市販薬での更年期症状の改善について、婦人科医の小山崇夫先生に教えていただく第2回。
今回は、気になる、更年期対応市販薬についてです。
婦人薬、更年期対応市販薬は何が配合されているの?
キャッチフレーズや効能に、ずばり「更年期障害」というキーワードが入った錠剤の市販薬は、
更年期世代には気になる存在。成分表示を見ると漢方処方を中心に、
更年期の諸症状やホルモンバランスを整えることに狙いを定めています。
製品によっては、ビタミン類などもプラス。
飲みにくいイメージもある漢方薬ですが、表面コーティングした糖衣錠が多く、飲み慣れた市販薬と同じ感覚で服用できます。
婦人科に行くほどでもないけれど気になる症状が出てきたという人は、まずこういった市販薬から試してみては?
その際も効能をよく読み、自分に合うものかどうか見極めることが大切です。
更年期対応市販薬
女性専用の一般薬のうち、更年期の症状に対応した薬品。 成分ベースは漢方薬。
ホルモン剤とは違うので安心感があります。
命の母A/小林製薬
13種の和漢生薬とビタミン類の複合薬。
「気・血・水」のバランスを整え、更年期の諸症状に対応。
配合生薬の中でもカノコソウは、イライラや不安定な精神状態などの改善に高い効果があるとされます。
三大婦人用漢方薬に含まれる生薬を組み合わせ、どんな「証」の人にも合うのが特徴。
100年以上の歴史を持つ「命の母」を2005年に改良新発売した製品。
(第2類医薬品)¥2,600(420錠35日分/84錠・252錠・840錠もあり)
ルビーナ/武田薬品工業
江戸時代に日本で生まれた漢方処方「連珠飲(レンジュイン)」に基づいた漢方薬。
血の巡りをよくして体を温める「四物湯(シモツトウ)」、
水分代謝や乱れた自律神経の働きを整える「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」の
ふたつの漢方処方を組み合わせたもの。
体全体のバランスをよくすることで、ほてり、のぼせ、冷えなどのさまざまな更年期の症状やめまいなどを改善。
体力中程度または虚弱な方向き。
(第2類医薬品)¥3,080(180錠20日分)
ラムールQ/ツムラ
女性特有の諸症状に用いられる「中将湯(ちゅうじょうとう)」に、
鎮痛効果のあるエンゴサクや鎮静効果のあるカノコソウを配合して抽出したエキス、
さらにセンナエキスや8種のビタミンを配合したフィルムコート錠。
効能に掲げた「血の道症」は、女性ホルモンの変動に伴って現れる不安感や苛立ちなどの精神神経症状・身体症状のこと。
更年期の疲労感、肩コリ、イライラ、頭痛などの症状に対応。
(第②類医薬品)¥2,500(140錠35日分/80錠もあり)
ペア漢方エキス錠/ライオン
大人のニキビに対応した「ペア」シリーズの中の一品。
血の巡りを改善して、ホルモンバランスからくる肌不調を解消する漢方薬。
5種の生薬から抽出した漢方エキス「桂枝茯苓丸」(⅔量)に加え、
さらにケイヒ、ブクリョウ、ボタンピ、トウニン、シャクヤク、それぞれの生薬の粉末を配合。
ニキビ、湿疹・皮膚炎、シミなどのほか、更年期障害にも効果が期待。
(第2類医薬品)¥2,180(112錠14日分/240錠もあり)
小山崇夫
婦人科医。小山崇夫クリニック院長。
更年期と加齢のヘルスケア学会および日本サプリメント学会理事長。
専門は内分泌(ホルモン)で、特に女性の更年期に詳しく、日本のHRTの第一人者。
著書に『遺伝子を調べて選ぶサプリメント』『女性ホルモンでしなやか美人』(ともに保健同人社)、
『40歳であわてない!50歳で迷わない!もっと知りたい「女性ホルモン」』(角川学芸出版)など