更年期のさまざまな不調にはツボが効果的。でも、「ツボ押しってなんだか難しそう…」? いえいえ、そんな心配は無用です。“簡単ツボ”なら、だいたいの位置を気持ちよ~く刺激するだけでOK。簡単で効果抜群、いつでもあなたの役に立ちます!
監修
柳本真弓さん
Mayumi Yanamoto
目白鍼灸院院長。鍼灸あん摩マッサージ指圧師、リンパドレナージセラピスト。鍼灸の高い技術と丁寧な治療、幅広い知識に基づく美容法が人気。雑誌やテレビで幅広く活躍。著書も多数
更年期のちょい不調に「簡単ツボ」が効く理由
ホットフラッシュやめまい、不眠など、更年期に現れるさまざまな症状に対応するツボは体中にあります。だから、ツボ療法なら自分の力でつらい不調を緩和できるんです!
東洋医学では更年期を腎精の消耗ととらえます
「五臓のひとつ“腎”には“精”が蓄えられていると考えられています。腎精(じんせい)とも呼ばれ、“生命エネルギーの元”となる存在です。ここから気や血が生み出され“成長”したり、不足すれば腎虚という状態になり“老化”します。更年期は、腎精が司る女性ホルモンが消耗された状態なのです」(柳本真弓さん)
ほかにも、腎精が減ると白髪や抜け毛、肌のシワ、骨や歯がもろくなったり、気力の低下などの心の状態にも表れるとか。まさに腎精は若々しさの源のような存在。
「腎精には両親から受け継ぐ“先天の精”と、誕生後に生活を通じて補われる“後天の精”があります。後天の精は食事や睡眠などで養生することによって、生活習慣次第でチャージすることができます。その手段のひとつがツボ療法なのです」
ホルモンと自律神経を整えるから「簡単ツボ」が効く
「ツボとは皮膚表面にある特定のポイントで、全身を巡る経絡(けいらく)と呼ばれる、気血が流れる道にある“駅”のような存在です。各臓器とつながっていて、ツボを刺激することで、その臓器の不調を軽減できると考えられています」
更年期は女性ホルモンの急激な低下で脳の視床下部と脳下垂体が混乱し、その影響で自律神経が暴走している状態。これが200以上あるといわれる更年期症状の正体。
「東洋医学では、体の中の巡りやバランスを重視し、足りない場合は補い、滞ったところは流して整えていきます。更年期症状も巡りやバランスの乱れのひとつ。ツボ療法は、こうした不調を感じたときに自分で手軽に行えることが大きな魅力といえます」
ツボは体中にある駅のようなもの
ツボは全身を巡る経絡の要所にある駅のような存在で、ここから気が出入りすると考えられています。各臓器とつながっていて、ツボを刺激して経絡の巡りやバランスを整えることで、さまざまな不調を癒します。
イラスト/安田ナオミ 取材・原文/山村浩子