Dさん(正社員・43歳)の場合
■29歳:排便痛から婦人科受診、子宮筋腫が見つかる。筋腫を摘出
■35歳:再び子宮筋腫の症状が出始める。経過観察
■41歳:投薬治療を5カ月継続後、筋腫を摘出
■43歳(現在):手術後1年検診で、再び子宮筋腫が見つかる
1回目の手術時から「10年後また手術」
過去に2度、子宮筋腫の核出術(筋腫だけを切除)を受けたDさん。
2回で合計57個もの子宮筋腫を摘出しました。
「1回目に筋腫がわかったときは、生理のときに排便痛があって。
徐々にひどくなっていき、経血量も増えていったので、婦人科を受診したところ『筋腫が16個ある』と。最大で7cmの筋腫で、治療はせずにすぐ手術に踏み切りました。
手術後は生理も軽くなりましたが、そのときに『多発性子宮筋腫なので再発の可能性が高く、また10年後に手術するようになる』と医師からは言われていました」
手術後は快適な日常に戻りましたが、35歳くらいから腹部に大きなしこりを感じるようになったそう。
妊婦さんのように下腹部が膨らみ、また頻尿や月経過多などの症状も出ていました。
「今から思うと、1回目の筋腫のときの経血量はマシなほうだったのだな、と。
そのくらい2回目のほうが月経過多がひどく、職場で仕事中、1時間トイレに行けないともうナプキンがいっぱい。常に漏れの不安がつきまとっていました。
服は妊婦さんのようなゆったりめのワンピースしか着られず、それでも周囲に『お腹出てない?』と気づかれてしまうほどで」
そんななか、職場の健康診断で子宮筋腫が確定。再度病院へ通うように。
「そのうちいよいよ症状も強くなり、医師の言葉通り1回目の手術から約10年で、手術の必要性が出てきました。
その病院で『セカンドオピニオンは取りますか?』と提案してくれたので、前回手術をしてくれた医師のもとに行き、治療と手術はそちらで行うことに。
今回は筋腫が最大で12cmのサイズになっていたので、手術前に筋腫をある程度小さくするためにレルミナを5カ月弱服用しました」
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治療中は更年期のようなホットフラッシュで…

「レルミナでの治療中は、更年期症状のようなものが出ました。
特にひどかったのはホットフラッシュ。
もともと汗をほとんどかかない体質なのに、顔がやたらと暑くて。冬だったのですがオフィスのデスク上には卓上ファンを置いてしのいでいました。
でも、イライラや落ち込みなど気持ち面での症状はほとんどなく。
それは、事前に情報収集をしっかりしていたおかげかもしれません。
治療経験を発信している方のSNSなどを見て、こういうことが自分にも起こるんだ、という心構えができていました。
情報収集って大事だなと身にしみて思います。
また上司にも事前に相談して、理解をいただいていたことも大きかったと思います」
治療の結果、最大8cmにまで筋腫は縮小。2回目の手術も全摘ではなく核出を選びました。
「実は迷ったんですよね。部分摘出しても、また再発するかもしれない、と。
でも母に相談した際『今後、結婚して子どもを持ちたいとなったとき、子宮がなくて妊娠できないのと、妊活した結果できないのとでは、気持ちが違うのではないか』と言われたんです。
その時点では結婚や子どもを持つ予定はありませんでしたが、『それもそうかもしれない』と。
あと、子どもを二人出産後に筋腫で子宮全摘した友人から、『本当はあと一人産みたかった、全摘を後悔している』という話も聞いていて。
全摘・核出どちらでもいいなら、可能性は残しておこうと」
2回目の手術では計41個、3kgもの筋腫を摘出。
「なのに、手術の前後で体重が変わっていなくて…。これはちょっと想定外でした(笑)」
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思いのほか早い再発、次は全摘かもしれない
手術後はさまざまな症状もなくなり、また快適な日々を過ごしていたDさん。
ですが、先日受診した1年後検診で、再び子宮筋腫があることがわかったそう。
「筋腫が3個あって、最大のもので5cmだと。
想像していたよりも再発が早く、『もう!?』というのが正直な気持ちです。
今はまだ月経過多などの症状も出ておらず、しばらくは経過観察ですが、閉経までまだ10年弱。
生理のたびに筋腫が育っていくのは間違いない。
また手術となったら、次はもう全摘出かな…と覚悟しています」
イラスト/本田佳世 取材・文/遊佐信子


