衰えた[骨盤底筋]。トレーニングを考える前に、衰えさせないためのポイントとは? 婦人科医、松峯寿美さんにお伺いしました。
松峯寿美さん Hisami Matsumine
1970年、東京女子医科大学卒業。
東京女子医科大学病院に〝不妊外来〞を創設。
その後がん研究会病院勤務を経て、
’80年、東京・木場に東峯婦人クリニックを開院
[骨盤底筋]
骨盤底筋は生活習慣で変わる!
骨盤底筋を鍛えるには、トレーニング(OurAge 2019.5.23 記事参照)が有効ですが、衰えさせないための生活習慣も大切です。
1.内臓脂肪をつけないよう太りすぎない。
2.トイレで長時間いきまない。
3.排尿時に腹圧をかけない。
4.椅子に座るとき、猫背で膝を開いた姿勢をとらない。
5.ガーデニングなど、長時間しゃがんだ姿勢をとらない。
6.重い荷物を持たない。
7.きついガードルで腹部を圧迫しない。
以上のことに気をつけて生活しましょう。(松峯先生)
骨盤底筋とは、インナーマッスルの集まり
骨盤底筋とは、骨盤の底で子宮や膀胱、直腸を支えているインナーマッスルの 集まりのこと。腟・尿道口・肛門を取り囲む筋肉が周囲の組織を支える靭帯や神経などと重なり合い、ハンモック状に張り巡らされています。私たちが排泄をコントロールできるのは骨盤の筋力と伸縮力のおかげ。加齢によりこれらの機能が衰えると、尿もれなどが起こりやすくなります。(松峯先生)
20~30代の骨盤底筋。伸縮自在で弾力に富み、ハンモックのような働きをしています。5~7㎝の分厚い筋肉が、膀胱・子宮・直腸をしっかりと支えています。尿道口・腟口・肛門もキュッと引き締まっている状態です
60~70代の骨盤底筋。閉経してエストロゲンの分泌が止まり筋肉量が減るとともに、膀胱や腟の粘膜が衰えて薄くなります。骨盤底筋は薄くなったうえに緩み、膀胱・子宮・直腸の位置が下垂ぎみになる人も
次回は、更年期の[うつ]症状と[睡眠障害]の対処法をご紹介します。
撮影/伊島 薫 取材・原文/上田恵子