知識を持って、ポジティブに向き合ったもの勝ち!
正しく知りたい「更年期」
「更年期って何?」「私って更年期なの?」「このつらさ、いつまで続くの?」etc。40代、50代といっても年齢によって、また人によって、更年期についての知識や、現れる症状にはかなり差があります。
ホルモンのバランスがくずれることで、実は誰にでも来る更年期は、不調の感じ方や症状の程度に差こそあれ、私たちの体に大きな影響を及ぼします。今と将来の自分の健康を考えるために、ここでしっかりと更年期のこと、学んでみませんか?
Part1
まだ更年期世代に入っていない人も必読!
更年期前の漠然とした不安を解消します!
そろそろ更年期かなと予感している人、症状が重いとイヤだな…と心配していませんか? 今のうちに正しい知識を持っておけば、心の負担が減って余裕が生まれるはず。人生の先輩の体験談や、医師の解説をぜひ参考に!
一般的に、更年期は45~55歳の間といわれていますが、実際にやってくる時期は人それぞれ。これから何が起こるんだろう…と心配なあなたへ、知っておけば安心、な知識をお伝えします。
その症状、本当に更年期によるもの?
ほかの病気を見落とさないで
更年期に現れる症状は100種類以上あるといわれています。そのため、更年期のせいと決めつけて、ほかの病気を見逃してしまうことも。
そこで、注意すべきことを更年期と加齢のヘルスケア学会理事長でもある医師の小山嵩夫先生に伺い、4つのTopicを2回に分けてご紹介します。
自己判断は禁物。
兆候を見逃さないで!
以前より更年期についてオープンに語られることが増えた昨今、情報が多いため、不調を更年期のせいと決めつけて、医療機関へ行かずに我慢する人も。しかし、そこに別の病気が隠れていることもあります。
「逆に、原因がわからない、症状が改善しない…と、さまざまな科を渡り歩いて、婦人科にたどり着く人も多くいらっしゃいます。更年期は、ほかの病気にかかることも増えてくる時期。定期健診を欠かさず、不調があったら、まずは婦人科に相談してみるといいでしょう。それが更年期によるものか、他の病気によるものかを判断してもらうと、安心です」(小山嵩夫先生)
ここでは、更年期とよく似た症状がある病気をまとめました。こうした基礎知識をもっていると、何かあったときに役立つはずです。
Topic 1
うつ病と、更年期のうつ症状にはこんな違いが
「更年期のうつ症状は、女性ホルモンの乱れに原因があり、その結果自律神経が関係して、うつ症状が出現します。精神科のうつ病は脳機能に問題があるといわれています。婦人科では血中の女性ホルモンやうつのときに低くなるセロトニンなどを測り判断をします。私の経験では、精神科のうつ病は診療時に話がなかなかまとまらず、訴えが多いのが特徴で、更年期指数(下表)が81~100点と高い傾向があります」
次ページに続きます。
Topic 2
更年期の発汗、動悸は甲状腺の病気ということも
「更年期とよく似た症状は、甲状腺の病気でも現れます。甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を司るホルモン。これが不足する甲状腺機能低下症(橋本病など)では、全身の代謝が低下するので、疲れやすい、寒がり、体重増加などの症状が。一方、多すぎる甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、エネルギー消費がひどく、疲労感、イライラ、多汗、動悸、体重減少などが現れます。血液検査や超音波検査で判断します」
●甲状腺機能低下症(橋本病など)のおもな症状
倦怠感、無気力、寒がり、いつも眠い、食事量が変わらないのに体重が増える、顔がむくんだように感じる、便秘、月経不順、月経過多など
●甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)のおもな症状
倦怠感、イライラする、暑がり、多汗、不眠、食事量が変わらないのに体重が減る、動悸、目が突き出たように感じる、下痢、月経不順、無月経など
次回は、Topic3:不正出血があったら子宮がんを疑って!、Topic4:ほかにもある、更年期症状とまぎらわしい病気、の2つについてです。
撮影/福田秀世 ヘア&メイク/渡辺みゆき
モデル/TOSHIKO スタイリスト/本瀬久美子
図表製作/ビーワークス 構成・原文/山村浩子
撮影協力/プロップス ナウ アワビーズ UTUWA