メインに立っても脇にまわっても、問答無用にカッコいいのが玉木宏さん。
今回、話題のドラマを映画化した『七人の秘書 THE MOVIE』に重要なゲストとして参加、きっちりと爪痕を残している。
デビューから早くも20余年。数々のヒット作に出演しながら、ひとつのイメージに留まることなく、常に新しい顔を見せてきた。
日々更新を続ける彼の魅力は、どうやらストイックなルーティンのたまもの。
しかもそれは彼にとって、とても楽しいことのようで・・・・。
撮影/露木聡子 ヘア&メイク/渡部幸也(riLLa) スタイリスト/上野健太郎 取材・文/岡本麻佑
玉木宏さん
Profile
たまき ひろし●1980年1月14日、愛知県生まれ。1998年、ドラマ『せつない』でデビュー。’01年、映画『ウォーターボーイズ』で注目を集め、’06年ドラマ『のだめカンタービレ』でエランドール新人賞受賞。’15年NHK連続テレビ小説『あさが来た』の新次郎役も話題に。’22年上半期はドラマ『だから殺せなかった』(WOWOW)、『マイファミリー』(TBS)に出演。また主演映画『極主夫道 ザ・シネマ』をはじめ、『キングダム2 遙かなる大地へ』『この子は邪悪』、本作『七人の秘書 THE MOVIE』など出演作が続々公開されている。
雪景色の中での撮影中も、
携帯カイロは使わずに
『七人の秘書』はおよそ2年前に放映されていた連続ドラマ。
あの『ドクターX』シリーズの中園ミホさんによるオリジナル脚本で、企業や銀行、警察などで女性秘書として働く6人の女性たちが、世の不正をただすために一致団結。あの手この手で悪いヤツをやっつける、コミカル&痛快なドラマだった。
ちなみに7人目は、彼女たちの元締めである、謎のラーメン屋店主。江口洋介さんが演じて、いい味を出している。
玉木さんは、そのドラマを見ていたそうで。
「これだけ魅力的な女性陣が集まって、スカッと爽快なストーリーが描かれているドラマは、なかなかないと思うので印象に残っていました。
その作品が映画化されて、まさか自分が出演することになるとは予想もしていませんでしたが、声をかけていただいて、とても嬉しかったです」
映画化にあたっては、ドラマのレギュラーメンバー全員がそのまま登場。木村文乃さん演じるカリスマ秘書を中心に、ITマスターもいれば武闘派、戦略家、天然系や変装上手な家政婦秘書もいる。
ドラマでは政界のドンを辞任に追いやったところでキリをつけたけど、映画化された本作では、信州一帯を支配する財閥一家がターゲット。政府の要人と繋がりを持ち、私腹を肥やすファミリーのドン(笑福亭鶴瓶)の正体を暴こうとするが・・・。
玉木さんは地元のラーメン屋店長として登場し、彼女たちに力を貸す役どころ。とはいえ、存在感たっぷりの玉木さんが、それだけの存在に留まるはずもなく。
「そうですね、僕が演じた緒方航一という男は、ちょっと複雑な人間かもしれません(笑)。でも基本的には、思いが強くて誠実な優しい男です。
緒方の正体をどう見せていくか、監督とさじ加減を相談しながら演じました。とはいえ、ひとつひとつのシーンはシンプルなものなので、演じる難しさは感じませんでした」
背景には、美しい信州の風景がひろがっている。実はこれが、玉木さんにとって大きなご褒美だったらしく。
「僕は本当に雪が好きなんです。雪の中で撮影できるのが、楽しかった! 雪国に住みたいと思っているくらい、雪が好きなんです。
寒いのも好きだし、雪の降る山の中にいると、しんしんと何も音が聞こえなくなる。あの感じが、最高です」
雪の中、こんこんと湧き出る泉のそばで撮ったシーンは、印象的。確かに美しいけれど、とっても寒そう。
そこで思い出したのは、10年ほど前、玉木さんに取材したときの、ある言葉。『撮影現場で、寒くても携帯カイロは絶対に使いません! 使うとなんか、負けた気がするんですよね(笑)』。
でも今回は、使いましたよね?
「いえ、使っていません(笑)。ただ衣装さんが、あらかじめコートのポケットの奥のほうに入れておいてくれたことはありました。それを捨てるなんて、さすがにしませんでしたけど(笑)。でも自分から『カイロをください』とは言いませんでした」
寒さに強いだけじゃない。実は玉木さんは、とてもタフ。ボクシングを始めて15年、ブラジリアン柔術を始めて4年目に突入。ヒマさえあれば毎日でも練習に通って、体を鍛え抜いている。
カメラが趣味で、写真展を開催したことは知っていたけれど、格闘技もハンパじゃないらしい。
「この映画の中でも、秘書の皆さんが闘うシーンがあるんです。ハイヒールを履いたドレス姿で悪の手先をやっつけるシーンは、まるで『チャーリーズ・エンジェル』を見ているみたいだと思いました(笑)。
ああいうアクションは相手に当たらないよう、自分も怪我をしないように、しかも大きく派手に見せなければならないので難しいんです。寒い中、けっこう激しい動きで大変だったと思いますが、華麗ですし、見応えがあります」
格闘技をやっているからこその、優しいコメントだ。それはさておき、ご自身はいったいどんなふうに格闘技と向き合っているのか。それが今の肉体美と健康にどう影響しているのか。気になる続きは、後編へ!
(格闘技の魅力と私生活について語った、インタビュー後編はコチラ)
『七人の秘書 THE MOVIE』
ふだんは目立たない存在として組織や上司に仕える秘書たちが、各々その卓越した事務能力、潜入能力、情報収集力、身体能力などをフル活用して弱者を救い、横暴な権力者に立ち向かうドラマ『七人の秘書』。2020年10月~12月に放送されたこのドラマが、熱烈なファンの熱い支持を集めて、とうとう映画化された。ドラマのレギュラーメンバー木村文乃、奈々緒、広瀬アリス、大島優子、シム・ウンギョン、室井滋、江口洋介に加え、笑福亭鶴瓶、吉瀬美智子、濱田岳、そして玉木宏という豪華俳優陣をゲストに迎えて、物語はスケールアップ。冬景色を背景に、巨悪に立ち向かう7人の物語は華やかに展開する。
2022年10月7日(金)より全国東宝系にて公開
配給:東宝
脚本:中園ミホ
監督:田村直己
出演:木村文乃 広瀬アリス 菜々緒 シム・ウンギョン 大島優子 室井滋 江口洋介 玉木宏 濱田岳 吉瀬美智子 笑福亭鶴瓶ほか
主題歌:「Final Call」milet
©2022「七人の秘書 THE MOVIE」製作委員会
公式サイト:https://7-hisho-movie.jp/