更年期になると体のさまざまな部分の潤いが低下することから、フェムゾーンに悩みを抱える人が増えてきます。チェックリストとイラストで確認を。
あなたは大丈夫?フェムゾーンチェック
- □ 閉経して、目や口などに乾きを感じるようになった
- □ 下着に触れる面積が増えたように感じる
- □ 洗っているのに嫌なニオイを感じることが増えた
- □ 自転車に乗ったり、椅子に座っていて、擦れて痛くなることがある
- □ セックスで挿入時に痛みを感じることが増えた
- □ セックスで痛くて入らなかったことがある
- □ 尿もれが頻発して、悩んでいる
- □ 以前に比べて、腟が緩くなったように感じる
- □ 腟を締める感覚がわからない
- □ 以前に比べて、大陰唇などが大きくなっているように感じる
- □ 入浴後、腟からお湯が漏れ出すことがある
- □ フェムゾーンがかゆくなることが増えた
- □ 昔に比べて、おりもののにおいがきつくなった
- □ セックスの際に出血してしまった
- □ 婦人科検診の触診の際に痛みを感じるようになった
比較しにくい部分だから無自覚な人も。チェックとともに自分のパーツを再確認
上のチェックでひとつでも印がついた人は、フェムゾーンの機能低下が起き、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)になっている可能性大です。まずはフェムゾーンを知ることから始めましょう。
自分自身のパーツなのに、見たことも触ったこともないという人もいます。ケアをするためには、その部分の状態を知ることも大事です。鏡で確認したり、お風呂の中で優しく触れてみるといいでしょう。
知っておきたいフェムゾーン
尿道口、腟口、肛門は骨盤底筋上につながっています。ですから、この部分は連動して不快を感じやすいという特性があります。個々のパーツだけでなく骨盤底筋のケアを考えることも必要です
他者との比較もしにくく、さらにプライベートなパーツなので見たことがない人も多い部分。エストロゲンの減少で、この部分の潤いも低下し、乾燥や萎縮、たるみ、ニオイなどが気になる人も少なくありません
閉経後は子宮内膜も薄くなり子宮自体も萎縮します。さらに子宮頸部から下の腟壁も粘膜組織でできていますが、エストロゲンの減少で潤いが低下。常在菌も減少するため、痛みやかゆみなどが発生しやすくなります
お話を伺ったのは
喜田直江さん
Naoe Kida
なおえビューティークリニック院長
医学博士。2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。形成外科医として多くの女性が悩みを抱える婦人科形成の専門クリニックを2011年に開院
丹羽咲江さん
Sakie Niwa
咲江レディスクリニック院長
産婦人科医。1991年名古屋市立大学医学部卒業。日本産婦人科学会専門医、日本性科学会幹事。性科学者。2002年開院。性交痛などの相談、治療、フェムゾーンケアの情報発信を積極的にしている
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/安藤由美