女性特有の悩み、特に腟まわり=フェムゾーンのトラブル「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」は人生100年時代の大きな課題に。2人に1人が悩んでいるGSMの症状を、セルフチェックで確認してみましょう。
2人に1人が悩んでいる!「GSM」はどんな病気?
Genitourinary Syndrome of Menopause
閉経関連泌尿生殖器症候群
閉経前後の女性に起こる外陰部や腟の萎縮変化、それに伴う身体症状の総称です。2014年に、新たな概念として国際学会で提唱されたもの。以前は老人性腟炎、萎縮性腟炎などと呼ばれていました。症状は大きく分けると次の3つです。
- ●腟まわりトラブル(乾燥によるかゆみ、ヒリヒリした痛み)
- ●尿のトラブル(尿もれや頻尿、膀胱炎など)
- ●性交トラブル(性交痛や出血・痛みによる性的意欲の低下)
症状が5つ以上あったらGSMの可能性大
- □ 腟まわりの乾燥感が気になる
- □ 腟や外陰部に灼熱感がある、ヒリヒリする
- □ ⾃転⾞のサドルに当たる部分が痛い
- □ 外陰部がショーツで擦れたり挟まる感じがする
- □ 外陰部がかゆい、ムズムズする
- □ 外陰部のにおいが気になる
- □ 性交時に濡れにくくなる、潤い不⾜を感じる
- □ 性交痛がある
- □ 腟の入り口が狭くなった気がする
- □ 腟が緩くなった気がする(⼊浴時に腟から湯がもれる)
- □ 腟からオナラのような音が出ることがある
- □ おりものが出ない、または少なくなった
- □ おりもののにおいが気になる
- □ 尿もれする、トイレが近い、夜トイレに起きる回数が増えた
フェムゾーンケアはもう常識。自分の腟まわりは毎日触れて
このところ急速に幅広い年代に広がりはじめたのが、腟と外陰部を合わせた「腟まわり=フェムゾーン」のケア。
「日本では長らく陰部、デリケートゾーンと呼ばれ、自分のアソコを見たことがない、触ったこともないという人もいます。実は腟まわりのことで悩んでいるのに、受診していない人はかなり多いはず。
最近、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)の概念が広まりはじめたのはいい傾向ですね」(八田真理子先生)
お話を伺ったのは
対馬ルリ子さん
Ruriko Tsushima
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長。産婦人科医、医学博士。女性の生涯にわたる健康推進活動に積極的。『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』(集英社)が大好評。
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八田真理子さん
Mariko Hatta
産婦人科医。1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』 (アスコム) など。
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イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子