日々の小さな積み重ねが、健やかな心と体をつくる。
切実ではなく、楽しみながら続けたい自分のための小さな約束。少しずつ変わっていく体に「ありがとう」と言いたくなるYOJOライフとは。
今回のYOJOライフは料理家の飛田和緒さん。2回にわけてご紹介します。
(2019年12月取材)
飛田和緒さん Kazuo Hida
profile
1964年生まれ。料理家。東京生まれの東京育ち。高校時代の3 年間を長野で過ごす。家にある食材を使った、おいしくて無理のないレシピ、奇をてらわないレシピが人気。『がんばらない、無理しない いちばんおいしい野菜の食べ方』(オレンジページ)、『ひだパン』『ひだゴハン』(ともに東京書籍)など、著書多数。
Instagram @hida_kazuo
自然と新鮮な食材に恵まれた今の環境で、
気持ちと体を整えています
35歳で料理家に転身した飛田和緒さん。その後は睡眠時間を削って仕事をする多忙な日々で、つねに体調不良に悩まされていたそう。体調が好転したきっかけは、東京都内から相模湾を望む海辺に引っ越したことでした。
「海の見える場所で暮らしたいという夫と私の希望をかなえ、転居したのが15年前。葉山での生活に慣れた頃に子どもを授かり、出産した途端、さまざまな不調がウソのように解消。朝きちんと起きて夜しっかり眠るというまっとうな生活をするうちに、すごく元気になりました。育児と仕事のバランスも自然ととれるようになり、生活のリズムが整ったと感じました」
自宅のリビングからは海が見え、その景色から得られる癒し効果を日々実感。睡眠、運動、食での養生も大切にしていると言います。
「家事や仕事がたまっていても、早寝早起きが基本。朝、家族が出かけるまでの限られた時間内で片づけるほうが効率的だと気づきました。仕事で半日以上キッチンに立つと足も腰もパンパン(笑)。そんなときは、気軽にできるヨガやバレエ流ストレッチで体をほぐします。運動で体がすーっと楽になり、足どりも驚くほど軽くなるんですよ」
葉山は地元の海や山の食材の宝庫。「大根なども柔らかくて、切ったときの水分のしたたり方が違うんです。ほかの野菜も、ゆで時間が短くすんだり甘味が強かったり。地元の新鮮な食材は食べて健康になる気がするし、目新しい食材は台所仕事に刺激を与えてくれます。素材と向き合って料理することを楽しめる暮らしのおかげで、豊かな気持ちを保つことができています」
次回は、飛田和緒さんの4つのYOJOをご紹介します。
撮影/フルフォード海 取材・原文/向井真樹