日常のすべてのことが修行という禅の教え「行住坐臥(ぎょうじゅうざが)」という言葉から、自ら実践し体全体で体得する心得を、曹洞宗徳雄山建功寺(とくゆうざんけんこうじ)住職の枡野俊明さんに教えていただきました。
部屋の乱れは心の乱れ
禅に学ぶ、片づけの極意
禅の教え 行住坐臥
坐禅だけが修行ではありません。掃除をする、食事をする、顔を洗う。そうした日常のすべてのことが修行。心を込めて行えば、道が見えてきます。
<心得>
無心で体を動かす。それが、修行になる
ここまで禅の教えを説いてきましたが、まだ片づける気になれない人がいるかもしれません。それは、ある意味当然のこと。
禅の教えは、言葉を通じてではなく、自ら実践し、体全体で体得していくものなのですから。
雲水は、日に何度も同じ場所を掃除します。それは、汚れているからではなく、どんなものも磨けば光るということを、体感するため。心を込めて行えば、日常におけるすべての行為が修行になるのです。
あれこれ考えず、とにかく行動に移してみましょう。どこか一カ所だけ片づけるのでもかまいません。無心に取り組むうちに、きっと清々しい気持ちになれるはずです。それが、豊かな暮らしへとつながります。
教えていただいたのは
枡野俊明住職
Shunmyo Masuno
1953年生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺(とくゆうざんけんこうじ)住職。庭園デザイナーとして国内外で活躍し、多摩美術大学環境デザイン学科教授も務める。『片づける禅の作法』(河出文庫)、『限りなくシンプルに、豊かに暮らす』(PHP文庫)など著書多数
曹洞宗徳雄山建功寺
神奈川県横浜市鶴見区馬場1-2-1
※毎週日曜7時~8時坐禅会を開催(現在休止中。再開についてはHPで確認を)
撮影/福知彰子 取材・原文/村上早苗