米倉涼子さんが野村萬斎さんを見つめてしまう理由とは？（インタビュー）

人気ドラマ『ドクターＸ～外科医大門未知子～』第7シリーズの撮影が始まり、連日忙しい日々が続いている米倉凉子さん。

いつ見ても元気でパワフル、キレイでカッコいい印象の彼女だけれど、仕事で悩むこともあれば、自分の体の変化を感じることもあるという。

40代半ばの今、自分とどう向き合い、どんなふうにキャリアを切り拓いてきたのか。

自分自身をどうケアしているのか。

彼女らしい、真っすぐで飾らない言葉で、語ってくれた。

撮影／土山大輔（TRON）　ヘア＆メイク／奥原清一　スタイリスト／えなみ眞理子　ネイル／菅実加子　取材・文／岡本麻佑

米倉涼子さん
Profile

よねくら・りょうこ●1975年8月1日、神奈川県生まれ。93年、モデルデビュー。99年、女優に転身し、数々のドラマやCMで活躍中。2012年ミュージカル『CHICAGO』に主演し、NYブロードウェイデビュー。17年、19年に再演も果たす。2012年にスタートした主演ドラマ『ドクターＸ～外科医・大門未知子～』が大ヒットし、現在第7シリーズに出演中。Netflixオリジナルシリーズ『新聞記者』は近日配信予定。公式ＨＰ https://desafio-net.jp/　公式Instagram　@ryoko_yonekura_0801　公式ファンクラブ「よねさんち」yonesanchi.com

本当に仲の良いレギュラー俳優と、刺激的な新しいゲストとの出会い。

『ドクターX』には感謝しかないです。

あの『ドクターＸ～外科医・大門未知子～』が帰ってくる。２年ぶりの第7作、ファンが待ちに待った人気ドラマシリーズだ。

「私、失敗しないので」という名ゼリフは、カリスマ的な存在感を持つ米倉凉子さんが演じればこそ。美しいプロポーションと表情豊かな美貌、聴き取りやすいハスキーヴォイスが演技力とあいまって、大門未知子を極上の、魅力的なヒロインに育て上げてきた。

「第7シリーズになっても、基本、大門未知子は変わりません。彼女は単純にオペ（手術）がしたいだけ。まわりの男たちがぐちゃぐちゃと権力争いする中で、未知子はすーっとその中を通り抜けていく。いつも通りの、何も変わらない水戸黄門スタイルです(笑)」

未知子の誕生から10年。“何も変わらない”ことが実は、ストレスに感じる時代もあった。

「シリーズを重ねることができるのは、ありがたいことですけど、同時に、マンネリに陥るんじゃないかという複雑な思いもあって。第3シリーズくらいのとき、私はこれだけで終わっちゃうんじゃないかと焦った時期もありました」

ヒントを与えてくれたのは、共演する俳優仲間たち。

「続編で再集合するたびにみんな、あんな舞台をやった、こんな人と共演したと、楽しそうに話している。それを聞いて、思ったんです。私は『ドクターＸ』の現場では一応座長ではあるけれど、俳優としての経験値は少ない。みんなはそれぞれここ以外の場所で貴重な経験を積んで、いろんなものを体の中に取り込んでいるんだなって。正直、うらやましかった」

そこで米倉さんが挑戦したのが、ミュージカル『CHICAGO』。大好きなこの作品を自分で演じたい、と思った彼女は自分から積極的に動き、08年に日本版で主演。

「私、ダンサーじゃないし、私が踊れるものだと思っている人がたくさんいるかもしれないけど、それは大間違い。全然踊れないんですよ。本当に一歩一歩、イチニ、サンシ、イチニ、サンシって教えてもらって、やっとできているの。だからとても時間がかかりました。踊りも歌も、ひとつひとつマスターしていって」

舞台は大好評。10年の再演を経て12年には、ブロードウエイのキャストとスタッフの中で主演という快挙を果たした。アウェイな場所で一から頑張り、大きな成果を上げたのだ。