<お悩みその3>
古い服を処分できない。新しい服を1枚買ったら1枚捨てるといいと頭ではわかっていても、部屋着なら着られるとか思ってしまう。どうすれば捨てられる?亡くなった母の着物の処分にも困ってます。(54歳・パート・アルバイト 愛知県)
<お答え>
読者のみなさんの中にもきっといるはず、昭和に買った服をまだ持っている方が。いま、令和でしょう?とすると、昭和はなんと2時代前。昭和時代に明治時代の服を着てたのと同じことになる! そのぐらい昔の時間を生きてるってことになっちゃうんです。
古い服を着ること、物を大切に長く使うことは良いことかもしれませんが、昔の服はリスクがあります。それは過去に引っ張られるということ。昔とは時代も気候も変わってるのに。しかも服を着る私たち本人も変わっていますよね? 貫禄がついてしまった顔や身体とか。時代も自分も変わっています。
それに、新しい時代に新しい服を着るチャンスを犠牲にしてまで、古い服をわざわざ着ることもないのでは。外に着て出ていきたくない服は部屋着にしてませんか? それも問題! 気分が乗らない服は家で着ていても良いことなんかありません。部屋着はユニクロにかわいいのがいっぱいありますよ。
日本人の寿命が長くなった今、これから何年生きるかはわかりませんし、来年再来年、自分や世間がどうなっているかもわかりません。服は「何年着られるか」じゃなくて「今」似合うものを選んでくださいね。
服っていうのは、その時代の空気をパッケージしてあるもの。なので「一生もの」じゃなくて「一瞬もの」なんです。
(かくいう私も、昔、ずっと着られると思って買ったカシミヤのコートがあるんだけど、それが着ると重くて! 今、冬はダウンしか着てません(苦笑)。こんな「未来がこない服」もありますので。)
お母さまの着物のこと。私も50歳のときに母を亡くして、着物がタンスにいっぱいありましたが、お直しするのは大変だしお金もかかるから、大島紬だけひとつ残してあとは処分しました。
着物も洋服も、古くなったらリサイクルに出すか売るか。誰かが着てくれたほうが、きっとお母さまも喜ぶはず。
とはいえ、スタイリストという仕事をしている私ではありますが、本当は「服なんて何を着たって暑さ寒さがしのげればいい」と思っている一面も。そういう考え方だってもちろんアリだと思います。
たとえ服が古くなっても、好きで、今の気持ちを上げてくれるなら使うべき。新しいのを買わなきゃいいってことです。それは男選びと一緒(笑)!
最後に一言
あなたは、あなたのこれからの人生で今が一番若いんです。今似合う服、今の時代の服を逃がさないで!
・・・・・・・・・・・
ババア上等!悩み相談」では、あなたのお悩みを募集中!
【お悩み投稿のルール】
①宛先: toko@shueisha.co.jp ←こちらまで!
②メールタイトル:【いく子さんの悩み相談】
※違うタイトルでお送りいただくと、受付できないことがありますのでご注意ください。
③必要事項:年齢・ペンネームのみ(本名は書かないでください)
④文字数の目安:200字程度
【注意事項】
以下の内容をお読みの上、ご了承いただいた上で投稿をお願いいたします。
・投稿いただいた内容は、OurAgeの企画および、集英社の雑誌・書籍等(web・SNSを含む)にて掲載、キュレーションメディア等に転載する場合があります。
・掲載する際には、ペンネームおよび内容を一部改編する場合があります。
・投稿の採用結果につきましては、お知らせいたしません。
・投稿内容等の確認のため、編集部よりご連絡する場合があります。
・投稿いただいた方のメールアドレス・ペンネームは本企画遂行の目的以外には使用いたしません。
投稿お待ちしています!
・・・・information・・・・
いく子さんワールド全開の著書、「おしゃれは7、8割でいい」(光文社)が好評発売中です!
「一生ものをもたなきゃ」「ワンランク上を目指さなきゃ」といった呪いをかけられてきた私たち。最近、おしゃれするのがなんだかしんどくないですか?
100%完璧じゃなくっていい。無理しすぎず疲れない、それこそが今の時代のスマートなやり方。人生とおしゃれが楽しく、楽になるヒントが詰まっています!
イラスト/松元まり子