元気じゃないけど・・・
なんと1月から1ヶ月以上風邪をひいています。1年の12分の1以上! いつもなら自己療法で薄紙がはがれるように治っていくのですが、今度は勝手が違い、治ったと思ったらまた熱が上がったり、全身状態が悪化したり、咳が抜けないまま・・・インフルエンザではないものの、長ーく尾を引いてしまい・・・仕方がないので嫌いな病院通いを余儀なくされ・・・薬の副作用らしき症状に苦しんだり、いまだに病院と縁が切れません(涙)。
まあ原因はわかっているのですが。なまじ重症でなく、動ける範囲だったので、仕事を休まず予定を変えなかったこと。いろいろ忙しい時期でもあり、無理しちゃったんですね。
といいつつも、徐々に良くなってきたので、前から予定していた韓国旅行を強行し、先週末行ってしまいました。マイナス11度の極寒のソウル、でしたが、日常のストレスから解放されたせいか、元気に帰国。また仕事に戻ったらやや悪化しましたが、気分を変えるのって大事ですね〜。で、まだ本調子じゃないけれど、元気じゃない自分と日々つきあっている次第です。
「良いこと」もストレスになる
前回のストレス対処の続きです。そもそもストレスって何? ストレスとは、ちょうどゴムボールをぎゅーっと押したときにできるへこんだ状態のようなもの、といわれます。ストレスを引き起こす原因をストレッサーといいます。みなさんはどんなことがストレッサーになっていますか? ストレッサーには暑い寒いなど物理的なものから職場の人間関係のトラブルなど心理的なものまでさまざまあります。
生活の中のストレッサーを得点化し、ストレスの高い状態か測るための評価尺度があります(※注1)。ストレッサーのなかには、「え、こんなことも?」という意外なのも。たとえば、
・「配偶者の死」 83点
・「会社の倒産」 74点
・「離婚」 72点
・「心身の過労」 62点
・「自分の大きなケガや病気」 62点
・「同僚との人間関係」 53点
・「上司とのトラブル」 51点
・・・というのはさもありんなんと思うけれど、
・「結婚」 50点
・「自身の昇進」 40点
・「傑出した個人的達成」 38点
・「長期休暇」 35点
・「収入の増加」 25点
というように、一見良いことでもストレスになるのです。この評価尺度は65項目ありますが、この1年以内のできごととしてあてはまる項目の得点が、合計150点以上300点未満だと半数以上の人、300点以上だと8割以上の人に健康上の問題が生じる、とされています。
ただ、同じ程度のストレスがあっても、健康問題になるかどうかはその人の性格や受け止め方、行動パターンなどにより個人差があり、それが前回ご紹介したストレス対処というわけなのです。
自分のストレス対処スタイルを知っておく
たまたま手元にストレス対処スタイルを測るテスト(ストレスコーピングインベントリー。市販物ではなくカウンセリングなど専門機関にある)があったので、自分の最近のストレス状況を「長引く風邪と滞る仕事」と想定してやってみました。全体に点数が低く、あまり対処がよくできていない感じなのですが、そのなかで一番高いのは「逃避型」でした。次が「社会的支援模索型」と「責任受容型」が同程度。一番低いのは「対決型」と「自己コントロール型」。これは予想通りですね。
「逃避型」の項目というのは、「いつもより長く睡眠をとった」「他人に当たり散らした」など。それらに多く「あてはまる」と◯をつけているのですね。「社会的支援模索型」は「専門家の助言を得た」など。「責任受容型」は「その問題は自分が引き起こしたことに気づいた」「自分の誤りを認めて素直に謝った」など。私の場合、これら3つの対処を比較的多く用いているわけです。
逆にあまり用いていないのが「対決型」(「その問題の関係者に考えを変えてもらおうと思った」など)と「自己コントロール型」(「自分の沈んだ気持ちが、他のことに影響しないように気をつけた」「状況のひどさを他人に知られないようにした」など)。
その他、「計画型」(「困難を打開するために慎重に考えてから実行した」など)、「隔離型」(「その問題を忘れるようにつとめた」など)、「肯定評価型」(「その経験によって、以前より成長したと思った」など)があります。
また、全体的なストラテジーとして「認知的ストラテジー(問題志向型):積極的にそのことにチャレンジする傾向」と「情動的ストラテジー(情動志向):そのことからの圧力に耐えられないので情動の軽減をはかる消極的な傾向」があるのですが、今回私はこの二つが同じ得点でした。
このように、自分のストレス対処スタイルの傾向を自覚しておくのもよいかもしれません。ストレス対処術はいろいろ持っていて、フレキシブルなほうがよいのです。いつも積極的に立ち向かう「対決型」の人は、たまには「逃避型」の対処を使ったほうがよい場合もあるし、私のような「逃避型」中心のタイプは、問題によっては「計画型」、「肯定評価型」などを意識的に用いる、というのも大切なのかもしれません。
つづく
注1:夏目誠ほか,1988,勤労者におけるストレス評価法(第1報) 点数法によるストレス度の自己評価の試み