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認知症は予防する時代?!アルツハイマー予備軍かを発見できる「健脳ドック」に行ってみた!

くみくみ

くみくみ

美味しい食と酒を求めて、世界中どこでも旅するのが趣味。リゾート、ホテル、島、温泉、スパ、ウエルネスプログラムも大好き。OurAgeにて「エナジーチャージ美とりっぷ」をたまーに連載中。40代以上の頼れる女性医師100名を集めた素敵ドクターズは今後も増えるかも?

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最近、物忘れが多くなってきた! 人の名前とかド忘れがあると、もしやこれって認知症の始まりだったら?! なんて思ったりすることも。そんな折、「認知症専門医のMRIを受けたら、自分の脳の状態がわかった!」という話を聞き、そういえば2023年末に軽度認知症の画期的な薬も登場したし、これは診断に行ってみようと思い立ちました!

アルツハイマー病を早期発見できる検査って?

「こないだ、認知症の専門クリニックに行ってMRIを撮ってもらったら、『お酒を飲んでる人の脳ですね、前頭葉に委縮があります』と言われたんですよー! やっぱりね、とは思ったんですけど」

お仕事の打合せをしていたら、そんな刺激的な話が飛び出してきました。

 

「え? 脳のMRIなら人間ドックで撮ってるけど」

「いやー、人間ドックのとか、いわゆる一般的な脳ドックのとかとは、解析の方法が全く違って細かいんです。認知症の専門医が詳しく見てくれて、酒をがっつり飲んでいると前頭葉が委縮するので、それが画像ではっきり見られるのです」

 

なに~! お酒。飲んでますとも、1食でワイン1本くらいは普通に。

ド忘れも出てきたし、こないだも会議日時間違えて大ショック! 申し訳ないことをしでかしたので、これは行ってみよう~と調べてみました。

 

今、日本の脳ドックはMRI検査が中心で、脳動脈瘤とか、血管性認知症の発見には有効だけれど、認知症の6割以上を占めるアルツハイマー病の早期発見には十分な検出能力はないとのこと。

む、脳ドックではアルツハイマー病の発症の元となる、25年近くかけてゆっくり溜まっていくアミロイドβがどれくらい沈着してるか、わからないとは~!!

 

このアミロイドβというタンパク質、神経細胞を破壊して脳の萎縮を進め、症状を引き起こしていくわけですが、認知症の初期のMCIの段階で発見されたら、最近は対症療法ではなく、アミロイドβを取り除く作用がある薬、レカネマブを処方すれば、進行を遅くできるようになったのです。

この認知症治療史上、最大に画期的な薬は、日本で2023年12月に保険適用になっています。

何かあっても早く治療出来たら、かなり進行がくい止められるということ。認知症は早期発見がいちばん! 病気の発見はすべてそうではありますが。

 

で、このアミロイドβが測定できる検査機関があるということで、行ってみることにしました。

 

東京駅の真横にあるアルツクリニック東京では、健脳ドックという認知症専門医による詳しいMRI,MRA及び、血液生化学検査、認知機能チェック、そしてアミロイドのPET検査ができるのです。

アミロイドPET検査は、去年まで60万円と高額だったけれど、今年から24万円にまで下がったそう。1度だけ保険適用になるので、2.5~7万円くらいで受けられるようになったとのこと。

それでも高いですよね。なので、まずは詳細なMRIを先に受けることに。これは4000~13000円程度です。

 

まず最初に血液検査で採血してから、11の質問に答えます。

MMSEという物忘れ等の検査で、日常の中での記憶のレベルを診ます。

私は曜日を間違えたので満点にはならず。あとは、前に言われた言葉の復唱、簡単計算、図形問題など。

その後、MRIの検査です。

先生と話していたら、自分の脳が今どんな状態なのか知りたくなり、高額なので迷ったけれど、やっぱりPETも受けてみようと、清水の舞台から飛び降りる気持ちで決意して笑、後日を予約、行ってきました。

 

 

結果を聞きに、アポイントを取って、アルツクリニック東京の新井平伊先生のもとへ。

 

MRIで見つかった白い影は何?

最初にMRIのデータで、張り巡らされた血管を、画像を回転させながら360°チェックしていきます。

上下左右斜めくるくる回転をさせて、いろんな角度から見るので、動脈瘤などもあれば発見できます。動脈硬化の状態もチェック。

 

「血管は丈夫ですねー」

 

人間ドックのMRIとはくらべものにならないくらい、きれいで鮮明。

次に画像。

「あー、お酒飲んでますねえ。前頭葉がうっすら白くなっていて、わずかにですが萎縮が見られます」

お酒を飲んでる人は。前頭葉に少し萎縮が見られるのだそう。

画像を8枚くらい見せつつ、他も「海馬は大丈夫、側頭葉も大丈夫」と順に診ていきます。

 

「頭頂葉にわずかに黒い部分がありますね。普通はスルーされる程度のものです。でも、これがアルツハイマーで注意するポイントなんです。アルツの前々前段階なのか、お酒、寝不足、運動不足、老化、ストレスなどによるものなのか。MRIだとアルツハイマーの後半になってやっとはっきりそうだとわかるんですね。

この段階でそれがわかるのが、PETです。先の前頭葉の白い萎縮がお酒なのか、アミロイドなのか、これもPETで見ると解明できるんです。まさにMRIだけではわからない、PETを撮ってよかった典型パターンですね!」

 

なんとー! では、PETの結果はいかに?! ドキドキ。。。

 

PETでわかる、お酒飲みの脳!

 

これがPETの機器。MRIとどう違うか、ぱっと見わからないけれど、でも検査前に検査薬を注射するので、ちょっと緊張。

 

「アミロイドβの量は、全く問題ないですね。今の段階では、正常範囲の蓄積です。よかったですね」

数値的には、1以下は問題なし。1.15がボーダーの値とのこと。

 

ほっ。しかしでは、この物忘れは老化か。うーむ。 これはこれで対策を教わらないと…。

 

 

「PETでは、いろんなことがわかります。例えばこれ。右2枚はアルツハイマー陽性の方の脳です。この周囲からの切れ込みが鮮明でないことからわかるのです」

「真ん中の蝶のような形、これは脳室、脳脊髄液の流れているところです。

これは、大きく膨れてくるとよくない。MRIの方がこれはよくわかるけど、水頭症の疑いになります」

「それよりこれ、小脳をみてください」

 

な、何でしょう~~~??

「お酒飲んでますねえ~」

え?

「画像下側の逆ハートみたいなのが小脳なんですが、右があなたのです。富士山に雪が積もったみたいになっているでしょう。これ、お酒のせいなんです。

左の人には、白い部分が全然ない。肝機能が強いから飲めるので飲んでしまうのでしょう、富士山に雪がバリバリ積もっていますよ。見事です! これは飲んだ量に確実に比例するんです」

 

かなーり立派に積もっているらしい。あらー、なんとバレバレ…。

 

「積もっているからといって、症状が出るわけじゃないんです。でも脳の萎縮はしていくことが予想できますね。今わかって、ちょうどよかったじゃないですか。休肝日作ったほうがいいですね。

高コレステロール、高脂血症、高血圧などに気をつけて、WHOが出している「健康長寿のための12か条」を実践する意識が大切です」

 

この12か条、特に身体の健康に関わるのは、以下の3か条。

  1. 食生活:いろいろ食べて、やせと栄養不足を防ごう!
  2. お口の健康:口の健康を守り、かむ力を維持しよう!
  3. 体力・身体活動:筋力+歩行力で、生活体力をキープしよう!

 

「お酒に関していえば、いちばんよくないのは、弱い人がつきあいで無理に飲んで、肝臓に負担かけることです。

ともあれ、強くても、やはりめりはりをつけて、やばいと思ったら調整することですね」

 

 

血液検査は、いつものごとく、コレステロールは高め。でも善玉コレステロールが高いので大丈夫。認知症にかかわる、ビタミンB12  葉酸は正常なのでよし、とのこと。

 

にしても、脳の萎縮、特に前頭葉の萎縮を食い止めないとですよね?

最近、脳トレの本とか、いろいろ出てますけど、どういうことをしたらいいんでしょうか?

 

「前頭葉を刺激するには、やりがい、意欲がポイントなんです。

脳の活性化についていえば、ドリルは例えば、数式ドリルだとすると、脳の同じところだけ使うわけです。注意力は養えるけれど、でもそれほど楽しくないし、認知症の予防にはならないんです。

それよりは麻雀やトランプだと、相手がいて常にいろんな戦略を考えるからいいんですよ。

ま、あなたの場合はお酒の影響がいちばん。物忘れとか気づいたら、ちょっと注意すべし、ですね」

は、はい~~!

 

ちなみに、2023年末に保険適用になったと先に書いた、アミロイドβを取り除く作用がある薬レカネマブは、半年でアミロイドβをかなり減らせるそう。

 

「1年半で多くの人が-60%減ったという平均データがあるんです」

 

神経細胞が死んでいくと、委縮が加速していってしまうので、

「火事が広がらないうちに火元を消そう」

という意味では、気になる人は一度検査をしてみるのもいいかもしれませんね。

 

PET写真協力/アルツクリニック東京

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