たまったポイントで、新幹線の往復チケットがもらえる!
ポイントでJR東日本管内の新幹線往復チケットがもらえる「どこかにビューーン!」をご存じですか? こちらはSuicaで電車に乗ったり、駅ビルやエキナカで買い物したりすると貯まるJREポイントを使ったサービス。
初めて利用したのは昨年の梅雨前。その時に当たった、山形の「かみのやま温泉駅」を起点にした旅が予想以上に楽しかった! すっかり味をしめ、JREバンクに口座を開設もしてJREポイントのポイ活に励んでいます(笑)。今回は2度目の利用で温泉に行ってきました。
(スクショ画面の使用許可をいただいています)
申し込みは簡単。「どこかにビューーン!」のサイトで行きたい日にちと希望時間帯を入れ、検索するとランダムに4つの新幹線の駅が出ます。何度でも候補を検索しなおせるので、この4つならどこに行ってもいいなぁという駅が出たら申し込みます。そうすると申し込み終了から3日以内に行き先決定メールが来て、行き先、自分たちが乗る電車と座席がわかるという仕組み。
今回はあまり遠くないほうがいいねぇと「飯山」「郡山」「仙台」「赤湯」(画像がこの組み合わせでなくてごめんなさい。あらためて検索してスクショしたところ、なかなか同じ組み合わせが出てきませんでした……)の4つが出たところで申し込み。「メジャーな仙台が出そうじゃない?だったらどこの温泉がいいかなぁ」なんて話していたら、翌日もっとも想像していなかった「郡山」に決定のメールが!
このランダム感と知らない場所を旅するワクワクが楽しい!
申し訳ないことに最初は「郡山」にあまり観光のイメージがありませんでした。あわてて近隣の温泉を調べたら、磐梯山周辺も会津も電車を乗り継げばそう遠くないことが判明。せっかくだし、郡山から磐越西線快速で15分の「磐梯熱海」と1時間ちょっとの「会津若松」の温泉に1泊ずつしようと決めて、宿を探しました。
この、ランダムに決められた場所に1週間後に行く、しかも車ではなく公共交通機関で、という制約のある旅のプランニングが想像以上にワクワク、楽しいんです。前回のチケットのサブスク記事でも言ってた気がしますが「セレンディピティ(偶然の出会い)」的な。お正月休み中に宿の予約も無事完了!
そして当日。上野駅から東北新幹線のやまびこに乗車して1時間強……
あっという間に郡山だ!と思ったら下車直前の車内アナウンスで衝撃の事実が判明することに。
大雪の影響で磐越西線は磐梯熱海から会津若松間で終日運休ですと??? 私たちの1泊めは会津若松駅からバスで行く「会津東山温泉」……これはもしやたどりつけない???
プチパニックに陥った私の横で夫が冷静に検索。結局、会津若松には高速バスで行けることがわかりました。ロータリーには同志たちの長蛇の列ができるも、なんとこの写真の状態から3台めのバスに1時間強の待ち時間で乗れることに。雪国に慣れてなくて動揺しましたが、バスの輸送力と機動力に感謝ですね(泣)
大雪よ、ありがとうの絶景@会津東山温泉「向瀧」
なんだかんだ会津若松駅でのバス乗り継ぎにも恵まれ、無事1日目の宿「向瀧(むかいたき)」に到着。
普段の旅はめいっぱい予定を詰め込んでしまうタイプなのですが、「温泉でゆっくり」以外の欲が抑えられているのは、目的地があって計画した旅ではないおかげ。めずらしく宿にいちばん乗りの早いチェックイン。
こちらの宿は、たくさんの映像作品のロケ地になっているということで、私たちはお正月休み中に高橋一生さんの主演映画『岸部露伴 ルーヴルへ行く』で予習済(笑)。あ、なにわ男子の長尾謙杜さんの座ってた廊下だ、木村文乃さんがいた窓だ、とミーハー気分も全開に。
会津藩指定保養所だった由緒ある自家源泉と国の登録有形文化財第1号の木造建築を守る老舗温泉旅館「向瀧」。24ある客室は多くの皇族も泊まられた「はなれの間」をはじめ、それぞれ間取りや細工が違うそうで、同じはなれにある大広間へ見学に。木を組んで格子にした「格天井(ごうてんじょう)」には貴重な会津産の桐の柾目一枚板が使われていて、今ではもう再現が不可能だそう。檜舞台や昭和レトロなシャンデリアも素敵。
そして予約時にはまだ雪が少なく実施できるかどうかわからないと言われていた向瀧さんの冬の風物詩「雪見ろうそく」も、この大雪のおかげで見られました!
日没前から庭のろうそくにひとつずつ点灯していくスタッフのみなさんに感謝しつつ、部屋で湯上りぽかぽかで地ビールを飲みながらこの景色を堪能。ろうそくを覆う竹筒から漏れる光がなんとも幻想的。実はこの日は28年目の結婚記念日。都内でディナーするよりやっぱり温泉だよねぇ、と夫婦で癒しのひと時を過ごしました。
夕食は部屋のこたつ!で地のもの尽くし。会津武家料理の鯉の甘煮、にしんの山椒漬け、こづゆ、三五八漬けなどでお酒が進む進む。「新酒」「熟成」「大古酒」と熟成度合いでオリジナルの日本酒を味わう飲み比べセットも楽しくて、本格的に日本酒開眼の予感です。
ちなみに温泉は源泉かけながし100%。会津藩士たちに愛されてきた浴槽温度44度~45度の「きつね湯」と42度でゆっくりくつろげる「さるの湯」。自由に入れる家族風呂3つと大充実。実は全部入りました(笑)レトロなレリーフが施された天井を眺めながら入る上質な温泉最高……季節を変えて再訪を誓いました。違うお部屋も見てみたい。
ゆるゆる観光も楽しい。お城と酒造で会津の歴史をにわか勉強。
目的ありきの旅ではないので、やたら心にゆとりがある中日。チェックアウト後は雪景色のお城もいいねぇとのんきに鶴ヶ城へ出かけました。
日本史に弱すぎて、白虎隊とか戊辰戦争というワードは知っていたものの、ここが1か月の籠城の舞台だと知らなかった私。籠城でボロボロになった天守閣が壊された後、1965年に地元の方々の力で再建されたそうで、天守閣の内部にはとても詳しい展示が。すっかり見入ってしまい、「さぁ帰ったら『八重の桜』をオンデマンドするぞ」な気分に。雪吊りとお城の景色も見たのは初めてだったかも。
お城見学の後は、目を付けていた会津の地酒、末廣酒造の試飲と見学へ。山廃仕込みとは山卸作業を廃止した仕込み方法なんだ、と初めて知る。見学した嘉永蔵も向瀧と同じく国の登録有形文化財。あまりの寒さに、厳寒期に山卸=蒸し米と麹を裸足で踏んですりつぶす作業をしなくてよい方法が開発されてよかったねえ…となりました。いろいろ知識が浅いにわかですが、日本酒楽しいなぁ。もっと知りたい。
そんなわけで、お目当ての大吟醸と純米吟醸を買うときに、売店で発見したこちらは「御朱印帳」ならぬ「御酒印帳」(笑)
全国の参加酒造で、お酒のラベルをいただいて貼り、横にはお酒を飲んだ感想など自由に記入できるページが。公式サイトで地域別に参加酒造が検索可能で、次の「どこかにビューーン!」旅の目的のひとつになりそうです、御酒印集め!
2泊めは「磐梯熱海温泉」。ホテルで共同浴場で温泉三昧
2日めの宿は、磐梯熱海温泉の「四季彩 一力」へ。磐越西線の一部運休でバスと電車を乗り継いでいたら到着はとっぷり日が暮れた後。翌朝、お庭の雪景色を愛でました。夜2回、朝1回、ゆっくり温泉を堪能してチェックアウト。
チェックアウト後は、磐梯熱海駅徒歩1分の共同湯へ直行。さっき朝風呂したばかりだけど何か?こちらはなんと2018年に開業100周年の節目を迎えた、地元の方々に愛される湯治場。中へ入ると地元のお姉さま方が楽しそうにおしゃべりされていて、親切に温泉への入り方を教えてくださいました。
というのも、ここの温泉のメインの浴槽はなんと30度しかない「ぬる湯」。そのまま入ると寒い季節は凍えます。まずは横の小さい「あつ湯(43度~45度)」に入って温めて、その後「ぬる湯」へ。一度体を温めた後でもまだ十分冷たいぬる湯に逡巡していると、「あつ湯」寄りの角は細いパイプが「あつ湯」とつながっていて「あったかいお湯が出てるからおすすめよー」とアドバイスが。2往復もすると、身体が芯から温まり、冷たい源泉がじゃぶじゃぶ注がれているところにも、むしろ好んでいけるようになりました。これ、永遠に入ってられる……「ぬる湯」のない温泉はもう物足りない身体になってしまったかもしれません。近所に欲しいです、共同温泉。
最後は郡山で福島のおいしいものめぐり
1時間に1本にしかない磐越西線に合わせて共同浴場を後にし、お昼には郡山へ。冬の電車旅は何が起こるかわからないのですもんね。旅の初日に得た教訓。
大好きな浅煎りコーヒーに飢えていたので、駅から歩いて20分のおしゃれコーヒーショップへ行ったり、地元の神社(朝ドラ『まんぷく』のモデルの方の所縁の場所でした)に参拝したり、地元の和菓子屋さんをのぞいたり、地元グルメの「郡山ブラックラーメン」を食べたりとゆるゆる観光。お土産を買いこんでも17時過ぎの新幹線まで時間が余ったので、15時前から飲み始めました(笑)
駅ビル2階「食と地酒 もりっしゅ」で、私は利き酒セット。夫は地ビール飲み比べセット。日本酒以外にもありとあらゆる福島のお酒がそろっていて、気になっていた地元ワイナリーのワインもいろいろ飲めました。おつまみもポーションが小さい地元グルメが豊富に揃い、酒飲み天国。気になったお酒とおつまみは1階にある系列のお土産店でほぼ買えるという至れり尽くせりっぷり。新幹線の改札はすぐ近くだし安心して新幹線の時間まで飲めました。いい締めだ。
気が付けば相当買い込んでいた福島のおいしいもの
あとは新幹線に乗るだけ、の気軽さと駅ビル内にあったD&DEPARTMENT FUKUSHIMAの品ぞろえがよすぎて気が付けば、こんなにいろいろ買いこんでました。
浅煎りコーヒー豆。こづゆに入っていた小さいお麩に地元メーカーのお醤油。完全にパケ買いのおせんべい、地元の電子部品加工メーカーが立ち上げたお菓子部門のスイーツ、ドライフルーツ、町の和菓子屋さんの素朴な洋菓子、大好き豆菓子や酒のつまみ系……帰っても楽しみが続きます。
そして日本酒もこんなに……
酒蔵見学した末廣酒造で買った2本、玄宰の大吟醸と季節限定の純米吟醸しぼりたて。次、郡山に来るならここはマストね、と思っている自然派酒造「仁井田本家」の純米吟醸、haccobaLAB×D&DEPARTMENT FUKUSHIMAコラボのクラフト酒はD&DEPARTMENT FUKUSHIMAで。おいしいお酒をゲットすると、それに合うもの=福島で食べた郷土料理やおつまみを再現したいなぁと料理モチベが上がるのも旅の醍醐味。
1度目の山形旅ではワイン、2度目の福島旅では日本酒。出合ったお酒がどれもおいしくて、これからもチェック必須!と、気分はそれぞれの町の「関係人口」。すでに、夫とは「次いつ『どこかにビューーン!』する?」と路線図とスケジュール帳を眺めています。お正月明けのこの時期は宿も取りやすい時期だと思うので、お得なポイ活旅おすすめです!
●詳しい情報はこちらから