実は知らないことが多い閉経バナシ。
読者から寄せられた素朴な疑問を、本誌でおなじみの対馬ルリ子先生に尋ねました!
対馬ルリ子さん Ruriko Tsushima
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座理事長。
産婦人科医・医学博士。女性の生涯にわたる健康のために、
さまざまな情報提供や啓蒙活動を行なっている
Q.閉経って何を指すの?
閉経とは永久に月経がなくなること。医学的には、卵巣の働きが自然に失われていき、月経がこなくなって1年たった場合、「最後に月経がきたとき」を閉経とみなします。例えば、昨年の1月に月経があったきり今年の1月になってもこない場合、「昨年1月で閉経した」ということ。そう、閉経の時期は、過去を振り返って初めてわかるものなのです。
Q.閉経前に月経の乱れが起こる理由は?
卵巣が衰えて排卵がうまくできず、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌が不安定になることがすべての原因です。脳が排卵を促すために月経が早まったり、だらだらと出血が長引いたり、なかなかこなかったり。子宮内膜がうまく剝がれず厚くなりすぎるため、突然の大出血や不正出血が起こることも。無排卵月経の確率も高くなります。
Q.正しい閉経とは?
一人一人パターンが違うのはなぜ?
閉経の仕方に「正しい」なんていうものはありません。異常な閉経があるとすれば、40歳前に閉経してしまう早発閉経。人によって閉経へ向かう経緯やパターンが違う理由は、ホルモンに対する感受性の違いや、自律神経やメンタル面、その人の体の機能、体質的なものなど。まさに「個性」による違いです。
Q.更年期と閉経の関係性は?
「更年期」と「更年期の不調」は混同されがちですが、更年期は思春期と同じで、誰にでも必ず訪れるライフステージの名称です。女性ホルモンの分泌が急激に減りはじめ、閉経を迎えてその後分泌がほぼゼロになるまでの"期間"を指します。更年期の定義は、閉経を挟んだ前後5年、合計10年間。自分がいつ更年期に差しかかったかは、閉経後にわかるのです。
エストロゲンが急激に増える時期が思春期。急激に減るのが更年期。
それぞれの時期に、初経、閉経が起こります
次回は、閉経前後の不調や閉経する時期など、「閉経」にまつわるギモン(後編)をご紹介します。
イラスト/カツヤマケイコ 構成・原文/蓮見則子