午前3時20分起床。
人生でこの時間に起きたのは何度目?という早さ。
さて、なんのために起きたかというと…。
曹洞宗大本山 永平寺にて「朝のおつとめ」に行ってきました。
ことの始まりは、昨年秋、高校の同級生との女子会。
「還暦だし記念に旅行でもしたいよねー」「どこに行ってみたい?」などという話になり。
カニ、食べに行く?行こう!ということで、越前ガニ、福井県に決定。
(東尋坊にて、食べたカニはこちら♡ ほんの一部です)
福井なら、永平寺も行きたいねぇ。宿坊に泊まって、坐禅を組んじゃう?修行しちゃう?
ノリのいい昭和JKリターンズ(笑)
結局、いろいろと考慮のすえ、永平寺へ修行体験に連れて行ってくれる近隣のホテルに宿泊いたしました。
さて、話はもどって、朝4時にホテルのロビー集合。
玄関の階段も見えないくらいの暗い中、永平寺に向かいます。気温は、多分5度くらい。
夜空には星がキラキラ。星のひとつひとつがデカい。オリオン座にも手が届きそう。
シーンとした参道を「おつとめ」に参加する皆さまと共に静かに歩きます。
私たちが体験させてもらうのは、朝のおつとめ=朝課(ちょうか)。曹洞宗では、読経し供養すること、を指します。
毎日一年365日、修行僧が集い、一心にお唱えする荘厳な雰囲気を肌で感じることができる貴重な体験。一緒にお経も唱えることもできます。
ちなみに、曹洞宗大本山永平寺とは。
1244年(寛元2年)に道元禅師によって開かれた、座禅修行の道場。今も、何十人という修行僧が修行をしている場です。
永平寺に到着。入る時は、靴を脱ぎます。足の裏がひんやり。
この日の私のいでたちは、ヒートテックを仕込んで上半身はぬくぬくしていましたが、足の裏は、ぬかりました・・・・・。もちろんスリッパを貸していただくのですが、スリッパを通して伝わる冷たさ。足の裏が冷えていきます。
修行僧の皆さまは、ほとんど毎日、裸足にサンダルのような室内ばきで過ごされていて、お風呂に入らないと足の感覚が戻らないほど冷える日もあるそう。ひえー。
まず、4時半くらいから、担当の修行僧の方からの法話。
ここでの生活では、日常の中で、食べ方、お風呂の入り方、履物の脱ぎ方、寝方などなど、何から何まで決まりごとがあるが、それには意味がある。
行いを整えれば心が整う。心が整えば行いが整うという教えなのだ、というお話を聞きました。ふむふむ。わかる気がします。
5時になりました。外は、空が濃紺から紺になったくらい。
いよいよ「おつとめ」です。
永平寺の中で一番奥にある「法堂(はっとう)」という建物に向かいます。寺院では建物のことを伽藍(がらん)と言います。
山に囲まれた場所にあるため、寺の一番奥にある伽藍、法堂はおのずと高台。なので、法話を聞いた部屋からの移動は、ずっと上り階段。
さらに、案内してくださる修行僧の方の足の速いこと! 体感としては1階から4階まで小走りで一気に上がったような感じです。
心拍数がかなり上がって少し興奮気味になっていたのですが、法堂に入ったとたん、空気がピりっとして気持ちが引き締まり背筋が伸びました。不思議ですね~。
中央に聖観世音菩薩さま。地蔵菩薩と同じくらい、私たちにはなじみのある菩薩さまですね。
建物の中では、約50人くらいの僧侶と修行僧の方たちの読経の声が響き、私たちも一緒に、漢字の読み仮名を(頑張って)読みながらお経を唱えます。
一緒に読経したのは30分くらい。あとは、貴重な法要儀式も見せていただきました。
夜が明けた6時半くらいに終了。
頭はものすごくすっきりとしたのですが、足の裏は氷のよう(笑) もし、体験される方がいたら靴下3枚履きくらいがおすすめです。
朝の清らかな空気を吸いながら、ホテルへ帰還。すっきりしたな~。
ふと、AppleWatchの心拍数の記録を見たら、朝のおつとめの最中は、なんと心拍数が60台に。普段70台の私としては、なかなかです。気持ちだけでなく体もちゃんと反応していました。
ちなみに、この前日に座禅体験もしたのですが、その時の心拍数はなんと50台。座禅ってすごいですね。
体と心はつながっている、と20代のころからずっと思っている私ですが、こんなにわかりやすく!!と感動。
思えば、読経についていくのに必死で読み仮名をひたすら追っている時間。座禅で障子の桟を見ながら呼吸だけに集中する時間。ひとつのことだけをしている時間がどれだけ貴重でリラックスするか。改めて体感しました。
マルチタスクを良しとしているだけではダメですね。とほほ。朝のおつとめも座禅も興味があれば、ぜひ。
これは、記念にいただけるお経の本です。
さて、永平寺は道場。生活の場でもあるので写真撮影は控えたのですが、屋根の裏側に立派な龍がいたので、年末に近づいた今、一枚だけ。
※今回の情報は2024年11月のものです。やってみたいと思った方はHPやお電話などでお問い合わせくださいね。