アーユルヴェーダによるデトックスとは？／インド５泊６日、最新ウェルネス滞在 ①

板倉由未子さん

トラベル＆スパジャーナリスト

出版社の編集者を経て現職に。世界を巡り、女性誌、会員誌、ウェブを中心に、土地に息づく文化、癒し、美、食をテーマに旅企画を手掛ける。世界各地のスパや療法、健康＆美容法をテーマにしたトークショーなどにも出演。「スパは土地の文化を凝縮した空間。肌で土地を味わえば、旅はいっそう豊かに」。またイタリア愛好家で、各州の人々と食を取材した『イタリアマンマのレシピ』（世界文化社刊）を構成＆執筆。HPはhttps://www.yumikoitakura.com

ヒマラヤ山脈を望む聖なる森で心身再生！

インド5泊６日　至福の最新ウェルネス滞在

今、世界では、さまざまなウェルネスプログラムが行われています。その中で、最もデトックスを期待できるといわれるのがアーユルヴェーダ。今回は、その起源の地インドにある世界有数のウェルネスリトリート「ヴァナ」を、トラベル＆スパジャーナリストの板倉由未子さんが取材します。

心身のメンテナンスを目的に旅をする人は、年々増え続けています。日々の喧騒やストレス社会の中で、いつの間にかずれてしまった心と体のバランスを整えたいという、人間の本能的な叫びから生じている現象なのかもしれません。健康的な食事、ヨガ、パワースポット巡りなど、人々は五感に響き、よりよく生きるためのヒントとなる体験を求めているのです。

世界中にさまざまな療法がある中で、最も五感を浄化し、自然治癒力を開花させるといわれるのがアーユルヴェーダ。紀元前５～６世紀、インドのヒマラヤに集まる賢者（リシ）たちによって伝えられた医療で、必ずドクターによる診断があります。問診、脈診、舌診、触診などで体質と心身の状態を調べ、最適な自然素材を与えてバランスを取り戻し、治癒力を高めていきます。＂生命の科学＂を意味するアーユルヴェーダは、不調な部分だけを診るのではなく、性格、思考、ライフスタイルといった総合的な見地から問題の原因を探り、最適なトリートメントや食事療法を行います。その内容は万人向けではなく、一人一人が健康に生きるための指針となります。

近年、健康意識の高い人々から熱い支持を得ているのが、インド北部・デラドゥンにあるウェルネス施設「ヴァナ」。アーユルヴェーダを基本に、世界選りすぐりの自然療法を組み合わせたウェルネスプログラムを体験できます。アーユルヴェーダの起源の地、ヒマラヤを望むリュクスな＂隠れ家＂で、5泊6日の滞在をリポートします。

アクセス／日本からデリーまでは、直行便で約９時間半。その日はデリーで１泊し、翌日国内線に乗り約50分でデラドゥン空港へ到着。１インドルピー（INR）≒1.52円（2019年9月中旬現在）

体によくて美しいものに触れ、日々心身が潤っていく

「ヴァナ」の滞在は最低５泊から。

チェックイン後、アーユルヴェーディックドクターと面会。既往歴や現在の体調、生活習慣について問診され、血圧測定と脈診も行われます。

このコンサルテーションによって、アーユルヴェーダの体質やトリートメント内容が決定。使われる素材やオイル、重点的にトリートメントを行う体の部分など、細やかな指導がドクターからセラピストにあります。

アーユルヴェーダでは万物は「風・火・空・水・土」という５元素から構成され、人はヴァータ（風と空）・ピッタ（火と水）・カパ（水と土）という３つのエネルギーの集合体と考えられています。その中で優勢なエネルギーが、各人の主要体質になります。人は季節、年齢、環境、時間帯に影響を受けながらも、バランスをとっていますが、自分の限界点を超えると不調が生じるのです。

私の体質は、フットワークが軽いが消耗しやすいヴァータと情熱的で鋭いピッタ、ふたつのエネルギーが優勢なヴァータ・ピッタ体質（ちなみにカパはのんびりしていて持続力がある）。最近は首まわりの乾燥が気になり、時々、膝に違和感があることを、ドクターに伝えました。「ヴァータが乱れていることから生じている症状です。リラックスと休息を心がけてください」とドクター。そして、食事や運動法、肌の乾燥ケアについて助言を受けました。

部屋の冷蔵庫には、クリスタルで濾過された水、炭酸水、日替わりのハーブ水の３種類が常備されています。