これまでは、西村知美さんが産婦人科医の松峯先生に「尿もれ」についていろいろと教えていただきました。尿もれのカギを握るという「骨盤底筋」。そもそも「骨盤底筋」って何? 今回は、その仕組みや役割についてみていきます。
1.尿もれのカギはここが握っている「骨盤底筋」
【骨盤底筋はこうなっている!】
横から見ると…
骨盤底筋の深層は、内臓をハンモックのように支え、下の層では尿道・腟・肛門の出口の開閉をコントロールしています
骨盤底筋
座って両手の手のひらをお尻の下に入れ、尖った骨の間が骨盤底筋。自転車に乗ったとき、サドルが当たる部分すべてになります
下から見ると…
骨盤の底にひし形状に集まっているのが骨盤底筋群。前側が「尿生殖三角」、後ろ側が「肛門三角」と呼ばれています
骨盤底筋とは、骨盤の底で子宮や膀胱、直腸を支えている深部筋肉(インナーマッスル)の集まりを指します。腟や尿道の入り口や、肛門を取り囲んでいる筋肉が、その周辺の組織を支えている靭帯、神経などと重なり合い、ハンモック状に張り巡らされているのです。自転車に乗った際、ちょうどサドルに当たる部分といえばイメージしやすいでしょう。
骨盤底筋の最も大切な役割は、腟口、尿道口、肛門の3つの開口部を開け閉めして、月経の際の経血、尿、便の排泄をコントロールすることにあります。日頃、私たちが尿意や便意を我慢できたり、排泄を自分の意思でコントロールできたりするのは、この骨盤底筋の筋力と伸縮力のおかげなのです。
骨盤底筋の筋力と伸縮力は、加齢とともに低下します。尿もれなどのトラブルも起きやすくなるので、日常的に鍛えておくことが大切です。
骨盤底筋のイメージはつかめましたか? 次回は、再びまた西村知美さんが産婦人科医の松峯先生に尿もれについて話を伺っていきます。
撮影/イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子