<お悩みその17>
職場のちょっと年上の方の「私なんて…」の発言に辟易(へきえき)。若い子が楽しい話したり、褒められたりしたあと必ず「私なんか…」って始まるので話が終わっちゃう。年齢はしかたないけど、卑下するのはどうなのかなあ。切り返しはどうしましょう。ちなみに、美人さんです!(52歳・パート・宮城県)
<お答え>
この年上の方って、きっと私ぐらいの年だと思うんですよ。私も本当にそうですけど、はっきり言ってね、還暦ぐらいになると若い人がうらやましいですよ、呪い殺したいくらいです(笑)。
もうね、「鏡よ鏡」の、白雪姫のお母さんの気持ちですよ。鏡に「いちばん美しいのは白雪姫です」って毎朝言われちゃってるようなもんなんです、あなたの先輩は。かわいそうな白雪姫のお母さんだと思ってください。
ただ、卑下するのはちょっとね。もうその人はそういう性格だから、「私なんか」って言いだしたら、「そうなんですか? でも●●さん若いときは楽しかったんでしょう?」と、打たれた”卑下ボール”を顔面にボレーで返してください。バウンドさせない。本当は『若見えの呪い』(※編集部注:地曳さんの近著。好評発売中です!)を渡すのが一番の処方箋なんだけど(笑)、先輩にそれはできないですもんね。
私もね、若い頃は母に「いく子は何着ても似合っていいわよね」って言われましたけど、そりゃ若いから何着ても似合うんですよ。若い時にはわからないけれど。それがやっぱり、年を取るとそうはいかなくなる。そういうものなんです。
でもこの先輩はなまじ美人だったから、若い頃に得た栄光と今、その落差に耐えられないんだと思うの。美人ほど、老いていく自分に耐えられない。
人生、プラスマイナスゼロだと思うんですよ。彼女はたぶん若いときにいい思いをしてた分、今がよけいつらいんでしょう。昔はチヤホヤされてたのに、若い白雪姫たちがいっぱい出てきちゃったから、魔力が効かなくなった。知らないうちに自分が白雪姫から魔女になってしまった。もうこうなったら毒リンゴ食らわすしかない(笑)。
毎朝、鏡見て嘆いてるのよ。あ〜、こんなところにまた白髪が増えた…って。で、会社に行くと、とりたててかわいくもない子がきゃぴきゃぴしてる。あ~美人でもないくせに、若いってずるい、って思ってるんです。
彼女は彼女でつらいんですよ。美人はつらいよ、と思って、なま暖かく見守ってあげてくださいね。
イラスト/松元まり子
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