ニキビもイライラも、糖質カットで劇的に解決!
冷静にニュースを読み上げるキャスター役がぴたりとハマり、実にかっこいい中谷美紀さん。さらにカメラが近づくと肌の美しさも印象的。でも実は、体の不調や肌あれに悩んだ時代もあったとか。
「13年ほど前、映画で紫式部を演じたときに、ニキビが次から次にできて、精神的にイライラしがちで、絶えず疲労感を感じていました」
わらにもすがる思いで駆け込んだのが、分子整合栄養医学の専門医。そこですぐさま原因が判明した。
「糖質のとりすぎでした。時代劇に出演するときはいつも、顔をぽっちゃり、体もふくよかにしているのですが、特に平安時代は下ぶくれの顔が美しいとされていた時代。少しでも役柄に近づこうと、うどんなら3玉、ご飯も3杯食べていて。タンパク質はお豆腐や納豆、お魚に卵で十分だと思い、お肉は避けていました」
役作りのためには、あらゆる努力を惜しまない中谷美紀さん。でも、その食生活は彼女の体質に合っていなかった。
「先生の説明では、炭水化物のとりすぎで血糖値が乱高下し、ビタミンBが大量に消費されるため不足し、疲れやすくなっていました。インスリンが分泌されすぎて低血糖になり、それを補うためにアドレナリンが分泌されるので不機嫌にもなりますし、次々とニキビができました」
そこで、食生活を大改善。炭水化物を極力減らし、糖分を制限し、白米や精製された小麦粉をシャットアウト。肉を積極的に食べることにした。すると、
「劇的に変わりました。疲れやすかった体が何時間でも歩き回れるようになり、片頭痛や花粉症はいつのまにか消えていて、ニキビも出なくなったんです」
2018年に結婚。今はオーストリアのザルツブルクに自宅を構え、自然と触れ合う静かな生活を楽しむ一方、一年の約半分は日本で俳優の仕事を続けている。
「おいしいものが大好きなんです。オーストリアに戻ると、分子栄養医学のガイドは守りつつ、食べられるものは好きなだけいただいていますから、気づいたら4㎏太っていたことも(笑)。ですから仕事に戻るときは必死に運動をして、食事もコントロールします。年齢とともに戻りにくくなってきたので、日頃から脂肪燃焼のための緑茶が欠かせません」
激しい筋トレは、アドレナリンが出すぎて、体を緊張させてしまうので、力まず呼吸しながらの軽い筋トレをし、時間があれば近所の野山を歩き回る日々。とはいえ仕事を前に、急ぎ効果を得たいときは、最新のテクノロジーに頼ることも。
「少し前に脂肪冷却マシンのお世話になりました。脂肪のみを4℃で冷却し、脂肪細胞の自滅を促すというものです。太ももの内側とかお尻の下にある贅肉は、飢餓状態にならないと落ちないと言われまして。でも飢餓状態にすると顔がこけてしまう。顔が痩せるとシワも深くなりますし、表情も険しく見えます。脂肪冷却は、凍らせた脂肪をもんで破壊するときが痛いのですが、3回くらい施術を受けて、効いた実感はあります。もちろん食物繊維を増やしたり納豆を食べたり運動したり、自分でも多少の努力はしますが、いろいろ試してみるのは好きですね」
「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」
記憶喪失の逃亡犯(二宮和也)、番組の打ち切りを告げられた報道キャスター(中谷美紀)、ディナーの準備に追われる孤高のシェフ(大沢たかお)。無関係に見えた3人の人生はどう交錯するのか? クリスマスイブのたった1日の出来事を丁寧に描く、謎と愛と奇跡の物語。月曜21時フジテレビ系でオンエア中
中谷美紀さん
Miki Nakatani
1976年1月12日、東京都生まれ。’93年にドラマ「ひとつ屋根の下」で俳優デビュー。以来数々の映画、ドラマ、CMなどに出演。2006年『嫌われ松子の一生』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。’14年『ロスト・イン・ヨンカーズ』で読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。現在はオーストリアと日本を行き来する生活を送っている。日本で仕事にいそしむ日々と、オーストリアで暮らしを楽しむ日々を記したエッセイ『文はやりたし』(幻冬舎文庫)が発売中
撮影/土山大輔(TRON) ヘア&メイク/下田英里 スタイリスト/岡部美穂 ネイル/川村倫子 取材・原文/岡本麻佑