今まで病院にあまり縁がなかった人も、女性ホルモンが減っていく更年期以降はかかりつけの婦人科を見つけることにもウエイトを置きたいものです。検診を機にこれからの健康戦略を気軽に相談できるような婦人科医を探してみませんか?
お話を伺ったのは
八田真理子さん
Mariko Hatta
産婦人科医。1990年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業。順天堂大学、千葉大学、松戸市立病院を経て、98年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。幅広い世代の女性の診療を行い、クリニックはいつも女性でいっぱい。著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』(アスコム)など。
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「内科よりも婦人科」を更年期以降の常識に
女性ホルモンが減っていく更年期以降、女性特有の体の変化を熟知した婦人科医をパートナードクター(かかりつけ医)として持つことは重要な意味があります。
いろいろな病気のリスクを知っていればこそ、トータルに健康管理してもらうことができるからです。
「私のように地元に密着した産婦人科医は、思春期から高齢の女性まであらゆる悩みの相談に乗ります。特に更年期の悩みは環境やメンタルにもかかわるので、病気を診るというよりもその方の人生に寄り添う気持ちで向き合います。
病気の予防や治療を受けるためだけでなく、人生のQOLを高めるために、もっともっと婦人科を利用してもらいたいと思っています」(八田真理子先生)
40歳を過ぎたら受けるべき検診
「健診」と「検診」の違いを知っていますか? 健診は健康診断の略で、健康かどうかを確認すること。一方の検診は、病気をいち早く発見するための検査のことです。閉経前後に気になる病気には、健診に加えて検診を受けることがとても重要に。
■ 職場や自治体が実施している健康診断(特定健診)
健診(健康診断)は、健康状態をチェックするための検査コースの総称。会社員は労働安全衛生法に基づき、年に一度の定期健康診断の受診が義務。
40歳~74歳の医療保険加入者が対象の「特定健康診査(特定健診)」も年1回あります。医療施設によっては通常の検査コースとして「健診」を設定している場合も。
■ 婦人科検診(女性検診)
更年期になったら最低限受けたいのが、乳がん、子宮がん(頸がん・体がん)の検診。卵巣も同時にチェックするのがおすすめ。
- ● 乳がん検診(マンモグラフィ、乳腺エコー、視触診)
- ● 子宮がん検診 (頸がん・体がん)
- ● 経腟エコー(卵巣もチェック)
■ 追加したほうがいい検査
市区町村が実施するがん検診で、女性は胃、肺、大腸、乳がん、子宮頸がんの検診を年齢に応じて受けることができるのでぜひ利用を。
- ● がん検診(胃がん・肺がん・大腸がん)
- ● 血管年齢
- ● 動脈硬化レベル
- ● 肝機能など
- ● 体重・体脂肪率
- ● 血圧
- ● 骨密度(閉経を機に)
カメラ&スタイリスト/中山ユカリ 構成・原文/蓮見則子