頭の中で考えているだけではなく、行動を起こすことという禅の教え。「禅即行動(ぜんそくこうどう)」という言葉から、まずは何かひとつ手放してみる心得を、曹洞宗徳雄山建功寺(とくゆうざんけんこうじ)住職の枡野俊明さんに教えていただきました。
部屋の乱れは心の乱れ
禅に学ぶ、片づけの極意
禅の教え 禅即行動
あれこれ頭の中で考えたり、想像しているだけでは、物事は進みません。まずは、行動を起こすこと。すると、自分に何ができて、何ができないかが実感できます。
<心得>
ひとつ手放すことで、心に変化が生まれる
まずは、何かひとつ手放してみましょう。物と一緒に、「処分しなければ」という心の中のもやもやも解消され、すっきりと清々しい気持ちを味わえると思います。
そうやって心地よさを感じられれば、「次はこれを、その次はあれを」と、スムーズに物を処分することができるようになるはずです。
靴を20足持っているなら、1足だけ手放してみてください。「5足手放す」と考えると、迷いが生じるでしょうが、1足だけなら思いきれるのでは?
その結果、「必要だと思っていたけれど、あの靴がなくても困らない。手放すことは意外と簡単」と実感でき、次の1足を選ぶのに躊躇がなくなるだろうと思います。何事も、実行に移してみなければわからないのです。
なかには、どうしても手放せない物があるでしょう。それは、あなたにとって必要な物ということ。手元に置いて、生かす方法を考えてください。
教えていただいたのは
枡野俊明住職
Shunmyo Masuno
1953年生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺(とくゆうざんけんこうじ)住職。庭園デザイナーとして国内外で活躍し、多摩美術大学環境デザイン学科教授も務める。『片づける禅の作法』(河出文庫)、『限りなくシンプルに、豊かに暮らす』(PHP文庫)など著書多数
曹洞宗徳雄山建功寺
神奈川県横浜市鶴見区馬場1-2-1
※毎週日曜7時~8時坐禅会を開催(現在休止中。再開についてはHPで確認を)
撮影/福知彰子 取材・原文/村上早苗