種類の丹田呼吸を5セットずつよ。習った後も教科書を見ながら自宅でもやるように言われたが、やっていないw。
最後は椅子タイチ。オフィスでもできる椅子に座ったタイチを習う。
まず礼。右手をグー、左手は指を揃えたパーで、親指を第一関節から曲げると、ピーンと痛みが走った。
「いててて・・・・」
「そうね、みんな、第二関節から曲げるけど、太極拳は第一関節から曲げる。慣れてないと痛いね。ここはツボがあるから、こってると痛い」
いててて・・・・なんのツボやねん!
起勢、収勢→首→肩→脊椎→腰→股関節、膝関節、踵→バランスを5セットずつやって、気が付くと三時間がたっていた。
三時間、意外と短かった。
しかしこれが二級講座となると、朝九時半から夕方四時半までの講義が二日。三日目が一時半までで、実技は三カ月以内に20時間受け、一カ月後に二時間半にも及ぶ筆記試験がある。無理~?
「コーネンキなんてこわくない」世代のお年頃女子におかれましては、無理せず三級ぐらいがちょうどいい感じがした。
なんせ、「修了書」がもらえるとなんか嬉しいし、「メディカルタイチ協会」の会員証をもって、一カ月レッスン通い放題✨
私はこの日、終わってすぐ「ベリーダンス健康法」のクラスがあったが、東銀座から渋谷に移動してレッスンをこなし、まだ元気があり余っていた。
バスで自宅最寄りの公園に降り立ち、二十分ほど散歩して帰ったのだ。寒くなってから、もう何か月も立ち寄っていなかった森の中を、歩いた。
寒かったけど、心身が「自然」を欲していた。それは、一緒に三級講座に参加したはるえも同じだったという。彼女も散歩して帰ったらしい。
呼吸法と椅子タイチだけで、こんなにも元気になり、自分が「自然」に戻るこの感覚。うーん、太極拳、恐るべし・・・。
触発された私は、四日後、「24式」のクラスを受けに、タイチスタジオに赴いた。
先生は、教科書でモデルもやっている齋藤志保先生。「24式」は基礎をみっちり学ぶクラスで、やってみると、基礎ほど難しい? ということが分かった。
しかし、やりながら、二十年以上前の記憶が蘇った。
当時三十代前半だった私は、渋谷のスポーツクラブにたまに行って、運動不足を解消するためいろんなクラスに参加していたのだが、一度、太極拳のクラスに出たことがあった。
その先生は女性で、当時六十歳ぐらいだったと思う。彼女が、
「更年期症状がひどくて、なにをやってもおさまらなくてね。太極拳を始めたらみるみる良くなったの。それで先生になったのよ。この素晴らしさをみんなに伝えたくてね」
と言っていたのだ。その頃は、コーネンキなんて自分にゃ関係ないと思ってたけどね~。今、つながった。
はいはい、やるやる、やりますよ!
しばらくは東銀座に通う決意をする著者であった。
・・・終わり・・・
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作家・横森理香が更年期の不調解決のため、空中ヨガ、イケメン太極拳、コルギ、観光ウォーキング、グルテンフリーなどに次々チャレンジ。読むだけで気持ちが前向きになる一冊です。
(集英社 定価 本体¥1,400+税)