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【作家・横森理香さんの子育て卒業】娘の成人式を前に再び「エンディングノート」を書きこんでわかったこと

横森理香

横森理香

作家・エッセイスト。1963年生まれ。多摩美術大学卒。 現代女性をリアルに描いた小説と、女性を応援するエッセイに定評があり、『40代 大人女子のためのお年頃読本』がベストセラーとなる。代表作『ぼぎちんバブル純愛物語』は文化庁の主宰する日本文学輸出プロジェクトに選出され、アメリカ、イギリス、ドイツ、アラブ諸国で翻訳出版されている。 著書に『コーネンキなんてこわくない』など多数。 また、「ベリーダンス健康法」の講師としても活躍。 主催するコミュニティサロン「シークレットロータス」でレッスンを行っている。 日本大人女子協会代表

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作家 横森理香さんが、ついに子育て卒業!? 娘の成人を機に、あらためて「Never Ending Note~未来に残すネバーエンディングノート」に、今伝えておきたいことを記したという。さて…

『Never Ending Note』更新!! 娘の成人を機に…

 

子供が大学生ともなると、家にいるのかいないのかわからなくなり、にわかに空の巣症候群の我が家。

さらに来年度から一年間、イギリスの田舎に交換留学も決まってしまった。ロンドンから二時間半もかかる地方都市で、その大学にしか学びたい学科がないのだとか。

ほんとうに、いなくなっちゃうんだね・・・。

と、寂しい気持ちになったが、交換留学制度の審査に見事受かって、誇らしい気持ちもある。

あとは残された老夫婦と、猫だけの暮らし。今の大学を卒業するには、帰国してから一年間は家にいるだろうが、その後はまた海外に羽ばたいてしまいそう・・・。

 

作家横森理香ネバーエンディングノート1

「季節の記憶」のページには四季のイベント写真を。子供時代はあっという間に過ぎ・・・

 

 

昔は海外に行く家族や仲間とは水盃を交わすものだった。と、母によく言われていたが、私も外国に行ったり来たりして、ニューヨークに二年住んだ。

その頃、母がよく日本食材を送ってくれ、様子を見に叔母と訪ねても来た。なんとまぁ大袈裟なと思ったが、いざ送り出す身になってみると、その気持ちが分かる。

 

作家横森理香ネバ―エンディングノート2

海外旅行大好き♥の我が半生。「My Life’s Best 10」のページには思い出深い旅ベスト10をまとめた。

あっという間だった子育ての日々。忘れずに今、書いておかないと…

 

子育ても、もう卒業が見えてきた。あっという間だったな。5月には還暦だ。

ここにきて、また『Never Ending Note』(以下、ネバエン)を更新する。

大切な人へのメッセージのページを、書き込むことにしたのだ。

書いとかないと、いつ何があるか分からないし、大切なことも忘れてしまいそうだから。

 

作家横森理香 ネバ―エンディングノートと

 

ネバエンが発売されたころはまだ四十代で、

「えー、遺書なんて縁起でもない書きたくないよー」

と思ったが、ミントブルーの令和バージョンが発売された頃には、すっかりアラカンでしかもコロナ禍だった。

今でこそ感染しやすく重症化しづらいウィルスになったが、最初の頃はもしかして自分も、コロナにかかって死ぬ可能性があるのではないかと不安になった。

やり残したことはないかと思い始め、コロナ禍を舞台にした大人女子リアリティ小説「ミスト」を書き始めた。

仲の良かった従姉が突然の死を迎えた主人公は、自粛生活中に自室でこそこそと過去を振り返り、エンディングノートを付け始める。大好きだった恋人との、若かりし頃の鮮烈な想い出・・・しかし、そんなことは夫や娘には知られたくない。大人女子のリアルな姿を書いたこの小説は、アワエイジで一年間、連載された。

そうこうしているうちに娘は高校を卒業し、大学生になった。するとますます、仕事以外にやることがない。

夫は年齢のせいとコロナ自粛も相まって、仕事がないときは日がな一日、テレビの前でゴロゴロいるようになった。

娘は部活やバイト、友達との予定が盛りだくさんで、家族の行事はほぼなくなってしまった。

 

作家横森理香ネバーエンディングノート3

「Message」のページに、成人式前撮り写真と娘への言葉を。恥ずかしくて口では言えないことを、忘れないうちに書き込もう。

 

 

だから久しぶりのイベントだったのだ。娘の成人式前撮りは。

娘が小さいときよく散歩に連れてったホテルニューオータニのお庭にて、カメラマンの夫は張り切って撮影した。

それを、頼んでもいないのにレタッチしまくって、すばらしい作品に仕上げた。折しもこの日は夫の誕生日。いい誕生祝いになった。

 

 

作家横森理香ネバーエンディングノート宝物

「My Favorite 私のお気に入り」のページ。二十歳の誕生日にティファニーのプチダイアモンドネックレスは委ねたが、ごついのは私が死んでからで。

 

大人女子、いよいよ「自分育て」の時!

 

子育て卒業となったら、あと何をして生きていこうかと、考える節目の大人女子。

今年はそのテーマで、「大人女子手帳2023」を製作し、新刊エッセイ「これから30年をゴキゲンに過ごす。」を書いた。

これまで家族のため、会社のために尽くしてきた大人女子たちが、これからは「自分育て」をするために。

 

終わらぬコロナ禍で自粛中だった夏、引き出しから母のメモ、「おタミの啖呵」が出てきた。

明治生まれの祖母、おタミさんの荒っぽい言葉が書かれたメモなのだが、それが実に今、コロナ不況で凹んでいる私たちに生きる力を与えてくれる。それを八本の軸にしたエッセイ本なのだ。

その中に「子育て」の章があるが、おタミさんと母と私の子育てポリシーは、その子を良く見て、真に理解し、その子らしい生き方ができるようにしてあげること。

だから娘に伝えたいメッセージも、「世界のどこにいても、貴方らしく生きてください」と書き残した。

 

作家横森理香 ネバーエンディングノート4

「ファミリーマップ」のページ。 おタミさんが46の時、母が最後っ屁で生まれたため、80ン歳で大往生したとき、私はまだ2歳。

 

私は祖母を覚えていないが、母曰く私は祖母に似ているのだという。そして私の娘は、母に似ている。学校と勉強が大好きで、食べることが大好き。

女系家族の隔世遺伝――もし孫娘が私に似てたら、心配だけどw可愛いだろう。こうやって命は、つながれていくのだ。

 

作家横森理香ネバーエンディングノート5

「Memories of Family 家族の記憶」のページ 孫娘が生まれたら、またマウイに連れて行きたいな♪

 

娘の振り袖姿は、子育て終了の勲章だった。20年間、よく頑張りました!!

もぬけの殻になっている場合ではない。これから三十年をゴキゲンに生きるために、これまでの半生を振り返り、思い出を記録。

やり残したことを書き込んで、自分らしい未来を作って行こうではないか。

 

文・横森理香

 

★今回、横森さんが更新したエンディングノートはこちら。

ネバ―エンディングノート

『Never Ending Note~未来に残すエンディングノート 令和ブルーVer.』

2012年発売し、世代に関係なく書ける、新しいスタイルのエンディングノートとして話題になり、ロングセラーに。もしもの時の連絡先や保険や預貯金などの必要な情報はもちろん、自分年表、料理レシピ、旅の思い出、なんでもベスト10など、自分の記録ができる1冊。今までを振り返って書くほどに、これからやりたいことが見えてくる、元気になれるとの声も。2020年に相続などの法律などのコラムを改定し、ミントブルーの令和バージョンを発売。お友達や、パートナー、ご両親へのプレゼントに購入するかたも多い。

 

★横森理香さんが更年期との闘いを描いた著書

『コーネンキなんてこわくない』の詳しくはコチラ!

 

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