9月15日に公開される話題の映画『ミステリと言う勿れ』の豪華キャストの中に、鈴木保奈美さんが名を連ねている。
着実にキャリアを積み重ね、今も意欲的に映画に舞台に挑戦中。
出演を決めたきっかけから撮影中のあれこれ、そしてこれからのことを話す彼女はクールでクレバーで、そしてやっぱりミステリアスだ。
撮影/富田一也 ヘア&メイク/福沢京子 スタイリスト/犬走比佐乃 取材・文/岡本麻佑
鈴木保奈美さん
Profile
すずき・ほなみ●1966年8月14日生まれ、東京都出身。1984年にホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞。 86年俳優デビュー。91年に出演したドラマ『東京ラブストーリー』が大ヒット。98年の結婚を機に芸能活動を休止していたが、2008年に復帰。2011年NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』で本格的な活動を再開。近年はドラマ『SUITS/スーツ』『35歳の少女』『ちむどんどん』、映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』などに出演。初のエッセイ本『獅子座、A型、丙午。』(中央公論新社)も話題に。
犯人は誰? という面白さ、だけじゃない
なんとなく、怪しい。いや、怪しくなさそうだから、よけいに怪しい。
映画『ミステリと言う勿れ』で鈴木保奈美さんが画面に登場するたびに、その姿を目で追いながら、ついついそう思っていた。ごく普通の母親役で、目立たないふりをしているけど、実は真犯人では? と。
超人気漫画『ミステリと言う勿れ』が2022年にフジテレビの月9で連続ドラマ化されて、大きな話題に。それが今回、待ちに待った映画化だ。
原作漫画の中でもとりわけ人気がある、通称「広島編」を、豪華キャストをずらりと揃えて実写化している。
広島を訪れた主人公・久能整(くのうととのう/菅田将暉)が、地元の名家・狩集(かりあつまり)家の遺産相続争いに巻き込まれるというストーリー。
鈴木さんが演じるのは、狩集家の嫁のひとり・ななえ。夫を不慮の事故で亡くし、娘の汐路(しおじ/原菜乃華)と暮らす彼女は、親戚が集まる中、肩身の狭い思いをしながら娘を見守っている。
「もともと原作のコミックが好きで読んでいましたし、連続ドラマも好きで、ずっと見ていました。ですから本作のオファーをいただいて、うれしかったです。
私が演じたななえは、原作では、ほわんと柔らかい人。今回映画では、そのイメージのまま、娘との関係性がうまく伝わるように気を付けながら演じました」
最近、母親を演じることが多くなった。
「母親役を演じるにあたって気を付けていることは?」と質問されると、「それは毎回、作品によって違いますね」と、きっぱり答えていた。
なにしろ「演じることが楽しくてしかたない」と言っている彼女。どの作品でも、どんな役柄でも、一期一会の心意気。きっちり演じて結果を出しているのだ。
「今回、うれしかったのは、松坂慶子さんとご一緒できたことです。お目にかかるのは私、初めてで。
台所で一緒に料理をするシーンがあったんですけど、もうなんか、あのまんまの、ほわっとしたかわいらしい方で」
松坂さんが演じているのは、狩集家の親族で、汐路たちの亡くなった祖父・幸長の従妹。そうそう、彼女もまた十分に怪しいのだった。
メインキャストに柴咲コウ、松下洸平、町田啓太、原菜乃華、萩原利久。さらには滝藤賢一、でんでん、野間口徹、角野卓造、段田安則ら実力派で脇を固めて、いったい犯人は誰? と最後までひっぱる。さらに・・。
「ミステリーとして、もちろん優れた作品だと思うんですけど、でも私がこの作品で好きなのは、原作者の田村先生が作品に込めるさまざまなメッセージなんです。
主人公の整くんは、肝腎なところであれこれ語りたがるめんどくさい人ですけど(笑)、でも田村先生が世の中に対して本当に言いたいことを、代わりにきっちりと発信しているような気がします。
今回の映画でも、子どもの心に負担を残してはいけない理由とか、女性の生き方を男性が決めつけることのいやらしさとか。
原作を読んでいるときに私は、田村先生はこれを言わせたいがために、この華麗なトリックを作り上げたんじゃないかなって思ったくらい。
もちろんそれは、菅田将暉さん演じる整くんがとても愛すべきキャラクターだからこそ、観ている人の心にストレートに伝わるものだと思いますけど」
さて真犯人は、映画を観てのお楽しみ。事件が解決して最後の最後、エンドロールまでフルに楽しめる作品だ。
鈴木さんは10月から11月にかけて、舞台『レイディマクベス』が控えている。
休む暇なく、次々と仕事に邁進中。いったいどうやって体力を、そしてそのきりっとした美貌をキープしているのか。ちょいプライベートなお話は、インタビュー後編で!
(鈴木さんが美容と健康のためにしていることについてのインタビュー後編はコチラ)
『ミステリと言う勿れ』
累計発行部数1800万部を突破している田村由美の人気漫画を原作に、2022年1月期の連続ドラマとして放送された『ミステリと言う勿れ』。今回は原作の中でも特に人気の通称「広島編」を、豪華キャストで映画化。天然パーマがトレードマークの大学生・久能整が広島を訪れ、地元の名家・狩集家の遺産相続に巻き込まれることに・・。
2023年9月15日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー
配給:東宝
原作:田村由美「ミステリと言う勿れ」(小学館「月刊フラワーズ」連載中)
監督:松山博昭 脚本:相沢友子
出演:菅田将暉
松下洸平 町田啓太 原菜乃華 萩原利久
鈴木保奈美 滝藤賢一 でんでん 野間口徹
松坂慶子 松嶋菜々子
伊藤沙莉 尾上松也 ・ 筒井道隆 永山瑛太
角野卓造 段田安則 柴咲コウ
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