フェムゾーンのニオイやかゆみが気になるという悩みに、医学博士の喜田直江先生が答えます!
● お悩み
毎日入浴しているのに、トイレに入るとフェムゾーンから嫌なニオイを感じるように。どうしたら改善できますか?(57歳)
● 先生の回答
潤い不足で自浄作用が低下し、気になるニオイやかゆみが現れやすくなり、おりものも変化します。洗い方を見直すことも重要です。
潤い低下で腟内の細菌バランスの変化が起きている!
「尿道や肛門に近い場所にあるのに、腟内が汚れないのは、自浄作用があるからです。おりものなどの分泌液でつねに潤い、細菌の侵入を抑え、ある程度の汚れは流してくれるのです。
でも、閉経に伴い女性ホルモンの分泌が減少すると腟内の自浄作用が低下するのでニオイやかぶれの問題が発生します。
さらに、腟内には酸性に保つデーデルライン桿菌(かんきん)という細菌叢(そう)が存在していて、雑菌の繁殖を抑えています。ところが、腟内の潤いが低下するとこの細菌叢のバランスもくずれ、雑菌が繁殖しやすい状態に。
これらの理由で更年期以降は、ニオイやかゆみが発生しやすくなるのです」(喜田直江先生)
対策には丁寧な洗浄と保湿が重要。
「肌でも乾燥している部分をゴシゴシ洗ったりはしませんよね。フェムゾーンはとてもデリケートな部分。まず低刺激の専用アイテムを使用することをおすすめします。
洗うときには指を使って優しく、細かなひだもあるのでその部分の汚れも指で優しく洗っていきます。洗ったあとは乾燥するので、必ず保湿してください」
アンダーヘアケアもニオイやかゆみ対策になるので、将来の介護も視野にVIO脱毛をする人が増えています。
「年齢とともに陰毛は細くなり毛量も減るので、マストではないでしょう。でも量にもよるし、気になる人は、マシンは黒色に反応して脱毛するので、白い毛が増える前にすませるのもいいかもしれませんね」
「刺激が少ない弱酸性のソープで優しく丁寧に。ニオイが気になるからとゴシゴシ洗うのは逆効果です」(喜田直江先生)
フェムゾーンの洗い方
入浴時に洗うときには、弱酸性のフェムゾーン専用ソープをしっかり泡立てて、優しく性器全体に塗布して。
大陰唇のひだに沿って、閉じている小陰唇も開いて腟口、肛門との間、肛門のまわり、クリトリス周辺もソフトタッチで洗いましょう。
鏡で確認しながら行うとケアによる変化を感じやすいのでおすすめです
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お話を伺ったのは
喜田直江さん
Naoe Kida
なおえビューティークリニック院長
医学博士。2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。形成外科医として多くの女性が悩みを抱える婦人科形成の専門クリニックを2011年に開院
撮影/ケビン・チャン イラスト/かくたりかこ 構成・原文/安藤由美