日本人の閉経年齢は平均50.5歳。人生100年時代にあって、閉経後の人生はまだあと半分もあります。「閉経したら人生終わり」なんて言われていた戦前とは、もはや比較にもなりません。長い人生を手に入れた現代女性は、その分、さまざまな健康トラブルや病気に遭遇することに。「なぜ?」「どうして?」と嘆く前に、女性ホルモンとの関係を理解しましょう。
女性ホルモンの変化をいつも頭に描いて
女性の一生における女性ホルモン量の変化を見てみます。このジェットコースターのようなグラフのうち、急上昇するのが思春期、急降下するのが更年期。それぞれの期間で初経(初潮)と閉経が起こります。ホルモンが急激に減る時期はさまざまな種類の健康トラブルが起こることを覚えておきましょう。
女性ホルモンの分泌は脳と卵巣の連携プレー
成熟期に入り、女性ホルモンを安定して分泌するのは卵巣です。脳の視床下部、下垂体の指令に応えて卵巣が頑張っています。分泌量は信号によって脳に伝わり、過不足がないように調整される優れたシステムです。成熟期には脳も卵巣もそつなく働いてくれるため、正常に分泌されている人が多いのです。
お話を伺ったのは
対馬ルリ子さん
Ruriko Tsushima
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長。産婦人科医、医学博士。女性の生涯にわたる健康推進活動に積極的。『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』(集英社)が大好評。
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八田真理子さん
Mariko Hatta
産婦人科医。1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』 (アスコム) など。
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次回は、実際に女性に起こりやすい病気について学びます。
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子