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あなたも「氣絶病」? 漢方でその悪循環を好循環に

樫出恒代

樫出恒代

漢方薬剤師・漢方ライフクリエーター。漢方カウンセリングルームKaon代表。Kaon漢方アカデミー代表。新潟薬科大学薬学部卒業後、一人ひとりのこころとからだにていねいに向き合う漢方カウンセリングを提唱。連載の味わいあるイラストは、本人によるもの。
美容家吉川千明氏との共著に「内側からキレイを引き出す 美肌漢方塾」(小学館)
OurAgeインタビュー「信じていなかった漢方の力に救われて、この道を究め続ける薬剤師」はこちら

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あなたは夕食後にパタっとソファに倒れこみ、そのまま寝入ってしまった経験はありませんか? 樫出恒代さんの漢方カウンセリングには、そんなお悩みの患者さんが増えているそう。樫出さんはその症状を、氣が絶する「氣絶病」と呼んでいます。「氣絶病」の原因と解消法は。

漢方薬剤師
漢方ライフクリエーターの樫出恒代です

 

夕食後に氣が絶してパタっと寝てしまう「氣絶病」

 

ようやく猛暑の夏も終わりましたね。
とにかく暑かった今年の夏。

 

そのためか、私の漢方カウンセリングで増加中の「氣絶病」。

 

これは早めになんとかしないと、秋も冬ももっとつらくなるかも。

 

 

夕食を食べた後、ついついソファで横になる。
そのまま寝てしまう。
氣づくと夜中の12時過ぎ。

 

樫出さん ソファ

あー洗い物が終わってない。お洗濯が終わってない。
これから、それらの家事をして、その後、お風呂に入って。
結局、寝るのが2時、3時。

 

朝はお弁当作ったり、朝食の準備で、6時に起きなきゃ。

 

3時間ほどの睡眠しか取れないのです。

 

これは一例ですが、
これに似たようなパターンの方がとても多い。

 

夕食の後、とても起きてられなくて、いつのまにか、バタっと寝てしまう。

それは決してよい睡眠ではなくて、氣がなくなってしまう。
すなわち、氣が絶っする「氣絶」なのです。

 

これがほとんど毎日のように起こってしまうことを、私は「氣絶病」と呼んでいます。

 

「氣」は漢方でとても大切な要素のひとつ。
身体のなかをめぐり、私たちのやる氣をおこす、生きるエネルギーそのものだから。

 

「疲れた」「面倒くさい」が「氣絶病」の悪循環に陥った人の口癖

 

「氣絶病」が毎日、繰り返されることで、睡眠不足が続き、朝から疲れ、肩こり、めまいなどが起きやすくなる。

 

眠りの質が良くないから、当然、日中のパフォーマンスもよくない。
仕事もはかどらない。イライラ、うつうつしがち、、、

 

それでも、仕事や家事は休めないからと、この「氣絶病」を放置し、我慢しながら生活する。
家族のため、仕事のため…。

 

口癖は
「疲れたー」
「眠いー」
「やる氣がでない」
「面倒くさい」

 

 

この「氣絶病」、放置すると、悪循環のまま。
決して好循環にはなりにくい。

 

もし、「私そんな感じだわ」、「そこまでひどくないけど食べたあとすぐ眠くなるわ」と氣づいたら
漢方がちからになります!

 

早めに悪循環を好循環にしていきましょうね。

「氣絶病」の人が弱っている場所「脾」と「腎」。

 

漢方的には、まず、胃腸のはたらき。
「脾」とというところの力不足と考えるんです

 

食べたら眠くなるということは、食べたものを消化吸収する胃腸の働きが悪く、働きを助けるため胃腸に血をたくさん運ぶ。そのため脳が血不足、酸素不足になり眠くなる。

 

この症状が慢性化していたら、プラス「腎」という〈氣を蓄える〉ところの力をアップすることも大切なのです。

 

それは漢方の得意なところ。

 

「脾」の力をつける養生と漢方

 

「脾」はお腹をあたためて消化機能をあげることが大切

「脾」が弱っている場合は、お腹をあたため、消化機能をあげて力をつけてあげること。

 

例えば、この夏冷たいものばかり食べたり飲んだりしていた方は、特にあたたかいスープ、味噌汁などや、発酵食品、根菜類、ホクホク系のお芋などを毎日とるようにしてね。

 

「脾」が弱っているときの注意点

食べ過ぎないこと

早食いをしないこと

乳製品とりすぎないこと

空腹の際に甘いものを食べないこと

(空腹でなくても甘いお菓子や菓子パンは控えてね。)

 

そして漢方がちからになります。

 

「脾」の力をつける漢方薬

〇六君子湯(りっくんしとう)
〇人参湯(にんじんとう)
〇双参(そうじん)

などおすすめです。

 

「腎」の力をつける養生と漢方

 

「腎」のちからをつける為には、腰を冷やさないこと、姿勢を整えること。
丹田(お腹のへそ下指4本分のツボ)を意識することや、豆類や黒色の食べ物、玄米や小豆、山芋などを食べるようにしてね。

 

「腎」の力をつける漢方薬

〇補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

〇人参養栄湯(にんじんえいようとう)

〇霊鹿参(れいろくさん)〈鹿茸(ろくじょう)〉

 

などおすすめです。

 

 

季節の変わり目は、体調が乱れてきますね。

私もすごく疲れていると、夕食のあと眠くなることがあります。
それは、自分の身体からのメッセージ。

 

〈疲れているんだな〉
ということに氣づいて「氣絶病」になる前に漢方でケアしてあげてくださいね。

 

漢方カウンセリングで今の状況を話すことも、今の自分の状態に氣づくきっかけに。
やらなければいけない、と自分で決めてしまっていることを手放すことも「氣絶病」を治すことにもつながります。

 

まずは、氣を温存する生活スタイルを。

 

なにより、自分を大切にね。

 

漢方を味方に。

樫出さん ハート

注:漢方薬については
漢方専門の医師や漢方薬剤師
漢方アドバイザーなどにご相談・
カウンセリングの上お飲みください。

 

漢方カウンセリングルームKaon

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