ライフスタイルの変化に伴い、少産少死となった日本女性。昔の女性に比べ、妊娠と出産回数(つまり無月経期間)が減り、排卵と月経回数が格段に増えました。
それによって心身はホルモン変動に振り回されるようになり、さらには女性ホルモンによって誘発されやすいトラブルや病気が増えているのです。
また、ホルモンが急減する更年期には、病気ではないけれど、それまでに経験したことのない不定愁訴も経験することになります。
子宮・卵巣・腟まわりに起こる病気、トラブル年表
●少女期(初経まで)
初経(初潮)年齢は平均12.3歳とされますが、栄養状態がよくなった現代ではより低年化。数年は月経が不安定なのが普通です。
●思春期(8〜18歳頃)
女性らしい体に成長していく時期。月経不順や困難症、人によってはPMS(月経前症候群)もすでにこの時期から。子宮頸がんの前がんのリスクも。
●成熟期(19〜37歳頃)
ホルモンバランスも安定している成熟期。本来の妊娠・出産をしないことで、女性ホルモン(エストロゲン)過多による病気が多発。
●プレ更年期(38〜44歳頃)
卵巣が少しずつ老化し、人によっては更年期のような不調も起こる時期。卵巣の病気が増えはじめるのもこの頃なので気をつけて。
●更年期(45〜55歳頃)
更年期は閉経を挟んだ前後それぞれ5年間、計10年間のこと。女性ホルモンが急激に減ることにより、全身にさまざまな症状が。
●ポスト更年期(56〜65歳頃)
更年期が終わった時期。女性ホルモンの分泌がほぼ0に近づき、逆にそこで安定。女性ホルモンによる病気のリスクもそろそろ終わり。
●円熟期(66歳〜)
女性ホルモンの減少に関連する病気のリスクはほぼなくなる時期。腟まわりや骨盤底トラブルに負けない準備はしておきたいもの。
※年表の期間はあくまで起こりやすい時期の目安で、個人差があります。また年齢下に表記した期間名は、「更年期」以外は医療用語ではなく、女性のライフステージを考慮した目安の期間です。
お話を伺ったのは
対馬ルリ子さん
Ruriko Tsushima
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長。産婦人科医、医学博士。女性の生涯にわたる健康推進活動に積極的。『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』(集英社)が大好評。
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八田真理子さん
Mariko Hatta
産婦人科医。1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』 (アスコム) など。
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イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子