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12キロ減量した佐藤二朗さんのユニークなダイエット方法とは?(インタビュー/後編)

6月7日公開の映画『あんのこと』で重要な役回りのベテラン刑事を演じている、佐藤二朗さん。

俳優として引く手あまたのその一方で、監督や脚本家としても精力的に活動している。

しかも最近、シュッと変身。

本作の撮影後、役作りのためにダイエットに挑戦し、12キロの減量に成功した。

無理なく、自分流にカスタマイズしたその方法は、緻密にしてユニークな二朗スタイルだった。

 

(『あんのこと』で共演した稲垣吾郎さん、河合優実さんについて語ったインタビュー前編はコチラ

 

撮影/富田一也 ヘア&メイク/今野亜季(A.m Lab) スタイリスト/鬼塚美代子(アンジュ) 取材・文/岡本麻佑

佐藤二朗 ポートレート

 

佐藤二朗さん
Profile

さとう・じろう●1969年5月7日生まれ、愛知県出身。俳優・脚本家・映画監督。1996年、演劇ユニット『ちからわざ』を旗揚げし、本格的に俳優活動を開始。『浦安鉄筋家族』(20)、『ひきこもり先生』(21)などのドラマや、『勇者ヨシヒコ』シリーズ(11、12、16)、『HK変態仮面』(13)、『銀魂』シリーズ(17、18)などの福田雄一監督作品で人気を集める。映画『memo』(08)、『はるヲうるひと』(21)で監督・脚本・出演を務め、多方面での才能を発揮。12年ぶりに執筆した新作戯曲の舞台『そのいのち』は宮沢りえを主役に迎え11月9日~17日・世田谷パブリックシアターほか兵庫、宮城でも上演される。

 

12キロ痩せても、メタボはメタボ

映画『あんのこと』で多々羅(たたら)刑事を演じている佐藤二朗さん。今こうしてインタビューしているご本人を前にすると、かなりスリムになっている!

 

「今撮影している映画のために、その監督から『痩せろ』と言われまして。知り合いの俳優の中でもシュッとしている人たちに相談したんです。僕と同じぼてっとした人たちに聞いてもしょうがないから。

 

小栗旬は、『うちのジムでやりますか?』って言ってくれた。

鈴木亮平は『10カ月で8キロは余裕ですよ』って笑ってたけど、それはおまえにしたら何だって余裕だろうと(笑)。

長澤まさみは、『タンパク質はとってください、とらないとげっそりしちゃうから』って、わざわざ自分が使っているサプリメントを教えてくれた。

 

そうやっていろんな人の話を聞いて、とりあえずパーソナルトレーナーはつけないで自力でやってみるわ、と今から1年前に宣言して」

 

どんなふうにやってみたか、というと。

 

「朝はまず、妻が作った野菜スープにダシを粉にしたようなやつをふりかけて飲みます。粉も妻の手作りで、お茶とかイワシとか、なんか4種類くらいありました。

あとはヨーグルトと、お医者さんに『炭水化物をとらないと頭が回らないよ』とすすめられたシリアルに牛乳をかけたもの。それだけです。

 

昼は野菜サラダだけ。タンパク質は必要だから、ハムだったりカニカマだったりツナだったりを入れます。

で、日中、わりと早歩きで30分ウォーキングして、けっこう汗をかきます。あ、その前に50回スクワットもします。

 

夜は普通に、日本酒を二合までと決めて飲みますし、肉も魚も食います。炭水化物は、麺とかパンはやめて米を半膳くらい。

で、早い時間に歯を磨きます。そこから20分かけて行きつけのバーに歩いて行き、ウイスキーと葉巻を楽しみます。で、また20分歩いて家に戻り、マウスウォッシュで口をクチュクチュして寝ます。

そうするともう食べてから3時間くらい経ってますから、胃をカラッポにして寝られるんです」

 

ポイントは、お酒を我慢しないこと。

 

「お酒をやめたら絶対痩せるってわかってますけど、お酒をやめないダイエット、ということで考えました」

 

佐藤二朗 上半身ポートレート イイノホールロビーにて

食事療法と運動が功を奏して、着実に体重は減っていき、1年で12キロのダイエットに成功した。

 

「靴下が履きやすくなりました(笑)。

かかりつけの内科医で血液検査を3ヶ月に1回受けているのですが、数値が軒並みよくなった。お医者さんがいちばん驚いたのは、腸の中の善玉菌が増えたってことです。

それと、1日1回は体重計に乗っていたので、体重で一喜一憂する女性の気持ちがわかるようになりました。今完全に、僕は乙女です(笑)。

 

毎日歩くのがクセになって汗をかきやすくなったし、代謝もよくなった。今は歩かないと気持ち悪いです。

でも僕と同い年ぐらいの人のリバウンド話も聞いているので、気を付けないと。ただ、1年で12キロなんで、時間をかけてやせたので、リバウンドはそんなにないかなとも思ってますが、安心してはいけませんね」

 

まわりからも、「すっきりしたね!」と言われることが多くて、痩せるように依頼してきた監督の反応が楽しみだった、というけれど。

 

「今はまだ誰とは言えないんですけど、厳しいことでも有名で、でもすごく誠実で、理不尽なことは言わないし、超熱くて真面目な人で。だから非常に俳優に好かれるし、僕も大好きになりました。

 

その人の作品も好きなので、何としてでも痩せなきゃと思って頑張ったので、衣装合わせの時に冗談で『褒めてくれてもいいんですよ』って言ったんです。でも監督は褒めてくれるでもなく、薄く笑っていて。

『いやでも、佐藤さんがすごいのは、12キロ痩せても、全体の印象があまり変わらないってことだね』と。おいおいおい、ちょっとちょっと!(笑)

 

でもね、今思うときっと僕に気を遣ってくれたんだと思います。この後もいろんな仕事をお引き受けしてますけど、オファーしてくれた段階では僕、太っていたわけですから。イメージが変わらないというのは、『今のままで大丈夫だよ』という、監督なりの気遣いだと思ってます。

 

でもまぁ実際、僕は12キロ痩せても相変わらずメタボだし、小さくはなりましたけど、メタボはメタボだし、小太りの中年男です(笑)」

 

佐藤二朗 インタビュー全身写真 イイノホールロビーにて

とはいえ、50代でいったん体型を整えたことには、意義がある。

 

「それ、60何歳かのプロデューサーにも言われました。『50代で一度体重を落とすのはいいみたいだよ』って。だから監督に感謝です。妻は監督のことを『君の救世主だ!』って言ってます」

 

メタボに関する話題が、もうひとつ。主宰する演劇ユニット『ちからわざ』の公演を11月に控えているのだ。

 

「12年ぶりに新作の戯曲を書きまして、主演に宮沢りえちゃんをお迎えします。もちろん僕も出演します。

その脚本は3年くらい前に書いているので、りえちゃんが上半身裸の僕のメタボにびっくりする、というシーンがあるんですよ。まさかその後、痩せるなんて思ってないから、『俺のメタボ、そんなにびっくりしたか?』みたいな台詞で。

 

だからいつも体重計に乗りながら腹をチェックして、『よし、出てる出てる、まだまだ大丈夫だ』って。俳優って大変ですよ(笑)」

 

このインタビューをしてから2週間後、ダイエットのきっかけとなった映画の撮影は無事終了。佐藤さんは晴れてダイエットも終了とばかりに、ランチで久しぶりのパスタを堪能し、『うれしくて泣きそう!』と、Xに投稿していた。

それはひょっとして、11月の舞台のための増量なのか? 今後の活躍とメタボの動向に注目だ!

 

『あんのこと』

 

映画「あんのこと」 スチール写真 河合優実

幼い頃から母親に暴力を振るわれ、十代半ばから売春を強要されてきた、杏という名の21歳女性。覚醒剤使用容疑で警察に捕まり、更正の道を歩もうとするが、新型コロナのパンデミックが起こり・・。2020年の日本で実際に起きた事実を伝える新聞記事をもとに、入江悠監督が映画化。主人公の杏を河合優実、彼女に更生の道を開こうとするベテラン刑事・多々羅を佐藤二朗、杏と多々羅を取材するジャーナリスト・桐野を稲垣吾郎が演じる。

映画「あんのこと」スチール写真 河合優実 佐藤二朗 稲垣吾郎

2024年6月7日(金)より新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほか全国公開

配給:キノフィルムズ

監督・脚本:入江悠

出演:河合優実 佐藤二朗 稲垣吾郎

河井青葉 広岡由里子 早見あかり

©2023『あんのこと』製作委員会

公式サイト:https://annokoto.jp/

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