今年90歳になった父、85歳の母。
かな~りな高齢である2人は、この15年間ほど風邪をひいたことがありません。「ゾクゾクする」など風邪の初期症状はあっても、本格的にひくことなく治まる健康体を保っています。その理由は、ズバリ!特製の「ニンニクのハチミツ漬け」(…だと、わが家では信じられています)。
その姿がこちら↓
信州諏訪地方の私の実家は、もともと相当な”漬け物マニア“。食卓には年中、漬け物が複数並んでいました。
春には梅干しと梅酒を漬け、初夏から秋までは毎日ぬか漬けを食べ、秋になると野沢菜、冬には白菜を何樽も漬けて春まで延々と食べます。そのほかにも、しその実とミョウガの味噌漬け、白菜とキュウリの浅漬け、べったら漬けにたくわん、瓜の鉄砲漬け、らっきょう漬け etc……と、よくもまあと今となってはあきれるほど、父と母が一緒になってたくさんの漬け物を作っては、仕上がりに一喜一憂しつつ楽しんでいました。
その中では「ニンニクのハチミツ漬け」は後発のアイテム。わが家でこれを作り始めたのはおよそ20年ほど前。父が地元の観光地、霧ヶ峰のお土産売り場で目にしたものを自家製でつくってみたのが始まりだったそうです。
今回、初めて父にそのレシピを教わったのでご紹介! …といっても作り方はいたってシンプルです。以下は”大量につくって毎日食べる”を旨とするわが家流の分量ですので、作りやすい少量でぜひお試しを。
①50個入り(!)のニンニク一袋を購入。外側の皮をむいて、ひとかけずつにバラバラにします。ちなみにニンニクの旬は(今まで知らなかったけど)5月から7月頃だそうですが、父はあまり気にせず、安く売っているときに大量買いしていたようです(笑)。
②大きめの皿に平らに並べ、電子レンジで10~15秒ほど加熱。あまり加熱しすぎず、手で触れるぐらいの熱さまでで留めるのがコツ。こうすることで、ひとかけごとの薄皮がむきやすくなります。
③根元の硬い部分と尖った先端を包丁でカットし、竹串で薄皮を取り除き、ひとかけを半分(大きいものは3分の1)に切ります。
④熱湯で煮沸消毒したあと完全に乾燥させたガラス容器にニンニクを入れ、アカシアのハチミツを注ぎます(父の持論では、アカシアの質のいいハチミツは、信州の冬の厳寒期にも固まらないのでおすすめだそう)。ハチミツの分量はニンニクがすっかり隠れるくらい。空気に触れる部分があるとニンニクが腐敗してしまうので要注意!
⑤漬けてから丸3年間、冷暗所で保管し、4年目から食べられます。
過去20年間、毎年毎年この「ニンニクのハチミツ漬け」は作り続けられ、わが家の床下収納庫にずらりと並んでいます。こちら↓の瓶に小分けしたものは、漬けて6年ほどたったもの。
漬けて1,2年はまだニンニクの肌の白さが残っていて辛さも相当ですが、4年目になるとご覧のようにニンニクが真っ黒に染まり、辛さも、口に入れたときの臭みもまったくなくなります。ハチミツの甘みは特段なく、凝縮された濃厚なニンニクのうま味だけが残るという感じ。最初は黄金色だったハチミツも、なぜか年々色が濃くなり、最終的にはこんな真っ黒な液体に!
ちなみにハチミツ液のほうは、ニンニクに風味を奪われるためかまったくおいしくないので、口にしないのがおすすめです。
わが家ではこれを毎晩、食事の前菜として3粒ずつ食べるのが習わし。いまも月に一回帰省すると「ホレ」と父が小皿に3粒出してくれ、それを食べると、不思議に風邪気味だったのが治ったり、花粉症の症状が治まったり。なにより私自身、月に一度、2晩ほどコレを食べているだけで、この10年ほどは風邪知らずです。なんだかんだはありながらも両親が長寿でいられるのも、コレのおかげかも?
とにかくわが家では、「これさえ食べていればダイジョウブ!!」とあがめられている(笑)万能食なのです。