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これも新しい京都!鷹峯の雅な自然に先端のリトリートが溶け合う「ROKU KYOTO」へ

坪田三千代

坪田三千代

女性誌、旅行誌などを舞台に、旅の記事の企画、取材、執筆を手がけています。国内外を問わず、シンプルな味わい旅からハイエンドなラグジュアリー旅まで、広く旅の喜びや楽しみ方を伝えることがモットー。海外の訪問国も80カ国を超えています

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京都には、ここ数年、多くの新しいホテルが開業していますが、2021年9月に開業した「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」はちょっと格別。緑に抱かれた広大な敷地に広がるホテルには、温泉水を用いた広い屋外プールもあり、京都らしい魅力を随所に取り入れながら、ゆったりとリラックスできるリトリート。ここは、まさに“京都なリゾート”です。部屋もレストランもスパも、「格別」の「ROKU KYOTO」でのステイの魅力を、ご紹介しましょう。

 

 

広い敷地にゆったりとした水盤が広がるのびのびとした空気感

「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」が立つのは、洛北・鷹峯三山の麓。一見遠くの山の中のように見えますが、地下鉄烏丸線北大路駅からタクシーで約15分で到着します。車寄せにある巨大な盆栽のようにも見える植栽は、北山台杉。4階建てのホテルの周囲にはぐるりと緑が広がり、すぐ近くには「アマン京都」もあるという、京都でも注目度の高い立地です。

「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」は、ヒルトンのラグジュアリーブランド「LXRホテルズ&リゾーツ」がアジア太平洋地域へ初進出したホテル。ROKUとは、山麓のロク、紙漉きのロクなどから名付けられました。

 

 
エントランスの車寄せに植わる北山台杉は、北山で伝統的に独特の剪定方法で仕上げられる杉。ホテルのシンボルマークにもなっている

 

チェックインは、レセプションで、ハーブ入りの緑茶とわらび餅をいただきながらゆったりと。室内には、風神雷神をテーマにしたモダンアートなども飾られています。このあたり一帯は、17世紀に本阿弥光悦が徳川家康から土地を与えられたことから、琳派の芸術家や風流人が集った地なのだそう。

 

 


レセプションでは、ゲストはそれぞれ個別にソファでチェックイン。お茶をいただけるティーハウスでチェックインすることも

 

チェックインを終えると、いざ、ホテルのゲストリレーションに誘われて客室へ。エントランスを抜けると緑の中庭に続いて目に飛び込んでくるのは、周囲の緑や空を大きく写し込む広い水盤。「ROKU KYOTO」の敷地は、約23000㎡余り。庭園や料亭、レストランなどが点在する広大な「しょうざんリゾート京都」の中に位置しています。

 


周囲の鷹峯三山を借景にして、まるで自然の中に自分がいるように感じられる

 

建築デザインは、数寄屋建築を思わせる廊下や聚楽壁を思わせる壁など、和の要素を取り入れたモダンテイスト。内装には、唐紙、漆、竹、陶器などの京都らしいアートワークが施されています。

 

今回、宿泊したのはデラックスルーム。エントリーレベルのお部屋ですが、50㎡もありゆったり気分で滞在できます。ナチュラルな色味でまとめられたシンプルな内装は、居心地よく、使い勝手も快適。窓側にある大きなソファはデイベットとしても使えて、朝に夕に、山と空の景色を眺めながらごろりとできるのがいい感じ。

 

 
壁一面のピクチャーウィンドウにデイベットとしても活用できる広いソファを備えたデラックスルーム

 

客室内のアメニティにも、最近のラグジュアリーホテルらしい配慮が行き届いています。歯ブラシやヘアブラシは木製、備え付けのミネラルウォーターはボトル入りのエココンシャスな選択。ドライヤーは、美容通にも人気のレプロナイザー4D+。ちなみに、プレミアデラックスとスイートには最新型のレプロナイザー7Dが備わっています。シャンプー類は、VOTARY。ローズマリーなどのすっきりとした香りが心地よく、凛とした自然派の雰囲気がホテルのコンセプトともマッチします。

 

 


英国製のナチュラルプロダクツで、世界でもハイエンドなホテルのみで使われているVOTARY。カップなどは陶器製

 

特筆すべきは、リネン類。タオルは、ボリューム感がありながら肌触りのやさしい今治タオル、シーツもするりとなめらかな肌触り。裏起毛のバスローブは、ふんわりと体を包み込むようにとても軽くて暖かで一度袖を通すと、脱ぎたくなくなります。部屋でゴロゴロしているだけでも、幸せな気分に。ラグジュアリーホテルならではのステイの楽しみです。

 


お部屋の窓からの景色は、端正な建物と鷹ヶ峰。客室はほとんどが鷹ヶ峰を眺めるビューとのこと。くれなずむ山並みを飽きず眺められる

 

 

外光が溢れるレストラン、そして特別感が極まるシェフズテーブルも

レストランは、自然光が差し込む「TENJIN」が一つのみ。レストラン名前は、敷地内を流れる天神川から名づけられました。ここでは、オールデイダイニング、ザ バー、シェフズテーブルの3つのシーンを楽しめます。オールデイダイニングでは、朝食やナチュラルフレンチを。「Engawa」と呼ばれる外を眺めるエリアでは、アフタヌーンティーも人気。紅葉の時期は、テラスで川と紅葉を眺めながら、ゆったりと食事やお茶を楽しむのも素敵。

 


「TENJIN」のオールデイダイニングのスペース。朝食もここで。朝食は、メインディッシュを6種類から選ぶセミビュッフェスタイル

 


「TENJIN」のオールデイダイニングのうち川沿いにある「Engawa」スペース。川沿いの自然を眺めながらお食事を

 

ザ バーは、オリジナルのカクテルやモクテルを楽しめる大人のスペース。シェフズテーブルは、13席のみのコの字型テーブル。総料理長の谷口彰氏が趣向を凝らして仕上げた、ストーリーあるメニューの数々が登場します。例えば、「誰が袖」(着物の片袖の形や模様)からインスピレーションを受けた一皿や、琳派独特の技法である「たらしこみ」を用いたソースの一皿など。京都らしくて、ここならではの美味しさが、こだわりの器とともに登場します。

 


「TENJIN」のシェフズテーブル。基本的には、総料理長の谷口彰氏が、直接ゲストにサーブしてくれる

 

シグネチャーな一皿は「薬草園」。江戸時代、鷹峯には薬草園があり、そこで栽培していた野菜を幕府に献上していたというストーリーから着想を得て生まれました。自社農園で栽培したハーブや花、京都の季節の野菜をさまざまな調理法で表現されていて、季節感がぎゅっとこもった爽やかな一皿です。

 


目にも麗しい「薬草園」は、コースの中に必ず組み込まれているシグネチャーなメニュー

 

 

空の下でくつろげる天然温泉を用いた屋外サーマルプールが魅力

「ROKU KYOTO」の施設の中でも、ホテル好きに話題を呼んでいるのが、スパ「THE ROKU SPA」。屋外プールやフィットネス、トリートメントルームを備えていて、スパ施設を利用することで滞在の価値がぐんと高まること請け合いです。

 

25m×8mの屋外プールは、京都では唯一の天然温泉のサーマルプール。水着で入ると、ふわり心地よい暖かさに包まれます。空や緑を眺めながら、一年中、泳げるプールはとっても快適。宿泊ゲストは、あらかじめの時間予約で、無料で利用することができます。サウナに似た採暖室もあるので、冬でもプール後に体を温めてくつろげます。

 


緑の芝生と山並みを眺めながら温泉を楽しめる屋外サーマルプール。のんびり浸かっていても、軽く泳いでも楽しい。水着やサンダルは借用OK

 

トリートメントルームでは、“KYOTO ELEMENTS”をキーにしたトリートメントを満喫して。シグネチャーなトリートメントの一つ「オーセンティックROKUエクスペリエンス」では、ゲスト一人ひとりのタイプに合わせたトリートメントプログラムに加えて、追加オプションでアクティビティを選ぶこともできます。

 

チェックシートでのセルフチェックの結果、私のタイプは、風、火、土のうち風の「エアー・スペース」。ゆっくりと自身と向き合う時間をつくることが必要、ということでした。トリートメントの内容は、フットバス、ブレスリチュアル、90分のトリートメント、15分のヘッドトリートメントに、選べる30分のトリートメントでは旅の疲れを取るべく足をチョイス。さらに、しょうざんの敷地内の庭をパーソナルトレーナーと一緒に歩く30分のメディテーションウォークをプラスオン。

 


温泉を引き入れた風呂を備えたトリートメントルームもあり、敷地内で採取した「トウキ」の葉を入れて温泉浴を楽しむこともできる

 

ボディなどのトリートメントには、アーユルヴェーダに基づいたプロダクツ「スンダリ」を採用。フェイシャルのオプションには、海洋深層水を用いた話題の日本産プロダクツ「SHINSO」も

 

トリートメントの最初には、和紙を細かく切った「切麻(きりぬさ)」を手でつまんで、体や肩の上からふりかけて、空気や体を清める気分にする、という“儀式”も。天神川の上流は、大昔、朝廷の祭儀の際に潔斎をしていた聖なる場所だそうで、そのストーリーから編み出されたもの。

 


トリートメント前、檜の「唐櫃」に収められた「切麻」を好きなだけつまんで、自分の体に振りかける。お清め気分の水もどうぞ

 

パーソナルトレーナーと歩くメディテーションウォークは、苔むしたしょうざんの庭を眺めながら。清らかな空気とともに、さらさらと流れる小川や歴史あるお不動様など、この土地に積もった時間を体と心で感じるひとときです。

 


メディテーションウォークで歩く「しょうざんリゾート京都」の庭。小川や滝などもあり、清々しい気分に満たされる

 

個人的にヒットしたのは、ウォーキングの途中、敷地内に「御土居」(おどい)を発見したこと。豊臣秀吉が洛中洛外を分けるために築いた土塁で、現在、残っているのはここを含む3箇所だけだとか。この地は、まさに今も昔も京都の端っこ!

 


ウォーキングの途中で通りかかった「御土居」。1591年に築かれた土塁で、ここ鷹峯の他、西賀茂と北野にその跡を残すのみ

 

京都の歴史や文化の要素を取り入れながらも、自然と融けあう時間を過ごせる「ROKU  KYOTO」は、これまでになかった唯一無二のラグジュアリーホテル。サーマルプールでくつろぎ、自分に合わせたトリートメントをたっぷりと受けて、庭をウォーキングしながら自然と歴史に親しむ滞在は、リゾート気分をたっぷりと満喫できて、心身を癒すリトリートとしての価値も大。

京都を楽しみながらたっぷりとリフレッシュできる、これまでにないひとときになることでしょう。

 

◆ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts

京都府京都市北区衣笠鏡石町44-1

☎︎075-320-0136

全114室

1泊1室¥103,730〜(税・サ込、京都市宿泊税・入湯税別)

www.rokukyoto.com/

 

 

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