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旅の魅力は「出会いと発見、そして浄化作用」と、山口智子さん(インタビュー/前編)

山口智子さんが、『ツーリズムEXPOジャパン2024』のスペシャル・サポーターに就任。

旅が大好きで、30代後半から興味の赴くまま世界50ヵ国以上を旅してきた。

旅する中で感じたこと、旅が教えてくれたこと、そして旅を楽しむ秘訣などなど、彼女の言葉は、人生という旅にも通じる深い言葉ばかり!

旅は、今年還暦を迎える山口さんがますます元気になれる、活力源でもあった。

 

撮影/露木聡子 ヘア&メイク/根本亜沙美(Eureka) 取材・文/岡本麻佑

山口智子さん座り写真1

山口智子さん
Profile

やまぐち・ともこ●1964年10月20日生まれ、栃木県出身。1988年NHK朝の連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』ヒロインで俳優デビュー。数々のドラマや映画に出演。1995年に俳優の唐沢寿明さんと結婚。子供の頃から旅への憧れがあり、2010年から世界の音楽文化を映像ライブラリーに収めるプロジェクト『LISTEN.』をスタート。10年で26の国を訪れ、2022年に二次元コードから音楽映像を体感できる書籍『LISTEN.』(生きのびるブックス)を発刊。2023年から日本再発見の旅を綴るYouTubeチャンネル『山口智子の風穴!?』を配信中。

 

旅が教えてくれるもの

彼女の肩書きは、「旅人」かもしれない。30代後半から「もっと世界を知りたい!」と思い立ち、行く先々で民族音楽や未知の文化を追い続け、世界各国を訪ね歩いてきた。

 

「無我夢中でドラマの仕事を続けて30歳になった頃、ちょっと心の余裕ができた時、無性に世界を知りたくて旅に出まくりました。

特に海外の美術や文化を探るドキュメンタリーの仕事を意欲的に受けて、ゴッホやドガやロダンの人物像を探りにフランスを訪れたり…。

 

『印象派』というと政治の派閥みたいで、大の苦手分野でしたが、西洋の画家たちの人生を探るうちに、彼らがこぞって憧れて追いかけていたものが、北斎や広重の浮世絵など、日本文化であったことがだんだん見えてきました。異国の地に立ってやっと、故郷日本の素晴らしさに気づくことができた。

 

日本の陶器がヨーロッパに輸出された時、包み紙としてゴミ同然に扱われていた浮世絵の価値を、西欧の人々が見出してくれました。自然と共に生きる日本人の精神や、職人たちの高度な手わざが世界を魅了した。その東西の行き交いの歴史が面白い。

 

それから、浮世絵の摺師や彫り師を訪ねたり、美しい形で勝負する潔い職人精神を学びたくて、日本各地を訪ね歩きました。

職人さんたちは、ものづくりへの情熱に溢れていて、お話がめちゃくちゃ面白い! 日本人としての自分にも、ちょっと自信が持てるようになりました」

 

伝統工芸への情熱が高じて山口さん、東京で手仕事の作品を集めたセレクトショップを開いていた時期も。

山口智子さん座り写真2

「言い訳の効かない『形』の美で勝負する職人精神を学ぶうちに、私もエンターテインメント界に属する人間として、未来に誇れる職人仕事をしたいと思うようになりました。

そこで追いかけ始めたのが、世界の音楽文化です。音楽も『もの』と同じく、心から発せられた美しい音には、嘘や偽りがないものだから」

 

『LISTEN.』というプロジェクトを立ちあげ、生きる力となる、世界の音楽文化を映像ライブラリーに収めながら世界中を駆け巡ってきた。

40代から50代、好奇心の赴くままに、世界を知るための旅に没頭する日々だった。

 

そして2024年の今年還暦を迎える彼女が今、旅先に選んでいるのは日本国内のあちらこちら。

 

「修学旅行で退屈だった記憶を、大人になった今こそ覆えそう!(笑)と、旅の始まりの地として奈良を選びました。予期せぬ出会いや未知の感動がいっぱいで、素晴らしい奈良再発見の旅でした。大人になってからの学びの旅は、最高に楽しい!」

 

旅に出るということは、それまで自分が抱いてきた既成概念や思い込みを、そして自分を取り囲んでいた枠を、いったんキレイに捨て去ることかもしれない。

 

「旅は身も心も『浄化』してくれます。日常から離れてちょっと距離を置くことで、見慣れた日々の暮らしに潜む魅力に気づくことができる。

一方向からものを見るのではなくて、さまざまな角度から見ることで、大嫌いと思い込んでいたものが、突如大好きなものに大転換する面白さ。『こうであらねばならない』と決めつけていた自分の尺度が、なんてちっぽけなものだったのかと気づくことができる。

旅は、自分にとって何が一番大切か、心に問いかけて発見するチャンスです」

山口智子さん全身立ち写真1

さすがは、『ツーリズムEXPOジャパン2024』のスペシャル・サポーター。山口さんと話していると、旅心がフツフツと湧いてくる。コロナ禍もあり、ここ数年旅を諦めていた人も多いはず。

 

「家に籠る楽しさもあるけれど、でも楽して一歩踏み出すことを忘れてしまうと、心は酸欠状態になってしまう。勇気を持って、心に風を起こしてゆかないと!」

 

旅をしなくても、ずっとここにいても、人生は過ぎていく。けれど。

 

「一歩踏み出せば、目の前の世界は果てしなく広がり出す。予期せぬ感動が必ず待っている。せっかく地球に生まれてきたのに、その素晴らしさを知らずに過ごすなんてもったいない! 旅に出ましょう!」

 

旅心を刺激されて、さて問題は旅支度。そして旅先で、どんなふうに過ごすのか。旅の達人である山口さんに伺った、具体的な旅の知恵のあれこれはインタビュー後編で。

旅人として心身ともに健康であるための秘訣など、貴重なお話もたっぷり!

 

(山口さんの旅行カバンの中身や、還暦を目前にますます元気な理由についてのインタビュー後編はコチラ

 

『ツーリズムEXPOジャパン2024』

ツーリズムEXPOジャパン ポスタービジュアル

「世界のツーリズムをリードする」総合観光イベントとして2014年から開催されているツーリズムEXPOジャパン。世界各地からの最新情報や、日本全国の魅力が集結する世界最大級の旅の祭典が9月28、29日に東京ビッグサイトで開かれます。9月28日(土)には、2024スペシャル・サポーターに就任した山口智子さんのトークショーも開催予定。入場券など詳しくは公式サイトで確認を。https://www.t-expo.jp/

※9月26、27日は業界日のため一般の方は入場いただけません。

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