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映画『罪の声』で見せた梶芽衣子さんの存在感(インタビュー/前編)

このところ、ドラマや映画で母親役を演じ、活躍が続く梶芽衣子さん。

若い頃から凛として芯のあるアウトローの女、凄みのあるヒロインがお似合いで、その人気はタランティーノ監督も激賞のグローバルレベル。

話題の映画『罪の声』で演じる母親役は、昭和という時代を背負い、自らの宿命を負った、まさにハマり役だ。

 

撮影/萩庭桂太 取材・文/岡本麻佑

梶芽衣子さん
Profile

かじ・めいこ●1947年3月24日、東京都生まれ。モデルとしてスカウトされた後、1965年に日活映画『青い果実』で主演デビュー。日活『野良猫ロック』シリーズ、東映『女囚さそり』シリーズ、東宝『修羅雪姫』シリーズ、松竹『わるいやつら』、ATG『曾根崎心中』ほか多数の映画に出演。ドラマ『鬼平犯科帳』(1989~2016)では、密偵のおまさ役を28年間つとめる。歌手としても活躍し、『恨み節』は120万枚のセールスを記録。1973年日本有線大賞優秀賞を受賞。映画『罪の声』に続き、2021年には劇場版『きのう何食べた?』の公開も決定している。

 

 

話題の映画で昭和の女を熱演。

「星野さんも小栗さんも素敵でした」

 

やっぱり梶芽衣子さんはカッコいい。10月30日に公開される話題の映画『罪の声』では、出演場面はさほど多くはないけれど、その存在感はハンパない。

 

「役のオファーをいただくときに、まず台本を読んでくださいと言われたんです。面白くて、あっという間に読み終わったんですけど、なにも聞く前から、ああ、私が演じるのはこのお母さん役だな、とわかりました」

 

時代は昭和。食品会社を標的に、誘拐、毒物混入などさまざまな手段を駆使した脅迫事件が起こる。その身代金の受け渡しに犯人側が使用したのが、3 人の子どもの声だった。

事件は未解決のまま時効を迎えたが、35年後、新聞記者の阿久津英士(小栗旬)が事件の真相を追い始める。ほぼ同時期、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は父の遺品の中に古いカセットテープを発見。そこに録音されていたのは、幼い頃の自分の声だった・・・。

 

「星野源さん、小栗旬さんのおふたりが、背景となる昭和という時代をよく理解して演じてらっしゃって、とても良かったですね。このふたりをキャスティングしたのは大成功だと思います。

私は小栗さんとは同じ場面がなくて、一緒にお芝居していないので、それがちょっと残念です(笑)。

事件が起こったのは昭和50~60年という設定ですけど、この頃のことはよく覚えています。少し前には学生運動があったり新宿や渋谷でデモがあったり。日本が一番成長して、変化も大きかった時代。

懐かしかったですね。日本にもこういう時代があったんだということを、昭和をよく知っている世代にも、まったく知らない世代にも、見て、知って欲しい作品だと思います」

最近はあの人気ドラマ『きのう何食べた?』を始め、主人公の母親役など、脇に回って作品を支えるシブい演技が評価を集めているけれど、長いキャリアを見渡してみれば、『女囚さそり』シリーズ、『修羅雪姫』シリーズなど、凄みのあるシャープなヒロインを数多く演じてきた。その揺るがぬ芯の強さ、心に秘める熱情は、本作の役を演じる上にも生きている。

 

それらの作品を通して梶芽衣子の名前は以前から世界中の映画ファンに知れ渡っていて、あのクエンティン・タランティーノ監督は梶さんの大ファン。映画『キル・ビル』では梶さんが歌った『恨み節』を使用し、オマージュとして捧げたほど。

 

さらに梶さんが最近始めたYouTubeでの情報発信も、海外での人気に拍車をかけている。

 

「コロナ禍の自粛で時間ができたので、友人に勧められてYouTubeを始めたんですけど、英語表記も添えたせいか、海外のファンがとても喜んでくれています。おかげで今回この映画に出演したことも、すでに話題になっているらしいの(笑)」

 

デビューから50余年。今も撮影のときは、リハーサルの段階から出力100%で臨むという。

「どんなに若い共演者よりも元気ですね!」と驚かれているとか。

 

「現場から現場の移動は誰よりもスタスタ歩くし、姿勢も良いって (笑)。役者に年齢はないってよく言われますけど、俳優は自分の年齢、認めたくないところがあるんですね。だから私より先輩の皆さんも、お元気で頑張っているじゃないですか。

でもね、私、若作りするつもりはないんです。ただただ、元気でいたいわね。共演する20代30代の俳優さんたちと一緒に、現場ではふつうにちゃんと、仕事をしたいだけなの」

 

元気でいるために、梶さんはいったい何をしているのか? 美と健康の秘訣は、インタビュー後編をお楽しみに!

 

(誰よりも元気な梶さんの健康習慣を語った、インタビュー後編はコチラ

 

 

『罪の声』

日本中を震撼させた未解決事件をモチーフに描かれたベストセラー小説を映画化。フィクションでありながら、事件の真相はこうだったのでは?と思わせるヒューマンミステリー。

10月30 日(金)より、全国東宝系にて公開

配給:東宝

監督:土井裕泰 脚本:野木亜紀子

原作:塩田武士 『罪の声』(講談社文庫)

出演:小栗旬 星野源 松重豊 古舘寛治 市川実日子 宇崎竜童 梶芽衣子ほか

©2020 映画「罪の声」製作委員会
公式サイト:https://tsuminokoe.jp/

 

 

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