ドクターCTスキャンに明かされた病歴とは・・・!?
「まず、過去十五年間、貴方にとっては一番つらい時期を過ごしましたね」
ドクターの解説が始まった。
「かなりのストレスを受けていて、夜中に目がパッと覚めて眠れない」
「はい。それが始まったのは41の時でした」
メディカル・コンサルテーション・ウィズ・ドクター・ディネッシュと書かれた、冗談みたいな人の図には、私の病歴が事細かに描かれている。
「39歳で産んだ子供の子育てとプレ更年期が重なり、さらに夫の頑固オヤジ化が始まり、私の生活はストレスの嵐となりました。最近はよく眠れるのでメラトニンも必要なくなりましたが、四十代からずーっと、眠れる自然薬を飲んでいました」
えーっと、まずなんでそんなこと分かるの? ということだが、ドクターの意識が患者さんの体の中に入り、病歴のある個所をサーチして行くらしい。それは、現在から、かなりの過去にまで遡る。
「歯の噛みしめも・・・寝ている間に噛みしめているようです」
「はい。たびたび右奥歯が欠けて、治療してもらっています」
「胃と食道に古傷があります。過去に胃を壊したことがありますね」
「はい、三十代前半で精神的なショックがあり、胃痙攣を起こしました」
ひどい痛みだったが、胃薬を飲んでしばらくすると治ってしまったので、病院にも行かなかった。しかし、その時の傷が、残っているというのだ。
「胃腸は、強い方ではないので、赤身の肉やスパイスはやめたほうがいいです」
あとで思い出したが、「ベリーダンス健康法」を確立して毎日教えるようになるまでは、お腹が空かなくて、食べても消化しないことが多かった。辛いものもどんどん弱くなっている。
「腸にも細くなってるところがあるので、消化吸収の良いものを食べたほうがいいです」
「赤身の肉じゃなかったら、鶏肉とかならいいですか?」
食いしん坊の私はジタバタした。焼肉とか、たまには食べても・・・。
「赤身の肉よりまだマシですが、そもそも閉経後はカルシウムを取らなきゃいけないんだから、魚と野菜、豆類を食べたほうがいいでしょう」
「はーい」
「脂肪肝ではないですが、肝機能が弱っていて、コレステロールが増えています。糖分は控えてください」
うっ、甘いものもお酒も好きなの、バレテーラ。
「それから、頭や目の奥が重くなったりしますね」
「うーん、今はあまりないけど、過去はしばしばありました」
四十代前半には特にひどく、漢方薬やホメオパシーを飲んだりしていた。子育てと仕事と家事に追われ、確かにあの頃は、キツかった。
「鼻が詰まったり、出たり・・・」
「それも、今はないけど、小さい頃小児喘息だったので、十二歳ぐらいまでは鼻はいつも詰まってるか、垂れてる感じで、咳きこんでタンも出てました」
ドクターが自分のメモにチェックを入れ、スキャンした病歴を確認する。
「子宮に問題がありますが、お産は何度?」
「実際に生まれたのは一回ですが、流産したことが・・・」
「そのときの処置が子宮に傷をつけていて、色々な問題を引き起こしています」
「実は子宮筋腫が大きくて、卵巣嚢腫で右卵巣を切除しています」
というと、ドクターは図を指示した。そこには手描きの子宮と卵巣が描いてあり、見事に、右卵巣がカットされていた。こわっ?
「子宮筋腫は幸い、閉経を迎えたことで乾いて小さくなってきています。今後問題を起こすことはないでしょう」
「ほっ」
「過去、四十代に大きな血の塊が何度か出て来たことがありますね」
「はい、生理の二日目に、玉のようなオノコか、と思われるような塊が何度か出ました」
その頃は、生理のたんび大量出血で、ひどい貧血に苦しんでいた。そういう意味では、閉経を迎えた今のほうが健康だ。今後心配なのは、骨と筋肉の問題らしい。
「上部背骨の、骨と骨の間のゼリー状のもの(髄核など)がなくなって、骨同士が当たって神経を圧迫しています。このことによって、右手の指のこわばりがあります」
「はい、そのとーり!! 先生、これを治すにはどうしたらいいんですか?」
「骨と筋肉の状態を良くするのは、食べ物から吸収するしかないんです。色んな種類の小魚を食べることと、黄体ホルモンを作るオクラ、カボチャ、アスパラガス、アボカドをよく食べてください。オメガ3もいいですよ」
オメガ3つーと、青魚、亜麻仁油、えごま油、なんかだな。
「筋量が減ってきていることで、ふくらはぎも弱くなってきています。散歩など増やして、足を強くしてくださいね」
えー?! 毎日「ベリーダンス健康法」やってるのに、さらに歩かなきゃいけないのん? うえーん、歩くの大嫌い! でも、今後の健康を考えたら、歩かないわけには行かないか。
「肩コリがひどく、腰も痛くなったことがあるでしょう」
「はい、51の春ぎっくり腰を二回。肩こりは慢性的です。左の肩が特に」
うんうん、とドクターはうなづく。
日本人へのメッセージとは!?
私の病歴と現在の様子がすべて暴かれたドクターCTスキャン。これを、たった10分ぐらいでやってしまうのだから、すごい!!
「最後に、日本人へのメッセージを一つ」
「日本人には心のリラクセーションが必要です。五感を使っていただく正しい食事と、自分のために時間を使うこと。マッサージやスキンシップも含めてね。スマホを見る時間を減らし、目の前の人と、自分自身を愛することです。スマホばかり見ていると、今ここに、生きられないですからね」
その夜、いつも以上にぐっすり眠れ、翌朝は目と頭が、雲が晴れたようにスッキリしていた。人によってはヒーリング後、頭痛などの好転反応が出るらしいが、それが過ぎ去るとみな、スッキリするらしい。
私は久しぶりに、自分の食生活を見直してみた。アボカド、オクラ、アスパラガス、カボチャと亜麻仁油、えごま油を買い、甘いものも控えた。
久しぶりに健康オタク生活をして、数カ月がたった頃、気が付くと、指のこわばりはなくなっていた。
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