これまで西村知美さんが婦人科医の松峯寿美先生に「尿もれ」について、いろいろなお話を伺ってきました。そこでわかったことは、尿もれは改善できるということ。実際に効果があるとされる尿もれ、骨盤臓器脱の予防・改善の骨盤底筋トレーニング。軽い尿もれなら、呼吸法を1週間続けるだけで症状が改善されるそう。松峯先生直伝! 骨盤底筋トレーニングにトライしてみましょう!
1.尿もれのカギはここが握っている「骨盤底筋」
尿もれ対策はもちろん、
骨盤臓器脱の予防にも
「女性の尿もれの5割が腹圧性尿失禁で、出産経験がある人は特に症状が出やすくなります。緩んだ骨盤底筋を鍛えるトレーニングは、尿もれ対策はもちろん、骨盤臓器脱の予防にもなりますので、ぜひ毎日の習慣にしていただきたいと思います」と松峯先生。
骨盤底筋トレーニングで大切なのは呼吸。「吸う」「吐く」の呼吸をしながら、骨盤底筋を押し下げたり、持ち上げたりする動きを意識することが重要なのだそう。特に気をつけたいのが、「息を吐くときに骨盤底筋を引き上げる」こと。押し下げるイメージで息を吐くと、子宮や膀胱を下垂させることになってしまうと言います。
「キュッと締める際に息を止めてしまわないように、『フーッ』と声を出しながら息を吐くとうまくいきます。軽い尿もれなら、この基本の呼吸法を1週間ほど続けるだけで、かなりよくなるはずですよ。基本の呼吸法をマスターしたら、椅子に座って行うトレーニングや、仰向けに寝て行うトレーニングを実践してみてください」
また日常生活では長くしゃがんだ姿勢をとらない、トイレで長時間いきまないよう便秘を治す、ガードルで腹部を締めつけないなどを心がけましょう。
次ページは、いよいよ実践編です!
【まずは呼吸法から】
STEP 1
息を吐くときに、骨盤底筋を引き上げるイメージで。
顔・肩・お尻の筋肉に余計な力が入らないようにして
まず足を肩幅くらいに開き、リラックスして立ちます
骨盤底筋をふわっと緩めるイメージで息を吸います。おへそのあたりに手を置いて、骨盤底筋を意識しましょう
息を吐くときは、骨盤底筋をキュッと引き締めて引き上げるイメージで
息を吸い込むと肺がふくらみ、横隔膜が引き下げられます。それと連動して骨盤底筋も押し下げられます
息を吐き肺が空になると、横隔膜が引き上げられます。それと連動して骨盤底筋も持ち上げられます
息を吐くときは、尿道口、腟口、肛門の3つの穴を体の内側に引き込むイメージで。顔・肩・お尻の筋肉に余計な力が入らないよう注意して
ウエア/インターテック(スリア) シューズ/スタイリスト私物
西村知美さん
Tomomi Nishimura
1970年生まれ。’85年に第1回ミス・モモコグランプリで優勝。’86年の映画『ドン松五郎の生活』で主演デビュー。’97年に西尾拓美さんと結婚、2003年に長女が誕生した。現在はバラエティ番組を中心に、幅広い分野で活躍中
松峯寿美さん
Hisami Matsumine
1970年、東京女子医科大学卒業。医学博士(婦人科)。特に不妊治療、思春期・更年期医療に力を注ぐ。’80年に東峯婦人クリニックを開業、院長に就任。女性専門外来の先駆けとなる。著書に『50歳からの婦人科 こころとからだのセルフケア』(高橋書店)などがある
次回もまた、骨盤底筋トレーニングをご紹介していきます!
撮影/織田桂子 ヘア&メイク/営野 充(STUDIO KUMU)〈西村さん〉 スタイリスト/三上しろえ〈西村さん〉 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子