更年期のちょっとした不調を大きくふたつのタイプに分けて、典型的な特徴と合わせてご紹介します。
監修
柳本真弓さん
Mayumi Yanamoto
目白鍼灸院院長。鍼灸あん摩マッサージ指圧師、リンパドレナージセラピスト。鍼灸の高い技術と丁寧な治療、幅広い知識に基づく美容法が人気。雑誌やテレビで幅広く活躍。著書も多数
更年期症状には大きく熱タイプと冷タイプがある
「更年期不調の原因となる腎精の消耗の仕方は人によって違い、大きくふたつのタイプに分かれます。それは、鍋に水を入れて火にかけた状態と似ています」と柳本真弓さん。
同じ鍋に入った同量の水でも、火が強すぎると、中の水はあっという間に干上がってしまいます。これが「熱タイプ」。
一方で、火が弱すぎると水はいつまでも温まりません。こちらが「冷タイプ」。
「熱タイプは乾燥し、しぼんだイメージ。やせてシワが多く、せっかち。一方の冷タイプは冷えてむくみやすく、動きがにぶいイメージです。すべての人がこの両極に分類されるのではなく、グラデーション的に体質は異なります。
この中庸のタイプで、適度な火加減で徐々に消耗していくのが理想です。タイプによって、現れる症状や、同じ症状でも原因が違うことがあり、押すべきツボも変わってきます」
「熱タイプ」の典型的な特徴
鍋の火が強すぎると、中の水はすぐに減って、焦げてしまいます。このタイプの人は下記のような特徴があります。
- ●肌や髪が乾燥ぎみ
- ●やせている
- ●口が渇く
- ●便秘しやすい
- ●せっかち
- ●イライラしやすい
「冷タイプ」の典型的な特徴
鍋の火が弱すぎると、水はなかなか温まらず、いつまでも水があります。この冷タイプは熱タイプと反対の性質をもっています。
- ●むくみやすい
- ●ぽっちゃりしている
- ●冷える
- ●下痢しやすい
- ●動きがにぶい
- ●落ち込みやすい
イラスト/安田ナオミ 取材・原文/山村浩子
次回は、「直接ツボ」と「リモートツボ」について、ご説明します。