憧れの豪華客船ダイヤモンド・プリンセスに乗り込んだ作家・横森理香。
グルメや、極上スパも味わい、日常を忘れて、ドレスも着て気分はお姫様。
船上で用意されたエンターティンメントの数々。ラストナイト、どう楽しむ!?
お楽しみはこれから♥ まずはミュージカルへ♪
船長招待のウェルカムパーティのために持ってきたドレス✨でポーズをとる私。
地中海とかカリブ海クルーズとかなら、ロングドレスの人も多くて、そのまま船内歩けたのかも・・・。
でも、周囲を見渡すと、スマートカジュアルならぬ、普段着の壮年ご夫婦ばかり。たまに、ちょっと派手目のマダムがいたと思うと、大阪のおばちゃんならぬアジア系のおばちゃん(金持ちそう)。
私は一度部屋に戻り、普通のワンピースに着替えた。
向かう先はシアター。このクルーズの目玉、オリジナル・ミュージカル「シークレット・シルク」鑑賞だ。
数々の賞に輝くブロードウェイ有数の作曲家、スティーヴン・シュワルツによって書き下ろされた、ミュージカル版「鶴の恩返し」。
あの、辛くて悲しい「鶴の恩返し」を、どうやったらミュージカルにできるのか? 日本人として不安もあるが、気分はすっかりブロードウェイ✨ 昔、母と叔母を連れてニューヨークで行った、ブロードウェイのシアターを思い出す。
「鶴の恩返し」は、シュワルツの手により、なんとハッピーエンドの物語に変身していた。
インターナショナルな船だけに、おじいさん、おばあさんや、鶴もいろんな国の人で演じられており、狩人に至っては、ヤマタのおろち風味に変身して、スペクタクルなミュージカルと相成っていた。
おばあさんとおじいさんは赤い不思議なペットを飼っていて、森に行くとキツネやタヌキだけでなく、アルマジロも出る。鶴の織ったシルクで(シルクは繭だが)、お金持ちになったおじいさんたちは、夜な夜なシャンパンを開けパーティ三昧。どこの国やねん?!
しかしながら(笑)、サクリファイス(犠牲)というテーマは一貫して貫かれており、突っ込みどころ満載なのに、最終的には感動のラストを迎える。これはひとえに、レベルの高い演技人と音楽、一流の演出に他ならない(演劇評論家風)。
いやー、しかしなぁ、外国人から見たJAPANって、マジ神秘的を通り越して難解な、おとぎの国なのね。もう、アジア圏の文化が入り乱れ、日本の民話はすでにアジアンなものに。赤いランタンやラーメンも散りばめられ、日本人が見ても異国情緒が味わえる。
衝撃のラストは教えません。これからプリンセス・クルーズする人のためにね♡
懐かしの音楽が♪ 70年代ディスコダンスレッスンへ
ミュージカル鑑賞のあと、「海」の寿司でほっと一息。
洋食もいいけど、海外で寿司レストランを発見すると、ほっとする日本人。セットで17ドルはランチ寿司値段だし、美味しかった。
日本のビールで寿司をつまめば、洋食メニューの多いクルーズ旅が、リセットされること間違いなしだ。
なんか男性誌的な書き方になってきてしまったが、いけないいけない、私ってばプリンセスだったんだわ♡
寿司をつまんでほっとしたプリンセスたちは、腹ごなしに70年代ディスコダンスレッスンに行きましたとさ。
バーで行われていたので、まずはカクテル♥ 20年ぶりぐらいに甘~いピニャコラーダを飲み、その甘さに驚いた。
気がつくと、編集者Kは最前列に躍り出ていた。私と、船でお友達になった「ハルメク」の編集者Dは、それを眺めるべく最前列の席を取り、ピニャコラーダをシェアした。
「めっちゃ甘い!!」
「デブの味だね♡」
赤いチェリーをかじりながら、既に激しく踊るKを眺めた。
教えているのは、アフロのカツラを被った70年代ファッションのりょうたさん(避難訓練のMCもやっていた)と、エンタメ部門のダンサーたち。ズンバの先生もいる。
プロの振付を、おじちゃんおばちゃんたちが真似して踊ってる。シュールな光景だが、踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら踊らにゃソンソン♪
というわけで、編集者Dと私も、フロアに躍り出たw
ピニャコラーダの酔いが回ってきたところで、ダンスレッスンは佳境に入り、みんなで振付を一個一個足して行き、全部踊り切った人にシャンパン一本プレゼントという、ダンス選手権が始まった。ひえ~?
振付を覚えるのめっちゃ苦手な私は、緊張のあまり、三人目にして自分の振付を足すのを忘れ、脱落した。編集者Dもほどなく・・・。
編集者Kだけが、次々と振付を網羅していき、最終決戦にまで生き残った。どんだけ~。
しかしながら、最後の最後でボケてくれ、優勝は逃したが、ここからがKの底力を見せつけられる夜だった。
老若男女が揺れるディスコナイト
リピーターのお客様らしい、かなり踊り込んでるおばちゃまたちは、ズンバレッスンからの、70年代ディスコダンスレッスンで汗をかき、さらに夜10時からオープンするディスコクラブに流れる。踊り続けるためか、靴はスニーカーだ。
船内の70年代風ディスコクラブは、オープンすると、フロアにいざなうエスカレーターが動き始める。
エレベーター降りたところから、サイケなピンクの装飾が、ディスコで踊ったあの頃を彷彿とさせ、ハルメク?!
ふだん早寝早起きの私は、
「むりむり、10時から踊るなんてムリ。二人で行って来て!!」
と突っぱねていたが、酔った勢いで行ってしまった。
「ビール3本!!」
編集者Kには日本のビール、私と編集者Dはライム付きコロナビールで回春♡
トイレに行っていたKが、
「なんで私だけアサヒ?!」
とイチャモンつけた。
「いや、お父さんはライムとか酸っぱくてヤかと思って~」
「どんな役回りやねん?!」
いやはや、編集者Kだって今宵はプリンセスですよ。いつもは着ない、色柄ものの素敵なワンピースを着て、いい靴を履いている。
いい靴、つーのもだんだん履かなくなるお年頃w ふだん、思いっきりスニーカーかウォーキングシューズだもんね。
最初、ダンスフロアにはダンスレッスンから流れて来た、イケイケのオバチャン軍団と編集者Kしかいなかった。
同じくダンスレッスン終了後、ディスコで回し始めたDJリッチーは、客層を見ながら古き良きヒットソングをかけていた。
QUEENの「レディオ・ガガ」がかかったところで、私と編集者Dも踊りだした。
フロアに入ったり出たりしながら、ビールを飲みほした頃には、ディスコは満員ぎゅうぎゅうになっていた。も、盛り上がってる? しかし、もう体力も限界の私は、どこからか湧いて来た若者を従えて踊り続けるKに、
「もう部屋に戻ってるねー」
と言いに行って、ミイラ取りがミイラに・・・。結局、一時頃まで踊ってしまった。ダンスフロアは、万が一揺れたときのために、滑りにくかった。
真夜中には若者がいっぱいとなり、DJリッチーは最近のヒットソングをかけていた。
若者はそれに乗って跳ねていた。大学時代ダンス部だったKは、
「あれは踊りじゃないね」
と渋い顔でコメントしていた。でも、若者、昼間は船内でぜんぜん見かけなかったけど、どこから?
さようならプリンセス、ハロー大阪
バタンキューで寝、目が覚めるともう大阪港に近づいていた。
我々の船は小さい船に曳航されていた。
睡眠時間わずか4時間? 姫、ラストナイトでハメ外しちゃったぁ✨
大慌てでパッキングをし、荷物をコロコロしながら下船した。
大阪の波止場(っていうか?)には、着ぐるみのトラが出迎えていた。
大きい観覧車がある。それ以上に大きい、もう側面しか見えないダイヤモンド・プリンセス。
かなり離れても、全体像が見えてこない。すごいのに乗ってたのね、私たち。
中は確かに外国だった。それも、イギリスの客船だけにイギリス風味。
最後の朝食は、リンゴのコンポートとパンケーキをいただいた。美味しかった♡
そして、粉ものからの、粉もの。大阪に着いたら絶対、前回大阪に来た時食いそびれた明石焼きを、食べて帰るんだと心に誓っていた私は、二人のプリンセス仲間を連れて、お忍びでw 梅田地下街に赴いた。
「やーん、めっちゃうまい!!」
プリンセスからいきなり、思いっきり庶民に戻った私たち。
それでも、2泊3日のプリンセス気分が、当分、スマホの写真を見るたび限り続くだろう。
いつもの生活になくなって久しいナイトライフw
お洒落も美食もエンタメもエステも、ぜーんぶラクに楽しめるクルーズ旅。
普通の旅に飽きた大人女子や、子供が巣立ちゆっくり旅できるようになったご夫婦にオススメだ。
船ではゆったり過ごして遊んで食べて、いろんな地を観光して・・・。
大人女子はプリンセス気分でアンチエイジングできるし、家族で乗っても家事がないからハッピーだ。
貴女も一生の思い出にいかがだろうか。きっと、新しい自分に出会えるだろう。
●プリンセス・クルーズ公式サイト https://www.princesscruises.jp/
・・・初めての豪華客船クルーズ体験レポート、終わり♥・・・・・・・
★横森理香の更年期チャレンジ! 『 コーネンキなんてこわくない』は単行本、電子書籍で好評発売中!!
お近くの書店、WEB書店(amazon、楽天ブックス、セブンネットショッピングなど)でお求めください。
ちら読み、本の内容、詳しくはこちらをごらんください★
作家・横森理香が更年期の不調解決のため、空中ヨガ、イケメン太極拳、コルギ、観光ウォーキング、グルテンフリーなどに次々チャレンジ。読むだけで気持ちが前向きになる一冊です。
(集英社 定価 本体¥1,400+税)