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夫が不倫?で、黒木華さん演じる妻は・・(インタビュー/前編)

どんな作品でもストンとその場に馴染み、どんな役柄でもキラッと光る。

デビューから11年目、次々とヒット作に出演してきた黒木華さんの新たな主演映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』が9月10日に公開される。

作品ごとに、カメレオンみたいにルックスも演技も何もかも違う人に見える彼女。その素顔に迫ってみた。

 

撮影/萩庭桂太 ヘア&メイク/新井克英 スタイリスト/申谷弘美 取材・文/岡本麻佑

黒木華 全身座り写真

黒木華さん
Profile

くろき・はる●1990年3月14日、大阪府生まれ。2010年、NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』のヒロインオーディションに合格し本格的にデビュー。2011年、映画デビュー。『シャニダールの花』(13)で映画初主演。山田洋次監督『小さいおうち』(14)で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)、『浅田家!』(20)で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。その他の主な出演作に映画『母と暮せば』(15)、『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16)、『日日是好日』(18)、『甘いお酒でうがい』(20)、『星の子』(20)、ドラマ『重版出来!』(16)、『みをつくし料理帖』(17)、『西郷どん』(18)、『凪のお暇』(19)、『イチケイのカラス』(21)などがある。ドラマ『僕の姉ちゃん』が9月24日よりAmazon Prime Videoにて全国一挙配信予定。

ミステリアスな妻を、

楽しみながら演じました

 

穏やかで真面目でチャーミングなヒロインだけど、その心の内はまるで見えない。黒木華さんは今までにないミステリアスな表情で、今回も物語の最後まで、見る人をぐいぐい引っ張ってくれる。

 

「佐和子の心の中が見えないところが、この映画の面白さだな、と思ったので、わかりやすい芝居はしないように心がけました」

 

黒木さん演じるヒロインの佐和子は、漫画家。夫の俊夫(柄本佑)も漫画家だけど、今はスランプで休筆状態だ。

ある日、佐和子は夫が自分の担当編集者・千佳(奈緖)と不倫関係にあることを知ってしまう。許す? 問い詰める? 無視してスルー? ブチ切れる? 彼女の出した答えは、新連載の漫画のテーマを“不倫”にすることだった。

 

その漫画のストーリーは、現実と妙にリンクしながらどんどん展開していき、読んだ俊夫は驚愕する。

バレているのか? だったらなんで、何も言わないんだ? 追い詰められていく夫の俊夫と、何も気付いていないフリをしながら作品に打ち込む佐和子。さらに佐和子が突然自動車教習所に通い始め、担当教官との親密な現場を目撃して、俊夫はパニックに。この夫婦、この先どうなるのか・・・。

黒木華 全身写真

佐和子が描く漫画と映像がテンポよく物語を進めて、彼女の出す結論は、エンドマークが出るまでわからない。そして見終わると、ふふふ、と、ほろにがい爽快感が心に残る。

 

「夫婦って、大変なんですね(笑)。一筋縄ではいかないことが、いっぱいあって。私は、このエンディング、単なる復讐ではないところが気に入っています。俊夫さんへの愛情があったから、こういう形になったのだと思います」

 

 

漫画を描くシーンは、黒木さん自身の手によるもの。漫画監修のスタッフがついて、丸ペンの使い方や消しゴムのかけかたなどなど、プロのテクニックを教えてもらったとか。

 

実は黒木さん、ふだんから絵を描くのは大好きだそうで。

 

「落書き程度のものですが、撮影の合間に、その作品の登場人物をデフォルメした絵などをよく描いています。似顔絵と呼べるほどの力量はありませんが、『イチケイのカラス』を撮っているときは、私が演じる坂間千鶴の絵を描いて遊んでいました(笑)」

 

なるほど。あれもこれも、映画にドラマに舞台に、デビュー以来の快進撃はその落書きしながらの細やかな役作りにあったのかも。作品ごとに彼女は、まるっきり違う役柄を、いともやすやすと演じているように見えるのだ。それも、楽しみながら。

 

「お仕事が楽しいので、幸せです、ありがたいです。共演者のお芝居や監督の言葉などを素直に受け止められるように、撮影現場では、なるべくフラットでいるよう心掛けています。自分の頭の中でこの役はこうすると決めつけてしまうと、がんじがらめになってしまうので。」

黒木華 横顔

デビューしたのは20歳のとき。キャリア11年の間には、楽しいとは言い切れない時期もあったという。

 

「お仕事がつらいと感じる時期もありました。信頼できるマネージャーさんに話を聞いてもらううちに、自分がその時どんな状況で、どんなことを感じていたか、改めて気付くことができたので、そこから方向転換することができました。

ですから今はハードな毎日でも『今日はこの俳優さんとこんなお芝居ができて楽しい』とか、前向きになることができるんです。人と話して客観的な視点から自分を見たり、物事の良い面を意識したりすることで、同じ状況でもすごく楽になるし、楽しくなるんですね」

 

本作の撮影はコロナ禍の昨年夏。期間が短かったこともあり、撮影は楽しかったけど連日ハードなスケジュールだったという。いったいどうやって乗り切ったのか。黒木さんのヘルス&ビューティの秘訣は、後編へ!

 

(黒木さん自身の食事と運動について語った、インタビュー後編はコチラ

 

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

黒木華 ポスタービジュアル

佐和子(黒木華)と俊夫(柄本佑)は共に漫画家、結婚5年目の夫婦だ。ある日、佐和子は俊夫が自分の担当編集者・千佳(奈緒)と不倫をしていることに気付く。新たに始まる連載漫画のテーマを“不倫”にして描き始めたその作品には、夫婦と千佳の関係がリアルに描かれていた。バレているのか? 俊夫は徐々に精神的に追い詰められていく。そして佐和子自身には、自動車教習所のイケメン教官(金子大地)との淡い恋が始まりそうな予感が・・・。

黒木華 スチール写真

2021年9月10日(金)新宿ピカデリーほか、全国公開

配給:ハピネットファントム・スタジオ

監督・脚本:堀江貴大

出演:黒木華 柄本佑 金子大地 奈緖 風吹ジュンほか

©2021 『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会

公式サイト:https://www.phantom-film.com/watatona/

 

 

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