「苦しかった更年期を過ごして学んだこと。それは『知識が力になる』ということです」と話す女優の原日出子さん。今回は原さんがつらい更年期をどうやって乗り越えたのか、具体的な方法も含めてご紹介します。
更年期を乗り越え、今がいちばん元気で健康!
このままだと最強の60歳になっちゃいますね!
更年期について、相談できたことで
前向きな気持ちになれた
いったん、外で人に話しはじめると、さらに気が楽になります。
「それまでは朝起きて鏡を見ると血の気がなく、歯茎まで真っ白。笑おうとしても口角が上がらない、心が病んでいたから。それがようやく『こんな顔じゃ、女優もやれなくなる!』と客観的に見られるようになりました。先輩方に話したことで気持ちが前向きになり、うつから脱出した感じでしたね」
いろいろな方がいろいろなアドバイスをくれました。そんな中、人にすすめられた発酵食品を飲み続け、代謝がよくなったことを実感するようになります。原さん、48歳の時です。
「口から入るものによって、こんなに元気になるんだ! と初めて感じました。ちょうど『命の母A』のCF契約の話が来たんです。これは渡りに船だと思って、即『やりまーす!』とお受けしました(笑)。命の母は漢方ですが、手足の冷えが解消されて、よく眠れるようになったんです」
そんなふうに、心も体も徐々に徐々に健康になっていきます。食事もしっかり考えてとるようになりました。50歳を迎える頃には貧血もよくなり、何より見た目が変わってきたのです。
「それまではね、栄養不足で爪がペラペラに薄くなっていたんです。髪も弱くなって綿菓子みたいにふわふわだったのが、コシが出て量も増えてきた。ただし、長いこと動かないでいたものだから、体重はどんどん増えていましたね。代謝が悪いので、少ししか食べていないのに太るんですよ。休みの日は一日中パジャマだし、電話にも出ないんですもの」
50歳で生理がまばらになると、体調はもっとよくなりました。更年期は「閉経を挟んだ前後の10年間」と言われますが、原さんの場合、症状がひどかったのは閉経前までだったよう。
「余裕が出てくると、いろんなことを勉強してきちんと考える。自分に合う知識を求めているので、情報が向こうからやってくるんですよ。アンテナを張っているからでしょうけど」
54歳の時。出演するドラマのプロデューサーから「もっと痩せてください」と言われます。自己流のダイエットとリバウンドを繰り返し、人生のMAX体重に達した頃です。そんなとき、雑誌の対談で知り合ったのが医師の南雲吉則先生。そこでダイエットについて相談すると、すぐに食事法についてアドバイスをいただきました。
食事法のアドバイスを受けてから、原さんの体調に少しずつ変化が現れたそう。
知識が増えると元気も健康もついてくる!
更年期不調は婦人科に相談することも重要
「それをきっかけに、食生活の知識がものすごく増えました。体にいいものを食べるようになると元気になる。健康にも自信がつく。すると運動もできるようになる。運動すると衰えていた筋肉も戻ってくる。それによってますます健康になる。おいしいものを食べても太らないからハッピーになる。自然とそういうサイクルになるんです。今がいちばん元気で健康だと思いますね。タンパク質をはじめ、必要な栄養素をきちんととる。たくさん食べてお酒も飲むけど、もう太らない。週に1度は筋トレに通っているんです、できれば週2回が理想ですけどね」
「元気になるために、考えさせられた期間だったと思います。若返るための、と言ってもいいくらい。あそこであきらめなくてよかったなとつくづく思う。
皆さんも決して悲観してほしくない。不調の真っただ中にいるときは『大丈夫よ、更年期が過ぎれば!』なんて人に言われても信じられなかった。でも、少しよくなって前向きになるとやはり本当に『大丈夫!』と思えるんです。そして現によくなるんです!
そして『知っていること』が大事。知らないと何も対処ができない。本当は翻弄される必要がないのに、何もできないと嘆いて、自ら暗くしてしまう。
ただ、更年期には重大な病気が隠れていることもあるので、自己判断しないで婦人科に行くのが重要です。私の症状に似ていた友だちは、怖いからと病院に行くのを延ばし延ばしにし、結局、子宮頸がんが発覚しました。そんなこともあるので、皆さん心してね」
ここまで若々しく健康的な原さんの今後はどうなっちゃいますか?
「目尻のシワは増えたけど、お肌はつるつるよね! みたいな年のとり方をしたいと思っています。今、あまりにも元気なので、このままいったら最強の60歳になりそうじゃないですか? よし、人生でいちばん元気になってやるぅ! と思ってます」
撮影/江原隆司
ヘア&メイク/長綱志津子
スタイリスト/石田純子(オフィス・ドゥーエ)
取材・原文/蓮見則子