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【読者(55)のお悩み】夫に「緩くなったかも」と言われました。お風呂上りに膣から水が出たことも/専門女医が回答

膣が緩くなったかもしれないというお悩みに、産婦人科医の丹羽咲江先生が回答します。

 

お悩み
恥ずかしいのですが、夫に「緩くなったかも」と言われ、ショックを受けてセックスができなくなりました。お風呂上がりに腟から水が出てきたことも。どうしたらいいですか?(55歳)

先生の回答
出産経験や運動不足、過体重、加齢などで骨盤底筋が緩むと腟圧が低下します。でも腟トレをすると腟圧はアップできます。

放置すると腟圧低下だけでなく、尿もれや臓器脱も!

更年期世代の場合、潤い低下による萎縮が代表的な症状ですが、腟に緩みが出る人もいます。

 

「人それぞれ顔つきが違うように、フェムゾーンの形状も悩みも千差万別です。傾向はありますが、萎縮だけでなく複合的に悩みを抱えている人も少なくありません。

 

特に、出産経験がある人、また過体重や運動不足といった人は、緩みが生じているケースもあります。20代、30代でも腟圧が低く緩みに悩んでいる人はいますが、更年期世代の場合、萎縮しつつ緩んでいる人も増えてきます。

 

こうなるとちょっと複雑なので、複合的治療が必要になるケースもあります」(丹羽咲江先生)

 

腟圧が低下している人のほとんどが、骨盤底筋にダメージや衰えが出ていることが多いといいます。

 

「骨盤底筋は、尿道、腟、肛門をつなぐ骨盤の底にある筋肉です。この部分の筋肉が衰えると、腟、尿道、肛門をキュッと締める力も低下するので緩みが生じます。

 

ひどくなると子宮や膀胱、直腸などが下がる臓器脱になり、ほかにも尿もれや便もれなどにも影響します。エクササイズもありますが、効くように行うのは非常に難しいです。

 

セルフケアとしては、腟の中に専用の腟トレボールを挿入し、キュッと締めた状態でキープしてトレーニングするという方法などがあります。ただ時間がかかるので、ヒアルロン酸注入やレーザー照射なども併用するといいでしょう」

 

「トレーニング次第で腟圧は何歳になってもアップさせることは可能です。自分のペースで進めてみましょう」(丹羽咲江先生)

 

 

正しく腟圧を測るのは実は難しい

腟の緩みを感じている人の腟圧を測ってみると、実際にはそんなに圧は低下していないというケースもあると丹羽咲江先生。

 

「パートナーから言われても、その人の感覚でしかない場合も。ネットなどで腟圧計も購入できますが、機器によって数値は異なるので、これぐらいあればとは言いきれません。

 

腟といっても部位によって締めつけは異なるので、細かく測れないと意味がなかったりもします。プールや入浴のときに腟に水やお湯が入りやすいことなどが、ひとつの目安になりますね」

 

 

腟圧を測って疾病を予防

腟圧を測って疾病を予防

「腟圧とは、女性の腟が男性器を圧迫する力を数値化したものです。平均的な腟圧は15〜25㎜HG。運動習慣がある人は数値が高く締まる傾向があります。

 

私のクリニックでは上のような器具を使って測定します。腟圧が低いと膀胱や子宮、または直腸など骨盤内の臓器が下がりやすくなり、尿もれや臓器脱になることもあります。

 

お風呂上がりにお湯が漏れ出るなどの自覚があったら、ケアしていくことが大切です」(丹羽咲江先生)

 

湯船で腟にお湯が入るなどを自覚する人は、自分の指を挿入して圧を確かめてみましょう

湯船で腟にお湯が入るなどを自覚する人は、自分の指を挿入して圧を確かめてみましょう。やりやすいのは入浴時。清潔な指を2本ゆっくりと腟に挿入。キュッと締めて指が閉じられるか、試してみてください

 

ラブパールセット(ライト&ミディアム)

セルフトレーニングとして有効なのが腟トレボール。腟の中に挿入し、ひも部分を外に出して、キュッと腟を締めた状態でひもを引っ張ります。

 

ラブパールセット(ライト&ミディアム)¥4,400/アジュマ

 

 

お話を伺ったのは

丹羽咲江さん 咲江レディスクリニック院長

丹羽咲江さん
Sakie Niwa
咲江レディスクリニック院長

産婦人科医。1991年名古屋市立大学医学部卒業。日本産婦人科学会専門医、日本性科学会幹事。性科学者。2002年開院。性交痛などの相談、治療、フェムゾーンケアの情報発信を積極的にしている

 

 

撮影/ケビン・チャン イラスト/かくたりかこ 構成・原文/安藤由美

 

 

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