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創作意欲の原点は“一条流”カスタマイズ/奇跡の70歳!一条ゆかり③

「青春は飴のようにのびる!!」を実現し続ける、奇跡の70歳

 

10年前に住み慣れた吉祥寺を離れ、杉並区に引っ越しをした一条ゆかりさん。漫画家として第一線を退いたのちも、その創作意欲は衰えるところを知らず。これまで、家庭菜園や韓国語の勉強、ハイテクライフについてお話をお伺いしてきました。今回は、あらゆるものを自分流にカスタマイズしてしまう一条ゆかりさんの創作意欲の原点に迫ります。

(19年12月取材)

 

Yukari Ichijo
一条ゆかりさん

1949年、岡山県生まれ。高校1年生のとき、「雨の子ノンちゃん」で単行本デビュー。’67年、第1回りぼん新人漫画賞に「雪のセレナーデ」が準入選し、「りぼん」にデビュー。以降、コメディからシリアスな恋愛ものまで、次々と大ヒットを生み出し、長きにわたり少女マンガ界に君臨。’86年、『有閑倶楽部』で第10回講談社漫画賞少女部門受賞。2007年、『プライド』で第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。

OurAge連載のコラム、「今週を乗り切る一言」も、大好評。

 

 

 

趣味はカスタム&デコレーション。
目に入るものすべてを自分好みに

帽子好きな一条さん。玄関にはフックが取りつけられ、帽子コレクションがオブジェのように飾られていました。

 

 

楽しい老後を過ごすための"終(つい)のすみか"を考えたとき、一条さんが大事にしたのは、「駅のそば、友達のそば、病院のそば」という条件でした。

 

「私は一歩も外に出ないで一週間は平気で過ごせるという究極の面倒くさがり(笑)。そんな自分がストレスなく外に出歩くようにするには、この3つが欠かせないと思いました。吉祥寺に住んでいたときは駅から遠かったから出不精になりがちだったし、すぐタクシーに乗っちゃうから歩かなくなってしまって。でも、今は駅から5分程度なので気軽に出かけられるようになりました。気がつくと一日7000歩の目標をクリアしています」

 

そんな一条さんの自宅を訪れて印象的だったのは、あらゆるものが"一条流"にカスタマイズされていたこと。ヨーロピアンテイストの内装はもちろん、ダマールの生地を縫い込んで作ったブランケットから、バカラのグラスが入っていた箱で作ったティッシュボックスに至るまで、みごとに徹底しています。

 

真っ白なお皿は、マニキュアでキュートにデコレート。

 

普段お茶を飲むときも、茶器に合う布を敷いていただくのが一条流。「敷物は、きれいな布を見つけて自分で作ります」。

 

お茶を入れるときの鉄瓶は、持ち手が熱くないように布で巻き、ふたもフックをつけて便利に。

 

 

「目に入るものすべて、自分の好みにしたいの。また手先が器用だから、そういうことが得意なのよ(笑)」と言うとおり、無機質なスマホやタブレットもシールなどでデコレーション。その手仕事はさすがのクオリティ。細やかな創作活動は、脳にもいい刺激になっているはず。

 

トイレの壁はおしゃれなカード類で飾りつけ。「洗面台のタイルは、ランダムなグラデーションを作るために自分で一枚ずつ並べました」

 

 

「カスタマイズは、お店で買ったものを私だけのものにする儀式のようなもの。名前を書くのと同じです。子どもの頃、家が貧乏なうえに6人兄妹だったので、買ってきたものには『私の!』とマーキングする必要があったのよ。きっとその名残ね」と笑いますが、細部へのこだわりはまさに職人技。ついには美容クリームまでカスタマイズしたとか!?

 

「ニベアのクリームと馬油をミックスして練って自分好みの濃度にしたもので、DaiGoのYouTubeに影響されて作りました(笑)。保湿力もあるし、高い化粧品でなくても私はこれで十分」

唇が乾きやすいため、リップクリームが携帯できるホルダーを手作り。また、リップと口紅を混ぜて自分好みに作り変えるなど、美容製品も自在に改良。

 

次回もまた、一条ゆかりさんの老けないヒミツに迫ります。

 

 

みんながハマった一条ゆかり作品②

 

砂の城

裕福な家庭に生まれたナタリーは、皮肉な運命で愛する人を奪われ彼の子どもと暮らすことに。悲劇が胸に迫る感動のドラマ

 

 

 

撮影/山田英博 取材・原文/佐藤裕美

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