OurAgeはスタート以来5年、更年期世代の体の悩みに向き合い、取材してきました。その結果、更年期ならではの切実なトラブル5つが判明。その5つとは、「尿漏れ」「膣トラブル」「手の不調」「足の不調」「下半身の筋肉不足」。本連載では、それらの最新情報や知見を、改めて取材して順にお届けします。まずは、尿漏れのカギを握る「骨盤底筋」からスタート!
1.尿もれのカギはここが握っている「骨盤底筋」
更年期世代・西村知美さんが産婦人科医松峯先生を直撃!
「どうして骨盤底筋が大切なんですか?」
40代になってから頻尿と尿もれに悩んでいる西村知美さんが、産婦人科医の松峯寿美先生に直撃取材。
OurAge世代の多くが悩む尿もれと、そのカギを握る骨盤底筋について、じっくり教えていただきました。
西村知美さん
Tomomi Nishimura
1970年生まれ。’85年に第1回ミス・モモコグランプリで優勝。’86年の映画『ドン松五郎の生活』で主演デビュー。’97年に西尾拓美さんと結婚、2003年に長女が誕生した。現在はバラエティ番組を中心に、幅広い分野で活躍中
松峯寿美さん
Hisami Matsumine
1970年、東京女子医科大学卒業。医学博士(婦人科)。特に不妊治療、思春期・更年期医療に力を注ぐ。’80年に東峯婦人クリニックを開業、院長に就任。女性専門外来の先駆けとなる。著書に『50歳からの婦人科 こころとからだのセルフケア』(高橋書店)などがある
10年以上前のお産が
尿もれの原因になっていた⁉
西村 私は若い頃からトイレが近く、40代になってからは尿もれも気になりはじめました。市販の尿もれパッドも使用していますが、頻度が増えると夏場はにおいが気になって…。仕事中はもちろんのこと、舞台や映画を観に行ってもトイレが心配で、目の前のことに集中できず困っています。
松峯 西村さんにはお子さんがいらっしゃるそうですが、出産は何歳のときですか?
西村 32歳のときです。計画出産で陣痛促進剤を使いました。陣痛が始まった23時間後に、3444gの女の子が生まれました。
松峯 ちょっと大きいですね。
西村 そうなんです。そのままだと大きくなりすぎて自然分娩は難しいと言われ、計画分娩になったんです。
松峯 なるほど、そこからなのね。あなたは体が華奢だからその大きさはちょっとつらい。安産だったと考えているでしょうけれど、相当無理して出したと思いますよ。ゆっくりゆっくり伸ばしていけば大きなダメージはないけれど、促進剤で一気に出したから。そのときは何ともなくても、あとになって影響が出てくることはよくあります。
西村 そうなんですね! もう10年以上たっているので、お産と結びつけて考えたことはなかったです。
松峯 お産は、体にものすごく大きな負担がかかる行為。なかには尿失禁どころか、子宮が外に飛び出してしまう子宮脱になる人もいるんですよ。いずれもQOL(生活の質)が落ちますし、子宮脱の場合は痛みや出血などの症状が伴うので、手術が必要になります。
次回もまた引き続き、西村知美さんが松峯先生にお話を伺っていきます。
撮影/織田桂子 ヘア&メイク/営野 充(STUDIO KUMU)〈西村さん〉 スタイリスト/三上しろえ〈西村さん〉 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子