とっても不思議な第78回ゴールデン・グローブ賞授賞式が終わりました。78歳になったゴールデン・グローブ賞(以下、GG)ですが、今年のヴァーチャルGGはいままで一回もなかった歴史的な珍事でした。東海岸NYと西海岸LAからのリモート中継で行われ、ノミネートされた人たちも多くがリモートで参加したのです。
キャサリン=ゼタ・ジョーンズはNYから。ドルチェ&ガッバーナのドレス姿でマイケル・ダグラスと共に。©NBCUniversal
マーゴット・ロビーはLAのプレゼンターとして登場。このドレスのブランドは?後で出てきますよ!©NBCUniversal
レッドカーペットはこの寂しさ!赤いドレス姿はサルマ・ハエック。©HFPA
主演女優賞を受賞したのは、伝説の歌手ビリー・ホリディを演じた、アンドラ・デイ。オスカー受賞の最有力候補でもあります。ドレスはシャネル。©Myriam Santos
できればこれが最初で最後になって欲しい、と心から願ってます。実況中継が生み出す臨場感は、何にも代えがたい貴重な盛り上がりだとつくづく思いました。生放送だからこその遠くから聞こえてくる話し声や雑音が、会場とリビングルームの距離を縮めてくれる橋渡しになっているとわかりました。ウロウロ動きまわって落ち着かないセレブは誰か?誰と誰が仲良く話していたか?というような、馬鹿馬鹿しい発見と観察の楽しさが、この映画賞の人気が続く理由なのだと思いました。
翌日のメディアは色々とおもしろいコメントを載せてました。「今年のGGはまさにディザスター(惨事)」「盛り上がりのない摩訶不思議な映画賞」「毎日仕事で学校でzoomなのにゴールデン・グローブ賞もzoom じゃたまらない」「3時間も続けてzoomミーティングは非常に酷で疲れる」「ヴァーチャルの限界が見えた」…などなど。
でも、どの記事も「誰も責めることができないのだけれど」と締めくくってました。人と人との関わり合いが暖かさを生み出し、人間同士の接触なしでは何もかも無味乾燥なものになってしまうことがわかりました。
今年のGGのノミネーション/受賞者は時代交代を強く感じさせるものでした。そして次から次へと才能ある魅力的な俳優を生み出す人材の厚みも感じました。自分が持つ個性を躊躇なく前面に押し出す演技と、それを支える自信。若い世代の特徴です。
女優陣のドレスアップも素晴らしいものがたくさんありました。過去一年間、世界中でファッションの動向もほぼ停止していましたから、何が流行なのか流行じゃないかの境界線が消えていたぶん、それぞれが選んだドレスがパーフェクトに自分を生かしてるものが多いのに目を見張りました。やはりグッチ、ヴィトン、ディオール、シャネル、オスカー・デ・ラ・レンタと、老舗のデザイナーが中心になってました。
話題をさらったナンバー・ワンが、英国女優ロザムンド・パイクの真っ赤なドレス(ブランドはモリー・ゴダード)。画面上での存在感、ワークブーツ風の黒いごつい靴との遊びのある組み合わせが、見事な演出でした。そして彼女の180センチ近い長身ならではの着こなし。即刻オンライン・チェックがすごい数になったそうです。
©Rosamund Pike
ニコール・キッドマンのルイ・ヴィトン。いつもながら彼女のエレガンスには感動した人が多かったようです。
提供/Louis Vuitton
マーゴット・ロビーはシャネルのドレス。
©HFPA
ジョディ・フォスターはなんとプラダのパジャマを着て登場!パートナー、愛犬ジギーと登場しました。ヴァーチャルGGだから、候補者のジョディも普通の視聴者も同じように居間でリラックスしてショーを見てる、というメッセージで話題を集めてました。さすがジョディ、Good idea !
©NBCUniversal
ロザムンドの遊び心と余裕の演出とは対照的な、20代の女優さんたち。隅から隅までエレガンス、という感じの、ファッション誌から抜け出てきたようなドレスアップ。注目は、2020年最大のヒットを打ち出したテレビシリーズ“Queen’s Gambit”のアナ・テイラー・ジョイ。「目と目の間にもう一つ目を」なんて言われて愛されている彼女の才能は別格です。
©Goldenglobes
テレビシリーズ“The Crown”でプリンセス・ダイアナを演じているエマ・コリンは、ミュウミュウのピエロ・ドレス。彼女のファッション・センスは冒険的で、いつもユニークです。
©Goldenglobes
もう一人、若手大注目株のジュリア・ガーナー。プラダのドレスが素晴らしい!の一言。細身の身体ならではの着こなしですよね。
©HFPA