HAPPY PLUS
https://ourage.jp/kounenki_no_chie/more/400880/

【子宮筋腫手術の体験談】月経過多と筋腫を小さくする治療を併用し、手術なしで“逃げ切った”

子育てに仕事に趣味に…。多忙なEさんは、なんとか手術をしないで子宮筋腫を乗り切りたい、と治療法を模索。一番の困り事だった月経過多と、子宮筋腫を小さくする治療法を両方行い、手術なしで閉経まで駆け抜けました。やりたいことを諦めず、粘り強く治療法を探ったEさんの体験をご紹介します。

Eさん(会社員・56歳)の場合

■47歳 献血前の血液検査で貧血を指摘され、病院を受診。子宮筋腫が判明

■47歳 子宮筋腫を小さくする治療(リュープリン)を6カ月行う

■47歳 月経過多のための治療(子宮内膜アブレーション)を行う

■51歳 筋腫が大きくなっていることが判明。筋腫を小さくする治療(レルミナ)を4カ月行う

■52歳 定期検診でまた筋腫が大きくなっていることが判明。再度レルミナを6カ月服用。

■53歳 閉経

 

大きな筋腫が判明、薬でコントロールしながら趣味も仕事も生活も大車輪

 

47歳で子宮筋腫がわかった当時、Eさんは正社員として週5日勤務とは別に、月10~15日アルバイトをするWワークの多忙な毎日でした。

 

「高校生のときから献血を続けているのですが、筋腫がわかったのは献血がきっかけでした。事前の血液検査で貧血のレベルがかなりひどいということで、その日は献血はNGに。
婦人科を受診すると、13cmの子宮筋腫があることがわかりました」

 

このときのHb(血中のヘモグロビン値)は8.2g/dl。基準値を大幅に下回る重度の貧血でした。

 

「当時は息切れがして疲れやすく、二枚爪などもあったのですが、『年齢のせいかな』くらいに考えていたんです。下腹もぽっこり出ていましたが、もともと下半身ががっしりめなので、筋腫のせいとはまさか思っていませんでした」

 

記事が続きます

病院では開腹手術による子宮全摘をすすめられましたが、Eさんはそれは避けたいと思っていたそう。

 

「友人に開腹手術で全摘した人がいて、術後3カ月くらいは体がしんどかったと言っていたのです。
当時は長男が大学受験の年だったので、サポートが十分にできないのは困る、と思いました。
また、私はバイクのツーリングが趣味で、福山雅治さんの推し活も生活の一部。
体の自由が利かないことでそれらが制限されてしまうのはなぁ…という思いもありました。

 

また、当時は、子宮全摘すると女性ホルモンが出なくなると、間違って思い込んでいたせいもあります。
『子宮はエネルギーがたまる場所』と話す動画を見て、できることなら残したいと」

 

手術は選択せず、筋腫を小さくするリュープリンの治療を始めたEさん。副作用は大きかったそうで…。

筋腫の薬で副作用があり、ハイなときとローのときの差がスゴイ

「ホットフラッシュと倦怠感がつらかったですね。そのほかにも頭痛や嘔吐してしまうときもありました。
治療中も1泊2日でツーリングに行って、日を置かず福山さんのライブに遠方まで行ったりしていて、ツーリングやライブのときはワーッとハイテンションで過ごしているのですが、帰宅して気が抜けると不調がドッと襲ってきて…という落差の大きな生活をしていました。

 

趣味も目いっぱいやりつつ、Wワークも続けていたので、疲れもあったのかも…と今では思います」

月経過多を解消するために受けた子宮内膜アブレーション

 

そんなアクティブで忙しいEさん、当時の一番の困り事は月経過多でした。

 

「生理の2日目はもうひどい。
タンポン+夜用ナプキンをつけていても2時間ともたないんです。
デスクワークをしていてタイミングよくトイレに行けないと漏れてしまうし、車を運転中にドッときてしまうと、もうアウト。2日間通しのツーリングも無理。

 

この不便さをどうにかしたくてさまざまな情報を集める中で、月経過多の解消に効果が高い『子宮内膜アブレーション(MEA)』という治療法を見つけました。
1泊2日の入院治療ですみ、子宮の摘出もせず、副作用もないということで、私に最適な治療法だと思いました」

 

MEAはマイクロ波で子宮内膜を焼灼し、経血量を減少させる治療。

EさんはMEAを受けられる病院を探し、6カ月のリュープリン治療の後、治療を受けました。

 

手術の翌日には自分の足でスタスタと歩いて帰ることもでき、副作用や痛みもまったくありませんでした。
月経もこなくなり、『わずらわしさから解放された!』とホッとしました。

筋腫を小さくする治療ではないため、警戒はしていましたが、4カ月後の検診ではサイズはほぼ変わっていませんでした。

でも、さらに半年後の検査で月経滞留があると指摘され、ドレーンで経血を抜く処置を受けました。
その翌月には家事の最中に突然ドッと出血。MEAのあとに少し癒着があったようで…。それによる出血が少しずつたまって、一気に出てきたということらしいです。

 

その後は月経が戻ってきましたが、月経過多はなくなり、本当に楽になりました

 

記事が続きます

再度筋腫が大きくなるも閉経を迎えて治療は終了

それからも半年ごとに筋腫の検査は受けていたEさん。
MEAを受けてから3~4年たったころ、急に筋腫が成長しているのを感じて受診したところ、また大きくなっていることがわかったそう。

 

「『新生児の頭くらいある』と。確かに、胃に圧迫感があって食欲が落ちてはいたのです。
ホルモン値を調べると、閉経まではまだ少しかかりそうとのことで、医師からは手術をすすめられました。

その頃には私も知識が増え、子宮への執着もなかったのですが、手術だと1週間入院、その後2~3カ月は安静にしないといけないとのこと。

季節は秋で、涼しくなってきてツーリングに最適の時期にそれは困る。それに冬に温泉に行ったときに傷あとが目立つのはちょっと…という思いもあり、手術は避けて、再度筋腫を小さくする治療を選びました。

 

そのときはレルミナで、まず4カ月間服用したところ小さくなったので投薬は終了。

ところが、翌年の検診でまた大きくなっているということで、3カ月のレルミナ服用を2ターン行って、筋腫は6cmにまで小さくなりました。
ちょうどその頃に閉経を迎え、治療は終了となりました」

 

閉経まで手術なしで”逃げ切った”Eさん。
ライフスタイルに合わせて、その時々でベストな選択をしてきたため後悔はありませんが、思うこともある、と言います。

 

治療は長くかかったし、リュープリン、MEA、レルミナと、治療費もそれぞれ数万円と大きな痛手でした。
結果論になりますが、最初にわかった時点で手術を決断しておけば、もっと早い段階で身軽になれて、余計な出費もなかったかな…とは思います」

 

 

イラスト/本田佳世 取材・文/遊佐信子

 

 

MyAge

大人のからだバイブル vol.3 「アラフィフだって痩せられる」

OurAgeの人気記事が1テーマムックに!
何度も読み返せる保存版OurAgeです。

MyAge
試し読み Amazon Kobo 7net

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消
記事が続きます

今すぐチェック!

60㎏超の50代女子が3ヵ月で痩せた! 40代、50代のための大人の痩せ方とは?

60㎏超の50代女子が3ヵ月で痩せた! 40代、50代のための大人の痩せ方とは?

<前の記事

<前の記事
第5回/【子宮筋腫手術の体験談】2回の部分摘出を経験、3回目は全摘を選択するかも

次の記事>

次の記事>
第7回/【子宮筋腫手術の体験談】出産を挟みながら子宮筋腫の手術を2回経験。最後は全摘

この連載の最新記事

【子宮筋腫手術の体験談】出産を挟みながら子宮筋腫の手術を2回経験。最後は全摘

第7回/【子宮筋腫手術の体験談】出産を挟みながら子宮筋腫の手術を2回経験。最後は全摘

【子宮筋腫手術の体験談】月経過多と筋腫を小さくする治療を併用し、手術なしで“逃げ切った”

第6回/【子宮筋腫手術の体験談】月経過多と筋腫を小さくする治療を併用し、手術なしで“逃げ切った”

【子宮筋腫手術の体験談】2回の部分摘出を経験、3回目は全摘を選択するかも

第5回/【子宮筋腫手術の体験談】2回の部分摘出を経験、3回目は全摘を選択するかも

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル