「とてつもないサウナができるらしいよ」
と聞いたのは、夏。ちょうどこのOurAgeの姉妹誌MyAgeで「女性目線のサウナ案内」の特集を進めていた時。
10月中旬オープンだけど、校了ぎりぎり間に合わないかも?!
結局、そちらにはまにあわなかったのですが、2020年に女性用サウナが全面リニューアルしたのが素晴らしい! と聞いた時からずっと行きたかったので、プライベートで行ってきました!
今行くべきサウナのランキング「サウナシュラン」では、2021年まで3年連続の堂々1位の、御船山(みふねやま)楽園ホテルです。
2021年10月15日オープンの、御船山楽園ホテルの薪サウナ‼ 日本一のスケールがすごくて、ワクワクします! 広い分、すごく高温ではなく80℃台とのことですが、上の方は座っているとすぐに汗がどんどん出てきて、かなりな薪の熱を感じます。
座る場所で熱さが全然違うので、温度調整可能。いちばん上は天井までガラス張りで空が見えるのが新鮮。窓下2段目がお気に入りになりました! でもちょっと熱くなると少し下に移動したり。(これはオープン直前撮影で、男性用。女性用も左右対称の造りです)それもこのスケールだからこそ。
度肝を抜かれるのが、ストーブの奥の全面ガラス張り! 御船山の森が美しい絵のよう!!
御船山の石をサウナストーンにして2.5トン積み上げてて、朝から地元武雄の間伐材、樫の薪を焚いて、15時までに温度を上げていきます。毎日、大変な作業。なので薪サウナは、必ず午後に楽しむべしです。
ロウリュウは御船山の地下水。巨大ストーブとは少し距離があり、上手くかけるにはちとテクが必要なくらい、広い!
※ロウリュウ:熱したサウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させること。
じんわり優しく、かつ芯から温まる薪サウナの偉大さを全身で感じられる貴重な空間です。 また、女性用薪サウナは、喫茶室の裏手の小道を進むと、木の扉が密やかにあるのも、いい感じ。
そう、ここには喫茶室があります。
ちなみに、奥に見える階段から薪サウナに行けるのですが、知らないと見過ごしちゃうかもしれないので、注意。
女湯喫茶室で、やたら美味しく感じる塩プリン🍮や、デトックスウォーター、薪燻ほうじ茶、甘さ控えめ軽やか丸羊羹など、裸でソファに寝そべって、薪ストーブの暖かさを感じながら、サウナの合間に食べたり飲んだりするのが、なんだかシュールで、新鮮。
でも、もうひとつ興味深いのが、2020年にできた女湯のメディテーションサウナ。
特に奥のくぼみに座ると胎内のような感覚で、不思議に安らぎます。
そしてここには、セルフロウリュウ用のアロマ水を凍らせたキューゲルボールが4種類あるのですが、嬉しくなった女子が数人でいくつも置くと、かなり温度と湿度がグッと上がります。 薔薇の香りはちょっと強め。和はっかとみかんとか、ひばを入れたときとは、かなり香りが変わるので、様子を見ながらどうぞ。(でも入湯はひとグループ4人までという心遣いのルールあり)
サウナのすぐ脇にある、天井から陽の光が降り注ぐ水風呂にも細やかな配慮を感じます。
こちらの水風呂はすべて、温泉の源泉を16〜17℃に冷やしてるので、切れがあるのにどこか優しいのと、どこも階段状になっていて深さがあるので、意を決してしゃがまなくても、階段を下りて行けば自然と水風呂に入れるのも、嬉しかったり。
ちなみに、男湯のメディテーションサウナの方が薄暗く、ロウリュウ用に焙煎したオリジナルの嬉野のほうじ茶があるので、香りを吸い込んで深呼吸したくなります。翌日は男女入れ替えなので、こちらも必ず体験できます。
涼むためのイスやソファはざまざまあるので、思い思いの場所でととのえられるのも魅力の一つ。男湯には巨大なととのえ岩があったりするのも他にない楽しさ!
御船山の森にマイクを設置。サウナ内に自然の音がライブで流されるという安らぎの演出も。
上が女湯の露天風呂。下が男湯の、露天風呂を望む内風呂。
藤のしなやかなデイベッドに横たわるのがなんとも安らぐ薬湯が、女湯は内湯の横にあり、男湯は内風呂の奥、露天にあるのですが、これも心地いいコーナー。 代表の尾原嘉久さんが、サウナの聖地、しきじにインスピレーションを得て、設えたそう。
北欧中心に欧州のサウナ巡りなどもしていろいろ視察を重ねた経験が、今回の薪サウナにつながったと語りながら、小原さんの構想はこれで終わりではないみたいです。このサウナもまだ最終形ではないそう。まだ進化していくサウナプロジェクト、ますます楽しみ!
もうひとつ、今年できた2室のみのサウナ付部屋が大人気!
お部屋にサウナと、深めの水風呂まで! 御船山楽園ホテルに泊まる際は、この部屋を早めに予約したくなるのは納得!! ちなみに御船山楽園ホテルに泊まって、麓のレストランに行く、駅近の小料理やさんにいくのもありです。
ラグジュアリーを求めるなら、お隣の竹林亭に泊まってゆったりしつつ、楽園ホテルのサウナを利用する、がグッドチョイス。
もうひとつ、300年前に生まれたと言われる御船山に、江戸時代後期、50万㎡の敷地に作られた大庭園を、敷地に手を加えずに自然のありのままの形をアートにするという試みが、チームラボによって2015年から試みられています。
今年だけの展示が2021年は11月7日までだったので急いで伺ったのですが、庭園内作品は常設なので、これ以降もかなりのものを見ることができます。これも必見です!!
2021年の展示は23もあり、廃墟を使ったアートも。
「チームラボ かみさまがすまう森」という、この御船山までを含む、壮大なスケールのアート。
代表の小原さんが、「やり始めたらどんどん止まらなくなった」というのもわかる、何年もかけて成長してきた、迷宮の森です。
でも、小原さんには、まだまだやりたいことがありそうです。
この地に生まれ、代々受け継いできたこの土地と、武雄という町の魅力を生かした、もっと壮大なプロジェクト。いつの日か、棚田で夕陽を眺めながらサウナで整ったりする日も来るかも?!
何だか目が離せない場所になっちゃったな、とわくわくしながらホテルを後にしました。
御船山楽園ホテルは入口を入ると、この作品、≪呼応するランプの森とスパイラル≫の、息をのむほどのランプの光に出迎えられるのですが、秋は「山の紅葉」で輝いています。
佐賀
御船山(みふねやま)楽園ホテル
らかんの湯
佐賀県武雄市武雄町武雄4100
☎0954-23-3131
【宿泊の場合】サウナ付き客室2室 1泊2食¥18,150~(2名1室利用時1名)
大浴場サウナは男1種女2種(翌朝男女入れ替え)
*男女ともに薪サウナが21年秋、オープン。
【日帰りの場合】1名¥4,500~ 大浴場入浴(サウナ)や常設アート鑑賞含む 要予約
撮影/杉本 圭・編集部